死体蹴りが必要になった社会 (外部サイトで読む

ごんのもの

西暦2050年、とある現象が世界を震撼させた。
死人が二週間以内に蘇る。全ての死人が蘇るわけではなく、そこに規則性は見出せなかった。
蘇った死人には、脳内に強く刻まれていた出来事や思考がほんの僅か残るものの、生前の意識はなく、生者の生命を奪うという本能的欲求のみで動き続ける。
彼らは、"レヴェナント"【還ってきた者たち】と呼ばれた。レヴェナントは喉仏の部分が変異し、仏が十字架のような形に変わり、喉元に浮き出ているのが特徴である。たとえ死体が腐っていても、骨だけになっていても、蘇ったレヴェナントは喉元以外は生前の姿に戻っている。
各国は、対策本部を設置。遺体及びレヴェナントを扱う国家直属の専門官"エンバーマー"が、遺体を二週間監視、残念ながら還ってきてしまった者にはもう一度とどめを刺す、そういった役割を担うことになる。
高校生、久遠 隼人(ひさとお はやと)は、お寺の住職の息子だった。生命は尊ぶべき、死者は決して汚してはいけない。それは人として守るべき道徳だった、それまでは。二度と会えないと思っていた人が還ってくる。だが、そこに再会の喜びはない。
誰かが手を汚さなければならない。だから、隼人は今日も死体に鞭をうつ。

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