この腕が燃え尽きても、君の父になりたい〜捨てられた娘と家族を奪われた少年の、七日間の家族戦記〜

トウガイ(灯亥)

寿命を燃やす"炭の手"の異能をもつ十四歳・炭咲は、言葉も振る舞いも幼い少女に「パパ」と呼ばれ、父になることを選ぶ。

幼い頃、父の実験で母と妹を失われ、両腕が木炭と化した彼は、焼け焦げた臭いのする包帯で黒い腕を隠し、火を灯して放つ"炭炎"を使うたび余命を削られ、炭化は腕から全身へ静かに進んでいた。復響だけを心の支えに生きてきた彼は、センター試験当日、駅へ向かう途中のコンビニで親に捨てられたらしい無言の少女と出会う。

迷子猫のように店内を彷徨う少女を放っておけず、炭咲は自分の靴と紅マフラーを渡し、保護施設へ託して試験会場へ向かう。――しかし会場で再開した少女は、人混みの中で炭咲を見つけると初めて「パパ」と呟き、必死に縋りついた。拒む理由を失った彼は、自分の「捨てられた子?」という独り言を少女が「ステラれた?」と真似たのをきっかけに、罪悪感と祈りを込めて”ステラ”と名付け、面倒を見る責任を引き受ける。

だが直後、会場に"カカシ"と呼ばれる怪物が出現し、二人を執拗に追い詰める。守るため炭を振るうほど余命は削られ、炭咲は初めて「誰かのために戦う痛みと温もり」を知る。辛くても逃げ延びた先で現れたのは、黒いスーツの異能狩り集団〈カラス〉だった。

さらに〈カラス〉の背後に父の影を感じ取った炭咲は、真相を求めて父の元へ向かう。
父は確かにそこにいたが、主導権を握っていたのは先に来て別室で待っていた各務家の少女だった。彼女はステラを「お姉様」と呼び、「七日間、家族として過ごせば彼女を救う」と奇妙な契約を差し出す。

こうして炭咲、ステラ、各務家の少女の三人による"偽りの家族ごっこ"が始まるが、その日々の裏で、父の実験とステラの正体に関わる新たな危険が追っていた。偽りの父娘は本当の家族になれるのか――燃え尽きる腕で守り抜いた先に、少年が選ぶ選択とは。

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