十年前になくしたものは (外部サイトで読む)
ドリームランドの解体工事が決まったニュースを知ったのは約一週間前、夏休み初日のことだった。
「知ってる? あそこ解体されちゃうんだって」
「なんでいまさら? あれから行きたがんなかったじゃん」
少年の態度は素っ気なく冷たい。だが少女は怯まなかった。
「それでも行かなきゃいけないの」
そこに何かが――自分たちが十年前になくした大切なものが――あるかも知れないことを信じて。
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