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反逆3

 京之助を通じて順慶に弾正謀反の報告を送った。順慶は最近は秀吉に近づいていて彼に密やかに伝えたようだ。揚羽から弾正の報告があるかと思っていたがやはり報告はない。それより柘植が京に忍者を送ってきて弾正の屋敷の警備を行うとの報告があった。それで狗が調べて見たら20人ほどが屋敷を警備していた。
 鼠から揚羽が弾正の屋敷に呼ばれたと報告があった。日が暮れたのを見計らって屋敷に潜る。屋敷の見取り図は密偵の女中から貰っている。庭の奥に鼠がいる。弾正の部屋に入っていると言う。こういう潜入の時は入れている密偵は使わない。下忍は外の逃げ道を確保している。
 天井裏に入ると手裏剣が無数に飛んでくる。やはり誘き出されたのだ。5人がいる。手裏剣は柘植のものだ。狗は不利を感じて煙幕を捲く。入ってきたところから大屋根に登る。ここにも5人がいる。すぐに天井裏からも出てくる。四方を囲まれた。黒装束の一人が鋭い突きを入れてくる。これは揚羽だ。
 その時大屋根に手投げ弾が投げ込まれる。この音を聞いた途端空を飛んでいる。投げ込んだ大木にいる鼠が揚羽の投げた簪を受けたのか下に落ちた。
 庭からも忍者が出てくる。狗の下忍が素早く鼠を抱えていく。飛び出してきた下忍に京之助の他柳生の侍が3人剣を振っている。剣の戦いでは柳生にはかなわない。狗が着地したところに下忍が切り込んでくる。
「いつものところに来い」
 京之助が2人を鮮やかに切ると道に走り出す。狗も剣を躱したはずみで反対側に走る。大屋根にいた揚羽たちが塀から出てくるのが見える。辻を曲がると木戸が開いた。年寄りの顔が覗いている。
「この庭を抜けたら寺に行けます」
 瞬間に木戸が閉まる。寺に行くと庫裡に鼠が寝かされている。
「心の臓を少し外れていますがなかなかの腕です」
 それを見届けてから居酒屋に行く。すでに京之助が1本の徳利を空けている。
「警戒が厳しくなったな?だがどうしても京を占拠する日を知りたい」
「筒井はどうするのですか?」
「まず取られた出城を奪い返す予定た。とくに裏門は即座に塞ぐ予定だ。この裏門は柳生が担当する。

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