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9話 その2

ラプス族とダークエルフ達の協力で着々と食料が貯まってから別の問題に取り込むハルトは織機を作って織物を織って居た。

「グルグル回るー♪グルグル回るー♪僕の目も……回る…おぇ…」

「ハルト様?何をなさってます?」

「なにこれ?」

ラシュトルニとレーイミが来て織機を興味深々と見ていた。

「服を作っているよ!ラシュトルニとレーイミの分は作ってあるよ」

「服!ですか!!」

「うちらに服を?」

「うん!あそこに置いてある物!着替え見てよ!」

嬉しそうにラシュトルニとレーイミはボロい布切れを脱ぎ僕が作った服に着替えた。

おおー!似合うと思ったよ。

………巫女服最高だ!

「凄く!似合ってるよ!」

「そうですか?嬉しいです!」

「こんな綺麗な布で出来た服……嬉しいですがちょっとキツイです…特に胸辺りが…」

あの布を被ったような服を着ていた時は気付かなかったがラシュトルニは胸が凄く大きかった…上着がキツくて服が千切れそうだった。

わーお!!ルル姉と並び立つ程だな…!

レーイミはガッパカッパだった…。

うーーん……残念賞!

「ラシュトルニ…なんなのよ!その醜い無駄肉は!チキショウ!!」

レーイミがラシュトルニの胸を鷲掴みしてから叩き揺らした!

なんと!素晴らしい光景!レーイミありがとう!

「レーイミ!!や、やめ、やめて!痛い!痛い!」

「ぐへへへ!こんなもんモキモキだ………はぁ…もう…いいや…」

虚しくなったレーイミはそのモキモキとぱちんぱちんを止めた。

えっ…もうやめちゃうの?……眼福眼福!ご馳走様でした。

「サイズ別に作ってあるから…着替えて見て」

着替えて来た二人は凄く喜んでた…気に入った見たい。

僕は更に気合を入れて作り続けたが…ラシュトルニが何か違和感を感じたような表情をした。

「ハルト様、男生服は?一つも見当たらないですが…」

…………あっ!

「…い、今からだ…ょ」

巫女服に気を取られて男性服は全く頭になかった。

焦って作り始めた。

「ハルト様!お手伝いさせて下さい!」

「私も!私も!手伝うよ!」

二人が手伝ってくれると言ってレーイミには織機の使い方とラシュトルニには裁縫を教えた。

ラプス族って凄く器用だった。

二人はすぐ上達して着々と出来上がった。

他のラプス族の女性陣も加勢して服の生産も順調に製作出来た。

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タグマイ領に不穏な動きが始まった。

「兵を出来るだけ集めろ…魔王め、儂の使いに手を出すとは…グラトニは勿体ないが…これでいい…儂が玉座に座る時が来たのだ…あははははは!!

傭兵や私兵を搔き集めるタグマイはグラトニの投獄に野望に火が付いた。

「イルヨラスとカストイーラに参戦しろと使いを出せ!」

魔王国に内乱が始まろうとしていた。

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ビヒモスに向かって数百の飛竜部隊が飛んで来ていた。

「ばーーちゃん!なんか来てるよ?」

「…お前ちょっと降りろ、踏んでやるわ!」

「……いや〜よ!汚れるし」

あの巨体に踏まれても汚れしか心配しない。

「お待ち下さい!ビヒモス様!」

飛竜隊の先頭に紫色の髪に銀の鎧に青いドレスを着た女性がビヒモスに話し掛けていた。

「………………」

その女性は無言で前進するビヒモスの上に降りて来た

「あやや…ばーーちゃんに怒られるよ?」

彼女が降りた場所にはリヴァイアサンが居た。

「……誰だ」

その女性は剣を抜きリヴァイアサンに向けた。

「相変わらず人間は物騒な生き物だな…」

と、言ってるもっとも物騒な生き物…。

「我が名はリンテルス、メディア!この国の聖女の役を任される者だ!」

聖女と名乗った彼女をリヴァイアサンはぼーと見てるだけだった。

「こっちが名乗ってからにはそっちも名乗れよ!」

「あやや…ごめんな人間の作法には疎くてね…」

(やはり人間ではないのか…凄まじい気配だ…)

「私はレヴィと言うんですよー♪宜しく♪」

リヴァイアサンは軽いノリで名乗った

「レヴィとやら…ここで何をしてる?」

「見てりゃ分かるやんけ?………ビッちゃんに乗って人探しの旅をしてるよ?」

怒られるからバハムートに聞こえないように静かに喋った。

「やはりビヒモス様を刺激して動かしているのは貴様か!」

剣を向けて魔力を込める聖女にイラッとしたリヴァイアサンは目元がビッグビッグと動いた。

「そろそろムカついて来たけど…」

「来い!何が目的か分からないが…貴様を倒したらビヒモス様も止まるはず!」

勘違いした聖女はリヴァイアサンに攻撃を仕掛けた。

「聖剣よ我が祈りに答えたまえ!」

眩しい白い剣光を放つその剣はとある神の使徒から下界に送られたと伝わる。

その名は聖剣ズルフィカール…少し曲がった曲剣で刀のような形だった。

「あやや…神々のおもちゃか?」

「き、き、貴様!!おもちゃって!不敬な!やはり貴様は邪悪な存在に違いない!!」

邪悪かは分からんが…迷惑な存在には違いない。

聖剣を侮辱された聖女はリヴァイアサンに斬りかかった。

「へぇ…人間の割にはいい動きだね…」

聖女は上段突き、上振り、下段切りから中段の突きの4連撃を2秒で繰り出した。

確かに人間離れした剣撃だが余裕で躱すリヴァイアサンだった。

「今だ!ズルフィカール!」

聖女の姿消えてリヴァイアサンの背後に現れた。

カッキンカッキンカッキン!

瞬速の三連撃を食らうリヴァイアサン…そして距離取る聖女。

「あら?そのおもちゃの能力かな?」

近距離時空移動…それがズルフィカールの固有能力の一つだった。

「化け物め…聖剣で傷一つもつけられないとは…」

「あっ?化け物って私の事?こんな愛らしいのに?貴方!もう許さない!覚悟は出来てる?」

「私は聖女!敵わない相手の前にしても!引くわけには行かぬ!」

その威風堂々の姿にリヴァイアサンは何か言いたがる表情だった

(……ちゃうわ、それは勇者のセリフや)

聖女を援護に飛竜隊も攻撃に出た。

魔力を込めた槍を投げるが軽く素手で薙ぎ払らわれた。

聖女も攻撃を緩めずに斬りかかた。

「…ばーーちゃん!もう限界ですよ!!」

「待て待て!やめろ!」

バハムートは慌ててリヴァイアサンを止めようとしたが言う事聞くはずがない。

「変身!!じゃなくて…元の姿に!」

リヴァイアサンの人の姿から猛烈に光が発生した。

「元の姿?ようやく化け物の姿をあらわ………………」

ビヒモスと同じ超危険生物のリヴァイアサンを見て口を開けたままずーっと上を見上げる聖女。

(うほぉ……デカイし長い!いつまで続くの?その体…)

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