六歳まで育ったある日、クリスティーナは前世の記憶に目覚めた。
野生のオークと呼ばれるほどに醜い、格闘技オタクの男として生涯を遂げた記憶である。
身体は女、心は男。
しかし12歳の頃、少女愛好者たる天才変態女教師の毒牙に喜んでかかったことにより、
男としての矜持は、劣しに貶し堕とされた。
男としての精神は、汚しに涜しに穢された。
男だとか女だとか、心の性別などどうでもいいではないかと悟ったのだ。
先生を失ってもなお逞しく、すぐに一つ年下の少女二人をその毒牙にかけ、愛欲と快楽に蕩けて溺れる日々を継続していた。
しかしクリスティーナは満足できない。
次に狙うは、悪役令嬢の見本のような公爵令嬢テレーシア。
一方テレーシアは、ぽっと出の英雄の息子ギルベルトに狙いを定めた。
更には親友(男)トールヴァルトがギルベルトに一目惚れをするなど、恋の四角形が完成してしまう始末である。
かくしてクリスティーナは邪魔者からテレーシアを毒牙にかけようとしながら、親友の恋の成就を応援するのであった。
「あぁ、愛しい愛しいテレーシア。貴女が私の愛に堕ちた時、美しいその顔がどんな風にこの指先で蕩けて、その唇はどんな悦びの歌を紡いでくれるのかしら……もぅ、楽しみだわ」
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