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お昼の12時、あるアパートの一室で一
人の子供が泣いていた。
彼の名前をやぐちようがと言った。
ようがは小学校4年生であった。
だが、ようがはいつものように学校を
ずる休みして、とうこう拒否していた。
正確には学校に行く体力など彼にはも
うなかった。
ようがはこの日、朝からなにも食べて
はいなかった。
ようがの家庭は崩壊しており、そのた
めに彼は学校に行くことが怖くなり行
けなくなった。だが、ようがは自分の
この最悪の人生を恨んではいなかっ
た。
ようがは普通の子供ではなく障害を持
った子供だった。とは言え、普通の障
害を持った子供でもなかった。
ある種、特殊なものの考えをする子供
だった。
今はこの部屋に一人でいたが、夜にな
ると両親や兄が家に帰ってくる。
その時がようがの本当の地獄の始まり
だった。
ようがは幼稚園に入る前から両親と兄
に虐待をされて精神がいつも崩壊寸前
で生きてきた。