桃真伝
時は中世、人々が自然や闇に大いなる畏れを抱いていた時代。禁域と呼ばれる未開の地には、人知の及ばぬ妖や怪物が棲んでいた。
ある日、ひとりの陰陽師がお告げに従い、禁域の奥深くへと足を踏み入れる。目的は、ある特別な赤子を外の世界へ連れ出すこと。かろうじて成功したものの、彼は獰猛な化物によって深手を負ってしまう。
森の川辺で倒れた陰陽師を見つけたのは、近くの村の老齢の猟師であった。猟師の孫娘の看病により一命を取り留めた陰陽師は、やがてその家で赤子と共に暮らすこととなる。
だが、禁域から連れ出された赤子はやはり普通の人間とは違っていた。成長するにつれ見せ始めた不思議な力の片鱗を、陰陽師は隠し通すよう諭す。そうして周囲との違いに思い悩みながら、赤子は少しずつ成長していった。
そんな折、村外れの一軒の家に大きな白羽の矢が立つ。それは禁域に棲む猿神という恐ろしい化物の手によって放たれたもの。幼子を生け贄に捧げる残酷な儀式の始まりを告げる合図であった。
目次
其の一
其の二
其の三
其の四
★と感想
ログインすると作品の応援や感想の書き込みができるようになります。新規会員登録(無料)はこちら。
★を贈る
星を選択して「いいね!」ボタンを押してください。投票後、「いいね!を取り消す」ボタンを押せばいいね!を取り消すことが可能です。
感想を書く
感想を500文字以内で入力してください。入力した内容は作者の承認後、感想欄に表示されます。
通報をする
読者への感謝の気持ち


