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ナギ

 私は自分が好きではない。

「……」

 三人の背中を見ながら一人落ち込む。

 
そう、ナギ(私)には何もない。


 アイもミミもテルも誰かのために何かを成し遂げることができるのに、私はなにもできない。何の取り柄もないから。

「どした?」

「何か悩みでも?」

「相談してみ。私たちが聞いてあげるべ」

 この優しい三人と私は出会えてよかったと思ってる。けど、三人は私のことどう思ってるんだろう。

「……」

「そんな心配すんなって」

「え?」

「ナギと出会えてよかったって、私も思ってるからさ」

「私も」

「私も」

 私は何も言ってないはずだ。

「どれだけ一緒にいると思ってるの?」

「そうそう、ナギの考えなんてお見通し」

「ほんと心外だわ。私たちは好きで一緒にいるのに」

 三人の優しい言葉に涙が出そうだった。そして後ろ向きな自分が恥ずかしくなった。

「ほら、行くよ」

「うん!」


 誰だってきっと誰かを好きになる。


 お互いのコンプレックスも含めて、その人という存在を好きになるんだ。


 だから、きっと大丈夫。


 あなたがいつか大切な誰かと出会って、あなたが自分自身を好きになれる日が来ることを、私は願ってます。


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