僕たちは陽氷を染める

渚乃雫

「なあ、一ヶ月だけ、アルバイト、しない?」

後ろの席の少年は、ある日、突然、彼にそう声をかけた。

つまらない毎日。
変わらない毎日。
それが、少しずつ、変わっていく。

色味が無いと、思っていた彼の日々が、
少しずつ、少しずつ、色を帯びていく。


陽氷。
またの名を6月。


この30日間を、
鮮やかな彩りへ。


彼らは、染めていく。

限られたその時間で。



(エブリスタで掲載中です)

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