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運搬

基地の中に戻った。

『はー疲れたー』
愛梨は宇宙服を脱いで椅子にダラーんと座った。

『そうだね』

『あ、ごめんこのフカフカな椅子これしか無いね』

『大丈夫だよ。僕は』

『ダメよ、ほら来て』

『ん?』
僕は座っている愛梨の前に立つ。

『はい、座って』
愛梨は椅子から立ち上がり僕に座るよう催促する。

『え?』

『いいから』

『ん、わかった』
僕は愛梨に言われるがまま座ってみる。

『はい、座ねー』
愛梨が僕の膝の上に座ってきた。愛梨のお尻がムニッと膝にのる。ふわっと愛梨の首筋の少し汗ばんだ匂いがくる。

『ちょ、え!』

『ふー疲れたー』

『ぼ、僕出るよ』
なんだか愛梨の体は全身柔らかい。

『ダメ、こっちの方がいい。別に私重く無いでしょ、それに』
確かにそこまで重く無い。

『あ、うん』

『私たちこれでいいのよね?』

『え?』

『もしかしたら、これで死んじゃうのかな?そんなのやだな』

『そんなことないよ。僕が頑張って守る』

『こんな私でも?助けてくれる?』
愛梨はすこし泣いている。
愛梨は続けて
『ライブの時みたいに元気でいられないよ。こんな私嫌いでしょ』

『なんで、そんな弱気なんだよ』

『こんなのいつもよ。ライブの時だけ』
どうしたらいいかわからない。
僕は何も言えずにただ時間が過ぎた。

少し経って
『ごめんね、もう大丈夫。さっあ続きしよ』

『もう、大丈夫なの?』

『うん』
そう言いながら愛梨は立ち上がる。目元が少し赤いし目も赤い

『わかった、じゃあ基地を分解しよう』

『ええそうね』

『まずはリビングにベットを運ぼうか、あ、あと核融合炉もだね』

『そうね』

『じゃまずはベットからだね』
僕たちはベットのあるモジュールに向かう

『愛梨そこ持って』
少し愛梨にベットを持ち上げてもらう。
僕はベットを固定しているネジを取っていく。

『よし、終わったから、次は愛梨のだね』

『ねえ、ベットは一つでいいんじゃない?』

『でも、どうやって寝るの?』

『そんなの、べつに2人で寝るぐらいのスペースはあるよ』
愛梨は必死に僕を見て訴えてくる。

『あ、うんそうかもね』

結局僕たちは僕の使っていたベットをリビングに持って行って終わった。

『次は融合炉だね』

『そうね』
融合炉は実験モジュールに置いてあるのでむかった。

『これかな?』
発電機と書いてあるハッチを開けた。

ハッチには四つの四角い箱がある。どれも一辺40センチぐらいある。

『よいしょ』
僕はそのうちの一台を下ろす。これ一台で3世帯分の電力がまかなえる強力な核融合型発電機だ。

『これ一台でいいの?』

『あ、あそうだね。これだけで十分だよ』

愛梨と僕で落とさないようにリビングまで運んだ。


















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