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かなぎはあぐらをかいて、目を閉

じて、腕組みをしていた。

はせがわがドアをノックすると、

(はい、どうぞ)と言った。

ドアを開けると静かな声で言う。

(住職、相談者様から預かったノー

トを持って来ました・・・・・・)

(かなぎは目を開けると、

(ありがとう)と言って真剣な顔をし

て受けとる。

かなぎがノートを開き、相談者の

内容がかれていたページを一ペー

ジづつ読んでいく。

読み終わるまではせがわは黙って

待つことにした。

ノートの内容を読み終えると、か

なぎははせがわに言う。

(では、はせがわさん)

はせがわ

(はい、住職)

かなぎ

(私はしばらくこの内容を考えてみ

ますので、私が呼ぶまでそこにいて
ください)

はせがわ

(わかりました、住職)

と言いながら、はせがわは正座を

して黙って待つことにした。

かなぎは目を閉じて、正座をする

と考え込んだ。

それから15分もすると、かなぎは

目を開き言う。

(はせがわさん、こんどうさんをこ

こへ連れてきてください)

はせがわは(わかりました)と言いこ

んどうを呼びに戻った。

こんどうは待たされることにイラ

イラしていた。先程、自分が住職

と話をすると言わなければよかっ

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