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生い立ち11

 この事件が縁で筒井から今回の依頼人を探ってくれと言う話になった。筒井はこの裏に弾正の忍者が絡んでいることを知らない。それで再び走って洞窟に戻り下忍を集めた。何しろ弾正の大和の城に潜り込む。剣の使える下忍と年寄りと狐を連れて出た。城下町に入ると狗は城に潜った。
 天守閣に弾正の居間があるようだが、上がる階段には侍が警備している。屋根裏にも忍者が潜んでいる。相当な警戒だ。それで天守閣を残して調査して約束の旅籠に戻った。すでに2人が戻ってきている。
「調査していた弾正の忍者の屋敷を見ていました。ここは下忍が待機するところであの忍者はいませんでした。10人ほどがいたようです。それぞれ抜け忍らしく武器は違います」
 年寄りが説明する。下忍は同行してあの逃げた女を探した。
「あの女は地下牢に入れられてました。情報を聞き出しているふうでしたがあの感じでは聞きだしたら殺すようでした」
「今回はあの女を連れだすことだな?狐は?」
「すでに下女として隣の商人の屋敷に入りました。どうもここが他国に出る場合使われているようです。恐らく弾正の忍者がここの主かと?」
 静かに襖が開く音がした。
「あの女と会ったわ。女は私のことを覚えていた。それで助けを求めている」
「どうして?」
「自分は殺されると思っている。今回の仕事で失敗したら筒井に寝返る予定で弾正の秘密を持っているみたいなの?」
「膣の中は見たのだろ?」
「もう一つ穴があるでしょ?」
 だがここからとんでもない戦いに入って行くことになってしまった。
「救い出そう」

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