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9話 その3

果てしなく伸び続くリヴァイアサンの体は雲の上を突き抜けてもどこまで伸びてるか分からない。

「…………墓穴掘った!!!!ああぁぁぁ!」

どんでもない化け物に喧嘩売った事に気付いた聖女リンテルス、メディア。

「レ、レ、レヴィヤターン!!ビヒモスの説得に来たのにそれと同じ化け物に遭遇するとは……神よ!残酷です!」

しかし、しばらくしてリヴァイアサンのその長くて太い体がブルブル震え始めて倒れて来た。

「い、いかん!全員退避ーー!」

聖女は飛竜を乗ってビヒモスの背中から全速で離脱した。

「お、おい!しっかりせんか!バカ!レヴィィィィィ!!!」

リヴァイアサンの体がビヒモスの背中に激突した。

さすがのビヒモスもそれに耐えきれず腹部が地面に激突して大惨事になった。

地は揺れ…凄まじい衝撃波でその一帯の森や山や川が吹っ飛び何もかもが無くなった。

「はぁはぁはぁはぁ…ばーーちゃん!窒息死するかと思ったよ……」

その身体は大気圏を突き抜いた見たいだった。

「生きて残念だ!!このバカ!!」

身体を起こしてリヴァイアサンを激しく踏みつけた。

「いや〜ん!肩こりが…解れて行くぅぅ♪もっと〜♪もっと〜♪」

「この変態!てめーに肩がある訳ねぇーだろ!頭身体尻尾しか無かろう!!!」

「腕も肩もあるよ…ほらー♪」

図体に比べて小さい腕とあるかないか分からない微妙な肩を見せた。

これ以上踏んでも無駄と悟ったビヒモスはそれをやめた…

そしてリヴァイアサンも人型に戻った。

「ビヒモス様があの化け物を退治なさった!」

「おおおおおおおお!!!!」

身内のちょっとした喧嘩を聖女と聖堂騎士団の目にはその光景がビヒモスがリヴァイアサンを倒したように見えた。

聖女はビヒモスに近づきまた話しかけた。

「ビヒモス様!!お待ち下さい!」

「お前は毎年、私の周り彷徨きうっとしい事する聖女とやらか?」

「ビヒモス様の為の祭事ですが……覚えて頂き光栄です」

これ以上付き纏われると面倒になると思ったバハムートはビヒモスから出て来て話に応じた。

「私に何の用だ?」

聖女はバハムートを見て驚いた。

「えっ?人の姿?そ、そのお姿は?それにビヒモス様の姿が……抜け殻のように…」

バハムートが出たビヒモスは生気が無くただの土と岩の塊のように見えた。

「あっ?ビヒモスは私が作った義体だ…」

「はい?義体?」

[昔、昔、大昔…ビヒモスと言う凶暴ですんーごぉく巨体な亀のような魔物がいました…だが、それより数百倍大きい生き物が現れて…それをうっかり踏み潰してしまいました…]

何処かでナレーションが流れた。

[その巨大生物はある都合でその魔物の形にカモーフラジューして長い時が流れました…人々や神々はそれを知らずにビヒモスが突然変異したと思い込み…今まで勘違いして来たおバカな話しですよ?後から神々は気付いたようですが……何が神の傑作ですか?笑わせてくれますね…キャルルルル♪」

「この声は!先死んだはずの…レヴィヤターン!」

そのナレーションはリヴァイアサンの声だった…。

「失礼な人やな!せっかく親切に教えてあげたのに!やっぱこいつ死なす!」

「レヴィ…巫山戯るのはやめろ…主様を探すのが一番大事だ」

「あ…そうでしたねー」

(えっ?…仲間だったの?)

今の状況に判断を苦しむ聖女だった。

「んじゃ聖女よ…私達は行くぞ…」

バハムートはビヒモスに乗り移ろうとした時聖女に止められた。

「お待ち下さい!この先に帝都があります!お願いします!」

「…そこを避けて行けて事か?」

「はい!!」

「ふっ!…だが断る…」

「…え?」

「我が主様が待っている!回り道する時間などない!」

「ちょっと一歩足を避けるだけですよ…そ、そこを何とか……」

「……うむ、そ、そうか」

その簡単な事で切実にお願いする聖女にリヴァイアサンが笑いながら話した。

「ぷぷぷー!言い忘れましたが…私、見ちゃったのよ」

「はい?」

「ほらね!先の衝撃で貴方の帝都?それの…吹き飛ぶ有様を…うける♪」

「え?………帝都が?ああああぁぁぁ!!!」

帝都が無くなったと聞き絶望して座り込んでしまった聖女…。

「い、行くぞ……レヴィ」

バハムートはちょっと気まずくてこの場を離れようとした。

「はい!ばーーちゃん!」

「……お前は歩いて来い!」

ムカついたバハムートは乗車拒否をした。

「そんな薄情な!!!!」

「お待ち下さい…」

聖女は人生終わったような表情で2匹の害獣を止めた。

「な、なんだ?まだなんかあるのか?」

「私もついて行きます!」

「ん?……何故だ?」

「その主様…でしたっけ?その方に用があります!」

「ん?……どんな?」

聖女は血涙を流しながら力強く訴えた。

「弁償デッス!!!!!!!!!」

ハルトは顔も知らない会った事も無い2匹の従属神獣のせいで莫大な借金を背負う事になった。

「………に、に、逃げるぞ!レヴィ!」

「は、はいな!」

「逃しマセーーーン!!」

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