(打ち切りです。リメイク版を「羊頭狗肉の志」として連載中)
十一年前、人々は『究極龍ギデオネル』による甚大な家畜の被害や街の破壊に悩まされており、五年の時を経て冒険者『ヴィファール』が究極龍を討伐した。
勇者の称号を受け取った彼のような英雄になるため、世界を股に掛ける幾多もの冒険者が立ち上がったのだった。
そんな世界に、冒険者に憧れながらも、冒険者を嫌う少年『アルト・クラバー』がいた。彼は辺境の名もなき村に住む村人で、世界各地を旅するような金も、外敵から身を守る力も持っていない。
それ故、彼が冒険者になろうものなら飢え死にするか、魔物や盗賊に殺されるかの二択だけしか用意されていなかった。
だが、冒険だけが危険とは限らない。
アルトは森にある果実を採りにいく道中、オークに遭遇し、絶体絶命の状況に陥ってしまう。
死を覚悟したその瞬間、冒険者『ナナツキ・カイム』が颯爽と現れ、オークを瞬殺して自分を救ってくれた上、彼と同行するなら冒険者になるための修行をつけてくれると言うではないか。
さらに旅費は全額彼が負担するとのことだ。
そんな上手い話には裏があるというものだが、裏があっても結果は同じ。冒険者になれずに死ぬだけだ。
アルトは上手い話に乗って、英雄への道を歩んでいくのであった…………。
これは夢を諦めた少年が、再び夢を追う物語。
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