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 虚ろな瞳が空を映し出す。
 青い青い星の世界を。


「支配してたのはあなた?」

 まっすぐに天を見つめたまま、私は問う。
 答えは無い。

「ねえ。私もコマだったの?」

 風が一筋横切った。

「答えなさいよ!!」

 振り向き私は叫ぶ。
 隠そうとしていた― いや、抑えようとしていた感情が一気に溢れる。

「面白かった?人が死ぬのが!!人が滅びていくのが!!
 最初から、全て知っていたのでしょ?何とか言ったらどうなのよ!!!」

 乱れた息を整え私は相手を睨みつける。
 銀の髪がさらりと揺れ、ブルーの瞳が悲しげに私を見つめる。

「そうですね。知っていたといえば知っていたのでしょうね」

「何よそれ。神様なんでしょ?知っていたんじゃ……」
 怪訝そうな顔をする私に彼は一つため息をつく。

「最初から話しましょうか?」
 確認するように彼は言った。

「もちろんよ」

「そうですね。何処から話しましょうか?」

 暫し考えて、彼は言葉を紡ぐ。

「この空間―いえ、世界としておきましょう。
 この世界の天使が無くなってから世界の輪は大きく崩れ始めました。
 そして研究所が開発した『終わり無き生』は世界そのものを崩壊させ始めた」

 不意に眼下に光が散らばる。
 いや、上も左右も星が瞬いている。

「ここ……」
 ぼんやりと呟く私に彼は言う。

「イメージ映像といったところでしょうか?この方が説明がしやすいと思いまして」
 そう言って微かに微笑む。

「見えますか?中心にある星があなたがいた星です」
 そう言って指差す方向に微かに耀く星が見える。
「私達には『終わり無き生』を消す必要があった。
 世界の崩壊を防ぐために」

「なぜ、『終わり無き生』が世界を崩壊させるの?」

 無限の空間を見つめながら私は問う。

「死なないということは生まれないという事です。
 それは回るはずの輪が止まってしまうという事。
 輪が止まれば世界は動きを止め行く場所を失ってしまう。
 それ故、世界は崩壊してしまうのです」


 星が赤く耀きだす。


「そして、7つの命に―透・鬼炎・氷霊・闘華・紗屡夢・紗覇屡そして貴女に―
 力を与え望みを託した。
 それは実行され『終わり無き生』は消されそこで、全ては元に戻るはずだった」
 赤く耀く星が徐々に光を増していく。

「だけど、崩壊した世界は元には戻らなかったってわけ?」

 振り返り彼に聞いてみる。

「ええ。そうです。7つの命は崩壊した輪に飲み込まれてしまいました。
 風を力を持った透は死に、他は不老不死という運命を受けた。

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