兄の婚約者が「貴方はわたくしの事を愛しているのでしょう?」と言ってきたのですが、俺が愛しているのは俺の婚約者だけです。 (外部サイトで読む

霜月零

「アルネリア・コーベルネルト公爵令嬢。君との婚約は白紙に戻させてもらいたいんだ」

 沈痛な面持ちでそう告げるのは、俺の兄であり、王太子であるヴェルフォルン・ドレジアだ。
 けれどコーベルネルト公爵令嬢は動じていない。
 それどころかとんでもないことを言い出した。

「貴方はわたくしの事を愛しているのでしょう?」

 なぜ、コーベルネルト公爵令嬢は、俺に愛されていると思い込んでいるんだ?

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