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生い立ち10

 獅子の死は行方不明で片づけられた。狗の組から獅子の手下だった男と女を外した。だが不思議なことが起こった。洞窟の仲間がこの2人を含めて4人が姿を消したのだ。彼らは獅子の手下だった下忍だ。それでくノ一と年寄りを探索に出した。
 5日後筒井順慶の館に火薬を仕掛けてたのがばれて全員殺されるという事件が起こった。それですぐに筒井に呼び出されたのだ。これでは仕事先を失ってしまう。この4人は洞窟の仲間の印の布を持っていたのだ。
「まさか長の指令じゃあるまいな?」
「調べて見ます」
と言って狐の組のくノ一を3人をこの4人の調査に入れた。これと入れ替わるように弾正の忍者から仕事の依頼があった。内容的には大した仕事ではない。女を守って大和の弾正の城まで警護するのだ。だが嫌な予感がして警護の下忍3人の他内緒で狗が付ける。狐は筒井であの事件の調査を続けてもらっている。
 女が泊まった宿が囲まれている。筒井が使っている百地の忍者だ。5人が旅籠の周りにいる。仲間の下忍は付き人で1人、商人姿で2人同じ旅籠に泊まっている。狗は天井裏に張り付いている。百地は襲ってくる様子はない。何かある。
「あの女、弾正の忍者のくノ一だわ。2年も前から筒井の女中に。あのどさくさの中信長の書簡を盗み出したようなの」
「やはり利用されたのか?」
「この盗みもこちらの仕業にしようと」
 また弾正の忍者の仕業か。
「文は大事なところにしまっていると思う。私が調べる」
「よし今度はこちらで仕掛けよう」
 狗はこの仕事の見極め人が怪しいと思っている。この男は旅の後をずっと付けてきている。それでわざと付き人にこの男に接触させた。これに百地の忍者が飛びついた。その間に狐がくノ一を縛り上げて全裸にした。やはり文は膣の中にあった。それを狗が持って夜通し駈けて筒井順慶に届けた。だが弾正の忍者には恨みを買うことになった。


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