24話 付き合いが長い人こそ警戒しべし
主神の聖地が揺れて崩壊が始まる。
「ルナ!やめんか!何も聞いておらんか…くっ!」
黒い影のような物がルル姉の全身から漏れるように出て渦になった。
その渦の中心から穴が空いたような空間が現れてその中にルル姉は吸い込まれた。
「ルル姉が消えた?」
「遅かったか!既に乗っ取られている可能性も……ガラーウ!何呆然としておる!」
「は、はい!!」
ガラーウが謁見の間から出てしばく金の音が聴こえて来た。
主神の鐘、大神達に緊急事態のため謁見の間にを招集を知らせる鐘だ。
「…主神様!!これは一体!ルル姉に何が起きてるんですか?!」
「……ルナの中には創世の神の一人である無の神、その魂のかけらが宿っておる…怒りに我を失いかけ侵蝕を許してしまったのだ……」
あの時、変な気配!あれだったか!
「不覚だった…もう少し早くガラーウを止めるべきだった…」
主神は拳を握り悔やんでいた…。
「嘘だろ…やつは消滅したはず…」
その言葉を聞いたバルトゥールは驚く表情でその空間を調べた。
「バルちゃん!なんた?それは?」
「大昔、創世の大神の一人だよ…理由は分からんが、世界を一度滅ぼそうとしてもう二人の創世の大神に消滅されたと聞いているよ…お兄ちゃん…大変だよ!これが無の空間ならこの世界全て呑み込で…終わるよ!」
バルトゥールは空間を破壊しようとするが主神に止められた。
「待て!刺激すれば何が起こるか分からん!まずこれに光の結界を張り、一時的ににでも止めて見るが…どれほど持つか…」
主神は広がるその空間を光の壁で封じると無の空間も膨張を止まった。
「主神よ!先の時間の淀みは何事ですか!!」
主神の鐘音を聞いた神々はぞろぞろ入って来る…三馬鹿と慌ててるラズリックさんの姿も見えた。
最後に冥界の女神メタファールが息を切らして何がの袋を背負って入って来た…。
多分、アレだ!レイラミンチ、間に合ったようだ。
「ラズリック姉さん!ルル姉が!あの空間に…」
「恐れたことが起きてしまいましたね…ルナ様…」
ラズリックさんはその空間を悲しそうに見ていた…。
「ラズリック姉さんは知ってたようですね、ルル姉の事…」
「ええ、ごめんなさい、天界でも極一部以外は秘密にされて事てしてね…」
一方、神々も無の空間を見て騒ぎ出したが、一人の神が落ち着かせて主神の前に出て来た。
「大神代表として発言を許して貰おう…」
「緊急事態だ、仕来りなど良いボルグランよ…」
「わかった、主神よ…一体何があった?この事態をどう収拾つける?これでは消滅させるしか手は無いぞ?こうなら無いため貴方様に任せたのに…」
燃えるような真っ赤な髪にムキムキな筋肉の身体をしている男、闘志の神ボルグランはヒゲを触りながら主神を問い詰めた。
ガラーウは死にそうな表情で縮こまっている。
「すまぬ…ボルグラン、世の不覚でこの事態になった…」
主神は謝罪して頭を下げると慌ててガラーウがボルグランの前に立った。
「ああ!ボルグラン様!主神様は悪くありません!私が主神の御前で不敬な態度や禁忌を犯した破壊の女神の罪を問い詰めたのです…」
ガラーウは主神を庇うため正直に話すと神々は呆れた顔でガラーウを見てため息をした。
「ガラーウよ…貴様は何様だ?…」
「え?…」
「大神でも無い貴様が罪を問うなど、この身の程知らずがぁぁ!」
「ひぃー!!」
闘志の神ボルグランは激怒した。
それを聞いたラズリックさんはガラーウの前にラ 出て来た。
「やはり…貴方でしたか…身の程知らずの哀れなバカめ!」
「ら、ラズリック!」
何時も冷静ニコニコなラズリックさんだったが、ガラーウを見ている彼女の顔は今すぐ殺すような雰囲気だった。
「静まれい!まず対策を考えよう…」
主神の号令にその殺伐とした雰囲気は消えた。
「どうする?やはりやるしかないと思うが…」
「消滅か…出来るかどうかも分からん…相手は無の神とルナだ…易々やられてくれないであろう…それに、我々の全力で消滅させたとしても…器に戻る事になってしまう…その後は…」
「問題は邪神達か……間違いなく侵攻して来るだろうな…どの道、我らは終わりか…くっ!」
神々は滅亡しか無い選択肢に頭を抱えるのみだった。
僕達も無の空間を調べているが進展がない。
「ルル姉を元に戻す方法は無いですか?ラズリック姉さん!」
「無の神にお身体を乗っ取られてしまったら絶望的です…それに、あの空間は我々神は入れ無い仕組みになっているようです」
バルトゥールが結界を触るとすり抜けた…無の空間以外は無害のようだ。
無の空間に触ると反発して結界に負荷をかけ始めた。
「うーーん、無理にこじ開けようとすると刺激されて膨張が早まる仕組みだね…私も入れないよ!それに結界も長くは持たなさそうだよ、お兄ちゃん」
邪神も入れないようだ…邪神も神だしな、同然か。
「では、ルル姉は…」
「ごめんなさい…」
ラズリックさんは黙って顔を下に向けた…打つ手なしか…。
苦労と苦労と死ぬ思いやっとここまで来た…なのにここで諦めてたまるか!
「ラズリック姉さん!僕たちが諦める訳には行けませんよ!何が手があるはずです!諦めてたまるものか!!」
それにルル姉のピンチの時に僕が諦めてどうする!
「ハルトちゃん…そうですね!私達が諦めたらいけませんね!やって見せましょうこの謀略のラズリックの名をかけて!!」
また、無の空間に入る方法をまた調べて始めた。
「この暗闇、相当な広さですね、この感じ…この結界の仕組みは!それなら入れるはず…」
ラズリックは入る方法は分かったようだ。