天下への階段12
豊臣、徳川の冷戦が続いている。
狐は商家の商いを徳川の家臣まで幅広く広めている。最近は柳生宗矩とも会って取引を開始した。武田の金堀を相当かかえたようで徳川の大きな財力になっている。だが豊臣の財力には比べようもない。
天海が動き出した。家老の法師が先頭にどこにいたのか弾正に忍者が8人周りを固め出発した。狗は見張っていた鼠に加え下忍を2人加えて後ろをゆっくりついていく。山道を越え2日、秋葉山に入った。ここから輿を置いて天海が急な坂道を歩く。4人の忍者と法師が同行している。しばらく登ると修験者が30人ほど現れ天海を背の高い輿に乗せる。狗もここで下忍を2人置いていく。
「胡蝶元気であったか?」
巫女が姿を現せた。狗は鼠を残し大回りに裏側から洞窟に迫る。だが天海も胡蝶も洞窟には入らずさらに奥の神社の中に入る。神社には修験者が取り囲んでおり到底近づけない。それで崖から屋根に飛び乗る。そこから狭い床に座っている2人を覗いた。
「大坂に参るのですね?」
「そうだ。段取りは宗矩任せているが浅井の3姉妹の元に行ってもらいたい」
「3姉妹の一人を選べと言うことですね?」
「恨みの強いものを選ぶのだ。それでその娘を式神のように操るのだ。秀吉を葬るのはこの手だ」
「分かりました。でも顔を大きく変えましたね?」
「骨を弄ったのだ。だが狗に体を焼かれたのでもう空を飛ぶことも出来なくなったわ」
「私狗を殺します」
と言うなり胡蝶は裸になった。いつの間にか胸の膨らみが豊になっている。天海は前を肌蹴て胡坐をかく。そこに抱かれるように胡蝶が座る。1刻も揺れが続き胡蝶が白目を剥いている。
「明日出発します。天海さまは?」
「北条に参る」