朽木九区の由来

※作者から

　本編におけるネタバレを多分に含みますので、じゅうぶんにご留意ください。

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おらが朽木の足もとに　～　朽木市に伝承する童歌

一

おらが朽木の足もとに
地虫が九匹這いよって

はじめの地虫の言うことにゃ
おらが根っこは万宝寺(ばんぽうじ)

八面和尚(はちめんおしょう)のいぬること
すぐさま北は奥原(おくはら)の

あの大槐(おおえんじ)に知らせねば
槐翁御爺(かいおうおんじ)に知らせねば


二

おらが朽木の足もとに
地虫が九匹這いよって

次の地虫の言うことにゃ
おらが根っこは奥原(おくはら)の

槐翁御爺(かいおうおんじ)に聞いたこと
すぐさま北は打鞍(うちくら)の

あの鬼童(おにわろ)に知らせねば
鬼熊童子(おにくまどうじ)に知らせねば


三

おらが朽木の足もとに
地虫が九匹這いよって

次の地虫の言うことにゃ
おらが根っこは打鞍(うちくら)の

鬼熊童子(おにくまどうじ)に聞いたこと
すぐさま東は石神(いしがみ)の

あの化燈籠(ばけどうろう)に知らせねば
厨子王丸(ずしおうまる)に知らせねば


四

おらが朽木の足もとに
地虫が九匹這いよって

次の地虫の言うことにゃ
おらが根っこは石神(いしがみ)の

厨子王丸(ずしおうまる)に聞いたこと
すぐさま東は三日干(みかぼし)の

あの山蛭(やまびる)に知らせねば
大鎚御前(おおづちごぜん)に知らせねば


五

おらが朽木の足もとに
地虫が九匹這いよって

次の地虫の言うことにゃ
おらが根っこは三日干(みかぼし)の

大鎚御前(おおづちごぜん)に聞いたこと
すぐさま南は清水(きよみず)の

あの大蟹(おおがに)に知らせねば
嘉十郎(かじゅうろう)に知らせねば


六

おらが朽木の足もとに
地虫が九匹這いよって

次の地虫の言うことにゃ
おらが根っこは清水(きよみず)の

嘉十郎(かじゅうろう)に聞いたこと
すぐさま南は一色(いっしき)の

あの蛞蝓(なめくじ)に知らせねば
邪魅太夫(じゃみだゆう)に知らせねば


七

おらが朽木の足もとに
地虫が九匹這いよって

次の地虫の言うことにゃ
おらが根っこは一色(いっしき)の

邪魅太夫(じゃみだゆう)に聞いたこと
すぐさま西(にし)は二本松(にほんまつ)

あの山椒魚(さんしょううお)に知らせねば
外法坊(げほうぼう)に知らせねば


八

おらが朽木の足もとに
地虫が九匹這いよって

次の地虫の言うことにゃ
おらが根っこは二本松(にほんまつ)

外法坊(げほうぼう)に聞いたこと
すぐさま北は佐倉殿(さくらどの)

あの赤躑躅(あかつつじ)に知らせねば
閻魔(えんま)の刑部(ぎょうぶ)に知らせねば


九

おらが朽木の足もとに
地虫が九匹這いよって

しまいの地虫の言うことにゃ
おらが根っこは佐倉殿(さくらどの)

閻魔(えんま)の刑部(ぎょうぶ)に聞いたこと
ああ　知らせねば　知らせねば

御方様(おんかたさま)に知らせねば
魔王桜(まおうざくら)の方様(かたさま)に