おもてなし2号店の改修 その1
改めてコンビニおもてなし2号店の店舗周辺を見直して見る。
商店街の端の方にあり、左右の店舗ともかなり接近していて左右に広げるのは無理。
後方も反対側にある店舗の裏面に接しているので広げることは出来ない。
となると、もう出来ることとなると1つしかないわけです。
はい、縦に伸ばしましょう。
僕が考えたのは、こう。
今は平屋の屋上でビアガーデンを営業しているコンビニおもてなし2号店
この屋上部分を店舗にする、と。
で、現在店の屋上で営業しているビアガーデンですが、これを、店の「前の街道」で営業出来ないか商店街組合にかけあってみようと思っているわけです。
と言いますのが、コンビニおもてなし2号店のビアガーデンは非常に好調なのですが、建物の構造上、広さが1階と同じだけしかないわけで、やはり狭いわけです。
なら、いっそのこと店の前の街道を使用出来ないかと思った訳です。
ビアガーデンの営業は、コンビニおもてなし2号店の営業が終了してから始まりますので、夕方5時前後からです。
その時間帯の街道はかなり人通りも少なくなっています。
と、いいますか商店街の端にあるコンビニおもてなし2号店ですので、このあたりの街道を歩いている人のほぼすべてがコンビニおもてなし2号店のビアガーデン利用者なわけです、はい。
その点にも触れた上で、組合にお願いしたところ、これが拍子抜けするくらいあっさりと許可されました。
夕方から、翌朝までの街道の使用許可がもらえたわけです。
ブラコンベは、こういった道路への出店などにはかなりうるさいものですから不思議に思っていたんですけど、あとでガタコンベの商店街組合のエレエがですね
「ララコンベのことでとてもお世話になったですです。なので、コンビニおもてなし2号店さんの件について最大限便宜を図ってあげて欲しいと意見具申させていただきました」
とのことで……いや、なんか逆にこっちがありがとうございますだったわけです、はい。
というわけで、今後のコンビニおもてなし2号店でのビアガーデンの営業は街道に机と椅子を並べて営業することになりました。
ビアガーデンが営業開始したら、いままで店の屋上に設置していた、移動型オープンキッチンと、スアビールの保冷庫を店の前に出す方式で対応することにします。
さて、2階の造成工事ですが、ここはやはり地元の土建屋のおっちゃん達を呼びました。
前回、1階部分を大改装したときも地元のおっちゃん達に工事をお願いしたわけですけど、やっぱ地元企業ってのはある程度大事にしといた方が、というか、関係持っとく方が何かと後々いいことあるよね、って思ってるからこそ、なんですけど。
再度店に集結したおっちゃん達
「今回も呼んでくれてありがとよ」
と、おっちゃん、ニカッといい笑顔で笑います。
んでもって
「何を隠そう、ワシらな、ここのビアガーデンの常連なんじゃ」
そう言って笑う皆さん。
このブラコンベには、他にも飲み屋があるだけに、こう言ってもらえるのはホントありがたいわけです。
さて、おっちゃん達
僕のつたない図面を元に、フンフンと考え、皆で頭を付き合わせては検討していき。
「よっしゃ、だいたいわかった。あとはまかせな」
そう言うと、その日から早速工事に入ってくれました。
店の2階部分の工事ですが、資材の運び込みは、専用の階段を店の外に作ってもらいました。
2階へ直接上がれるスロープ式の階段です。
この階段を使用して資材を運び上げで作業をしていますので、店の営業も休業することなく行えています。
ビアガーデンも、工事開始と同時に、営業場所を店の前の街道に変更したので、こちらも休業無しで営業を続けられています。
んで、工事のおっちゃん達ですけど
1日仕事して、ビアガーデンの営業が始まったら、そこでしこたま飲んで食べて帰宅しています。
なんと言いますか、工事をしてくれて、売り上げにも貢献してくれて、と、
ほんと、最高の皆さんです。
この工事をきっかけにもう1つ見直したことがあります。
シャルンエッセンス達の住まいです。
今までのシャルンエッセンス達は、シャルンエッセンスの家が没落する前から所有していた使用人用のオンボロ平屋で共同生活していました。
で、ですね、ここの改築もしてあげた方がいいんじゃないかと思って、工事のおっちゃんに見て貰ったのですが
「あ~、こりゃダメだ……基礎からいかれちまってるから、完全に破壊して作り直すしかないぞ」
とのことだったわけです。
いっそここを解体して、ここに2号店を、とも思ったのですが、このシャルンエッセンス達の家があった場所って、裏の裏のさらに裏通りにあるんですよね……しかも2号店どころの騒ぎじゃないほどに狭い……
そんな中に、自分達で作った3段ベッドを2つ並べて寝起きしていたそうでして……
というわけで、そこはシャルンエッセンスとも相談してブラコンベに売却しました。
シャルンエッセンスが、思い出として無くしたくないとか言うようなら、配慮してあげようと思っていたんですけど
「一刻も早く処分していただきたいですわ、あの家族の遺物なぞ……」
と、まぁ、処分にとても前向きだったわけです、はい。
シャルンエッセンスの両親と兄弟って、借金で首が回らなくなったところで、その借金を全部シャルンエッセンスにおしつける形でみんな逃げ出してるだけに、そう言う気持ちもわからんでもないわけです、はい。
で、シャルンエッセンスと、シルメールをはじめとした元メイド達は。現在コンビニおもてなし本店2階にあります、社員寮に住んでいます。
2人で1部屋ですが、1部屋の中が2つに別れていますので、1人ずつのプライベートスペースを持つことが出来ます。
風呂とトイレは共同ですが、簡単なキッチンも併設しています。
んで、2号店への出勤ですが、
スアビールを運搬してくれているハニワ馬のヴィヴィランテスが
スアの使い魔の森からコンビニおもてなし本店脇の地下にある保冷倉庫に運び混むために常時設置されてる転移ドアがあるんですけど、このドアの横には、ヴィヴィランテスが自分のペースで各店舗へ荷物を運び込めるようにと、
本店と2号店
本店と3号店
これを相互につなぐ転移ドアも常設されていますので、これを使用すれば同じ街に住んでいた頃よりも早く出勤出来るようになりますし、ビアガーデンの営業を担当した女の子達が、深夜に裏街道を歩いて家に帰らなくても済みますんでね。
この転移ドア、当然スア製です。
っていいますか、こうしていとも簡単に転移ドアなんて代物を設置してくれているスアですが、普通の魔法使いでは、こうはいかないわけです。
そこは、やはりスアえもん様々なわけですよ。
しかし、シャルンエッセンス達もそんな劣悪な場所に住んでたんなら、もっと早くに相談してくれてれば、とも思ったんですけど、
「お店のことでここまで良くしてくださっているのに、さらに家のことまでなんて……」
そう言って口ごもってしまいました。
……まぁ、気持ちはわからないでもないですけど、僕としては、店の従業員さんは、家族同然と思っていますので、今後は気兼ねなくなんでも相談してね、と、伝えたところ。
「こ、こんな私達を家族と言ってくださるのですか」
と、シャルンエッセンス、もう、感動しまくりで、即座に号泣開始です。
で、それを、シルメール達元メイドらがもらい泣きしながら抱きしめていき。
それを僕やパラナミオが……と、お馴染みの光景が繰り広げられたわけです、はい。
そういえば、前の家の話をしていたとき、シルメールが
「女だけで住んでるってバレたら、何かと危険だからってさ、シャルンエッセンス様がタクラのパンツをもらってきて、それを干してたんだけど、あれのおかげか、1度も男が不法侵入してくるような事がなかったんだよね」
って言ってたんだけど。
ねぇ、シャルンエッセンス
僕、下着なんてあげてないよね?
で、なんでそこでそっぽを向くのかな? ん?
まぁ、下着のことは改めてしっかり事情を説明してもらうとして
2号店の改修工事は間もなく終了なわけです、はい。