見習い悪魔にくちづけを (外部サイトで読む

ちょきんぎょ。

悪魔使い。
それは禁忌とされる悪魔の力を使い、世界から忌み嫌れ、殺されるべく追われる危険なものたちである。

その悪魔使いの中で、天才と呼ばれる少女、クェル・フェル・エル。
そんな彼女が生み出した悪魔に与えられた契約の内容は、『願いをひとつ叶えるたびに、くちづけをひとつ』というもの。

「それじゃ、ちょっとドラゴンとか倒しに行きましょうか」
「くちづけだけで割に合わないと思う時、結構あるんだけど……!?」

世界は残酷で、契約は絶対。
けれど、それが正当かどうかはきっと、ふたりが決めること。
見習い悪魔に、くちづけを。

――――――――――――――――――――

「掴みましたか」

暗く、音のない世界でそんな声が聞こえた。
目覚めた場所はほの暗く、妖しく。
そんな中で、金色の少女はくふふと微笑んで、

「今日からあなたは私の悪魔なので、宜しくお願いしますね♪」
「……はい?」

 彼女は理不尽で、滅茶苦茶で。
 だけど少しだけ優しくて、あたたかなくちづけをくれる、僕の主だった。
 これはたぶん、僕と彼女の繋がりのお話。

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