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9話 武器アイテムの争いごとに巻き込まれるタケオ

9-1「武器アイテムはいろいろと騒動が起きるタネかもしれない」

俺はいつも通り朝の通勤列車の中のおしくら饅頭に包まれる餡子のように、大勢の乗客に包み込まれているところであった。
そこで俺はある噂を耳にするのであるが、それが今までも聞いたことない新しい噂なのである。どうもどんな超能力者でも勝てる強力な武器アイテムがあるらしいという噂である。通称Uランクの武器アイテムが存在するらしい。確か最大でもSランクの武器しかないはずなのにUランク……? ウルトラ、アルティメットとかか? とにかく強そうだなと印象は受ける。そんな噂を耳にした。

会社が終わった後……シオウからメールが来ていたことに気が付いた。会社ではメールに関してはマナーモードに近いモードにしているので今気が付いた。
なになに内容は、タイトル「Uランク武器アイテムについての詳細」……

おお本当にあるのかよ。シオウはどうやら結構な事情通らしく噂話の裏を取ってくるのが得意らしい。舎弟の不良が結構いるとか……

そこで内容をみると「最近Uランクの武器アイテムが巷に出回っているらしい、だがそれはある闇の組織がモグリの研究者に作らせた安全性を無視した武器アイテムだということらしい。裏ルートでたまに怪しい店にしか入荷しないらしいし売ってることがばれたら委員会に没収されるらしいんだ。だからお前もそんな違法な武器アイテムに手を出すんじゃねえぞ。」

なんだがおせっかいなやつだなシオウの野郎も。俺がそんなものに頼るとでも思っているのだろうか。俺は今まで素手で闘ってきているし、最近は美知の爺さんに拳法の修行を基礎の基礎だが付けてもらっている。ただその修行の合間に美知がこんなことを言ってた。

「タケオは自分の専用の武器アイテムがあれば、もっと強くなれるかもしれないよね」と言っていた。
専用の武器アイテムか……確かレベル1は武器アイテムに制限がなかったな。
そもそも能力で武器を作り出している人もいるので、武器アイテムを持っていたほうが基本有利である。自分より強い相手に勝つ確率を上げるには、もっとも手っ取り早い方法でもある。武器アイテムには剣や銃タイプ、槍や剣よりも大きい大剣や、武道家の爪や棍棒などの長い鈍器的なものから様々なものがある。

これらを自分に合った武器を使う能力者や否能力者や無能力者までいるらしい。普通に考えても能力に頼っていて使わない、必要ないものもいる。しずくとか雪野つとむがそれに当たる。両者とも自身の能力で武器を作ることが出来ていたのである。これでは武器アイテムが必要ないのも明白である。

 しかしシオウのような自身の能力が飛び道具なのも同様に武器アイテムがいらない典型だと俺は考える。これでは自身の能力が阻害される危険性もあるので武器アイテムを使わないのである。あとお金の問題もある。武器アイテムは戦闘で故障することもあるのでなかなか手が出ないそれにかまけて自身の能力の鍛錬を怠る人物もいるかもしれないしな。
なので自分はあえて手を出さないやつもいるのかもしれない。カネアツとかいうカツアゲ野郎は確か野球のバットとボールを使っていたが、あれは武器アイテムなのだろうか?

そんな武器アイテム武器アイテムを取り扱う通販サイトを何件か見たが乗ってなかったので、もしかしたら自前の本物のバットとボールなんだと思える。

確か武器アイテム登録証明を公正試合実行委員会に申請する。申請が下りると自前の道具を武器として使ってもいいと定められている。

武器アイテムは確かに便利かもしれない。能力アイテムの中で試合を有利に進めることができる普通のアイテムもある中で武器アイテムはまさしく武器として使用できるポテンシャルがある。ただし端末機の安全装置と武器アイテム自身に備え付けられている安全装置の二重の安全装置が働くので、相手には傷をほとんどつけることは出来ないが、ダメージとして痛みがあるし、能力ファイトの体力ゲージを減らすという目的は果たすことができるのだ。

俺は今特に貯金をしてないが少しだけ美知に言われたからか知らないが、その武器アイテムとかいうやつが欲しくなった。それがあればもっと楽に能力者ファイトで勝つのが楽になるかもしれないし、俺みたいに素手で闘うしかないやつでも剣を持てばもしかしたら強くなるかもしれないと浅はかだか考えてしまう。

でももし……うーん…どうするか……

俺は会社帰りにたまたま近くでいつも通っている家の近所にあるアーケード街を休日しか通らないが通ってみたら中古の武器屋ではない玩具屋を見つけた。もともと能力ファイトゲームという名所なので玩具屋にもある可能性はある。

俺は少しばかり興味が出ていたのでその古ぼけた寂れかかってる玩具屋を少し覗いて見ることにした。
そこは趣があると言えば良いほうだが古いおもちゃがいろいろ散乱していて玩具屋にしては散らかっていたので、埃っぽかった。そして最大の特徴が古いおもちゃなどの偽物らしきものがあった。ガンプラではなくザンプラとか明らかにかの国の製品があったのだ。

これは怪しいと思いやっぱり店を出ようとしたら、「おい、兄ちゃん見ていってよ」と声を店主らしき人にかけられた。俺は内心こんな怪しげな玩具屋から出ていきたいと思っていたのにだ……興味本位で侵入した俺も悪いのだがと思った。

しかし品ぞろえが古いものが多い……これなんて何年前のおもちゃだ年代物とまではいかないが、どう見ても20年前ぐらいのものだろこのマスク忍者の変身巻物……

俺はこんな店で能力者ファイト用の武器アイテムなんて無いと確信していたがあるかどうか一応聞くと、「あるよ、能力ファイト用の武器アイテム」と意外にもあった。
といっても売れ残りしかないがいいかね? と聞かれたどれも在庫処分品なので元値が5万だけど半額以下の2万でいいと言われた。

種類は3つ剣タイプと槍タイプと爪タイプしかないと全部Aランクの武器らしいと。
AランクってSの次にいいランクじゃないのか……それが元値5万…格安である。
本来なら安くても7万ぐらいで平均価格は10万するらしい。カカクがわかるサイトで調べましたので相場は知ってる。
それが2万でいいと言われたのだ。これは買うしかない! と俺の購買意欲が刺激された。何々あるのは輝天の剣という輝く星のように輝きの鋭い攻撃力が自慢の剣。
もう一つはビークワトリアイナというカブトムシとクワガタのようなモデルを模したデザインの三又に分かれた槍。絶大な攻撃ができるらしい。

そして最後の武器アイテムはノーライガスの爪という武器アイテム。爪タイプである。手に装着することができるのである。これは俺にぴったりかもしれない。特殊効果があります、どんな効果なのかは使ってみてのお楽しみです。と書かれている箱に。俺は美知の爺さんに拳法を習っているので、剣も槍もどうも使いながら拳法が使えない、ならば拳法も同時に使えることができるこの爪タイプなら……俺はほぼ迷わずこれにした、いつもより大目に現金を持っていたのですんなり買えた。俺は意気揚々と店を後にしたのである――


――店の店主はぼやいていた。「しかしいきなりあの能力者ファイト用の武器アイテムを納品させてくれという業者が来て戸惑ったわい。今までうちは安物のアイテムなら置いていたが『これは本当ならサンプル品ですがあなたの眼力に任せます』とか言われたからな~眼力通りにあの男性にあの武器アイテム売ったけどどうなんじゃろうか? 新製品研究所の考えてることはよくわからんわ」――


タケオは早速その武器アイテムを使って街行く人々に能力ファイトを仕掛けていた。
5回闘ったが5回とも勝った。強い強すぎる。爪で引っ掻いただけで一度の攻撃で体力ゲージが8パーセントも減るAランクの武器凄まじい。これならほぼ楽に時間切れまで逃げて行ける。それどころかKO勝ちも狙えるのである。俺の普通のパンチで2パーセントぐらい減るので凄い威力であるのがわかる。

これなら楽にKO勝ちのボーナスポイントで+3Pのボーナスが貰いまくれそうだ。俺はいったん帰宅した。晩飯は祝杯として久しぶりのビールと宅配ピザMサイズを一人でペロリと平らげた。そしてぐっすり寝た。明日も仕事なのでそれでも6時半には起きないとな11時にはもう寝てる俺。

今日は美知の家ではなく自分の家である。だから明日会社帰りに美知の家に寄ろうと思う俺もついに武器アイテムを買ったぞと自慢してやるからな。
しかしまたしてもまたしても邪魔物が邪魔をするのがセオリーなのか、俺がフラグでも立てたのか、会社帰りになんか変てこな服を着た男に「うちの団員になりませんか?」と怪しい団体の勧誘を受ける。どういうことをしているの? と聞くと。世界の不条理をなくして新しい世界を再構築するのが我らの目的だ!と力説された。

これは危ない連中であると俺はこの場で確信した。そしてお前の持ってる武器アイテムは我らの世界には不要であると言われるつまり武器などいらないと申す。
団体名は「SFN団」俺たちは10代後半から30代まで幅広い若者で構成されていると言う。能力者もいるらしい。目を付けられたのか俺は拒否する、色々と……逆切れされた……

「おまえのようなやつがいるからこの世の不条理が無くならないのだ! よって我がおまえを成敗してやる!」
拒否できそうもない。俺は能力ファイトすることになった。しかも無理矢理今ある武器を賭けることを条件にNOと言ったら団長様が直々にお前に姿を見せに行き我らの仲間にするために洗脳すると言う。脅迫です完全に、怖いよマジで。俺は勝ったらお咎めないのか聞いたら。
「我が負けるとは思えないわ(笑)強がりめ……やはり制裁が必要だな……」
と話がかみ合わない。とにかく俺は危険な人物と能力ファイトすることに……
端末の電子音声が鳴り響く。
「勝負を始めます。」「スタートです」
始まりました。色々と怖い相手との勝負が。

9-2「団員として共に世界を再構築するなら許してやるぞ……ってだれがお前らなんか怪しい奴と組むわけないだろバーカバーカ」

「煉王の剣を持っている俺様にお前は勝てない」
いきなりこんなことを言われた勝負開始直後のことだ。

「俺は確かにレベル1だ。しかしこの聖なる剣煉王の剣は我のみが使用する権利がある特注品なのだ。しかもランクはAランクでこの聖剣を持った俺に勝てるやつは、団長様ぐらいしかいないのだ」
なんだか自慢している。饒舌すぎるこいつは。っていうか俺には武器アイテム使うなと言っておいて自分は使うのかよ。

俺はそのことを指摘すると相手のSFN団の男性団員はこう答えた。

「我らのもつ武器アイテムは武器に非ず、聖なるアイテムであるのだから使用が特別に団長様に許されているのである」
なんとも身勝手なルールだとこのとき俺は思った。自分たちに都合の良い規則だけ信じ込まされている。いかにもな団体であると想像できる。

「それで、その武器はなんか強いのかよ、俺にも武器はあるぞ? どうしたかかってこいよ」
俺は相手を挑発してみた。ただ何となくしてみたかったので特に作戦もない。
すると相手の団員Aと名付けておこうはこう言い放つ。

「それはできない。自分から暴力を行うことは団員の規則に反する。
 お前のような愚か者から暴力を受けた場合初めて制裁が許されるのだ」

つまり俺から仕掛けないと闘わないというわけか。
なお時間制ではなく体力制なのでどちらかが仕掛けないといけない。
リーチでは俺より相手の煉王の剣とかいうAランク武器のほうが優れてそうだ。

そこで俺は相手の背後から回り込み後ろから引っ掻く作戦をとることにした。
俺は回転するように敵の周りを走り回る。相手はなるほどみたいな顔をしているが、そんなのお構いなしだ。
俺はスピードを上げながら一気に喰らいつくように背後から襲い掛かる。
すると相手は煉王の剣で防ぐ、そう上手くはいかないか。

そこで俺は練習中の技である。大明理流拳法の初期技を試すことにした。
「大明理投当て」である。急激に距離を一気に詰めて、勢いよく相手の体を掴んで押し出す上に破壊的衝撃を加えるのだ体重を乗せて人体の急所も突くようにする。爺さんに教えてもらってる最中だ……といっても一度も成功してないがな。投げ技と突き技が一緒になっている感じだと思えば楽だ。最初は技をかけられたら何が起きたかさえ分からないものであったが。美知にもかけられているとなんだがコツを掴めそうだった。

美知は手加減と言うかまだなんだかんだいって子供なので力は爺さんより弱いのであまり投げ技は得意ではないというのもあり、痛くないから平気であったからである。

爺さんは手加減してくれないしな……強いのである。武道の達人だとは思ってたが、俺の拳がいちども当たらないのはおかしいのである。美知は何回も受けてくれたのに。

そんなちょっと前の修行を思い出していると相手の団員Aが正当防衛が決まったのか攻撃を仕掛けてきた。なんかぼやきながら「制裁を開始する……」とか言いながら。

俺はぶつかる、爪と剣のぶつかり合いが起こる。何度も距離をとっても縮められる。

離れたところから攻撃できないタイプで助かったのが幸いである。
しかし、次の攻撃は離れたところから行われた……は? おまえレベル1の能力者だろ?
そんなことできるわけが……

「カイザー、センチメンタル・グレネイド!!」

蒼い剣の残光とも言うそれはこちらに迫ってくる。俺はギリギリのところで逃げ出す。

俺はこんなこと聞いてないぞな顔で距離を詰める。ノーライガスの爪で攻撃を仕掛ける。

「うおりゃあああああああ」と威勢よく爪による攻撃だが防がれる。こいつ強いな意外と。

「我らは精霊の加護によりお前のような邪なものからの攻撃など喰らわぬのだ!」
なんとも自分勝手な精霊だなとっそのまま爪で引っ掻いてやると。相手は痛いのか、

「ぐわああああああああ、有りえぬぞお前のような下劣なものから傷をつけられただと……!? 屈辱だ、お前……制裁を再開する!!」

制裁休んでいたのかよと思ったがそんなこと言ってる暇はない。来るぞ……距離を取って先ほどの剣から放つ検圧なのかわからない閃光が放たれる。
すべて逃げまくる。逃げて逃げて逃げまくる。相手はイライラしてそうだ。
「制裁が全てかわされるだと……ならばこの聖なる必殺技できめてやる!!」
必殺技が来るそうだ。俺はすぐに逃げる準備をする。

「喰らいなさい……【ウェーブ・グラビティ・スラッシュ】(重なり合う力の波動の剣)」

波のような剣の閃光が重なり合うように来る。俺は近くの木に登った。ここの木はかなり高いので上手く避けることに成功した。不発した相手の必殺技は。俺はその隙に一気に背後から音も無く忍び寄る。相手は周りをキョロキョロしている。

そのときノーライガスの爪のライオンを模した眼が光った様な気がしたが俺は気のせいだと思った。相手の背後から一気に拳で殴りつけた。
すると相手はいきなり背後からきたからか凄い驚いている。
何度も殴る殴る。相手は転ぶ。剣を弾き飛ばす。俺は相手の体力ゲージを残り20パーセントのとこまでいった。しかし相手も自分の武器を拾いに行く。俺はさせまいと背後から殴り続ける。体力はもうほとんどない。「我が負けるなんて有りえぬ……有りえぬ……」と泣き言を言う。「もうお前の負けだあきらめろ」と降参を即す。降参はルール上有りえる。
よって最後の止めを刺すのも馬鹿らしいほど俺は疲れていた。

「クソ……ならば降参しかないな。覚えていろよ。団長様の力はこの世で素晴らしきものであるのだから、制裁は行われるであろう。この下劣な卑怯者が!」

俺は勝ったが疲れた……なんか気持ち良くない。これではストレス発散どころかストレス溜まりまくりだ。俺はこの場を後にした。


9-3「首にならないだけましだと思えばまあ結構マシですよ。」

俺は美知の爺さんの家に帰宅した。美知にこのことを話すと。
「それは大変だったね。SFN団と闘うなんて、ヤバいかも知れないよタケオ。ちょっと面倒なやつらに目を付けられているかも……」

「そうなのか? そんなに凄い団体なのか?」

「たしかこれこれ……」美知はノートPCをあけて検索を開始する。
そこにはSFN団のHPが映し出されていた。なんとも怪しげなサイトだった。
黒魔術か?それとも白魔術か?なんだかオカルトの話が載ってたりHPに意味のわからない宣誓文まであるしまるっきり意味不明だ。そんなことより団員数だ。
全員で活動拠点はどうやらこの天能咲市が発症で主な活動もここらへんらしい。
団員は900名!?と思ったら予定で本当は小さく9名と書いていた。
拍子抜けである。9名しかしない団体って……逆に怖いような気もしてきた。

「なんだ~9名かそれなら大したことないかもね~いざと言う時はおれがタケオを守るからな……なんちゃって☆」

「そうさしてもらうかな……」

「うん、ありがとうタケオ……(照れ)」

俺は団体のことを今日は忘れよう。これからその団体に能力ファイトを仕掛けられてもいいように拳法の修行をしよう。俺はかなり前向きだったしかしそんな前向きな自分が壊れる瞬間が簡単に来るもんだとこのとき考えられなかった――

――俺の勤める会社から呼び出しがあり行ってみるとなんと俺が能力ファイトをして個人に怪我をさしたので減給1か月十分の一になるらしい。そんなことってないよ……
しかも部長にばれてしまい。こっぴどく怒られた。しばらくは能力ファイト禁止だと
俺が能力者ファイターだと言うのは社長と部長しかしらない。一応届出を出している。
それで別にうちの会社は能力ファイトは禁止ではないのに怪我なんてさせてないのにだ。
SFN団の仕業なのかまさかこんな権力があるとは思わなかった。俺はへこんだ。

1か月能力ファイト禁止処分も部長から個人的に頼まれた。「竹男君は……少しかっかする場面があるからね少し頭を冷やしなさい」と言われた。俺は少し残念だと思った。
今まで通り修行は続けるが、能力ファイトを一か月も禁止されたことだ。別にこれは部長の個人的な頼みだから守る必要もないが、俺は部長に悪いと思い約束は約束だと思い、守る決意を固めた。

いろいろ部長には怒られることもあるけど世話になってることもあるしな……俺はすんなり反省した。でもSFN団は許さないからな覚えていろよ。


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