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18話 その2

一方、魔王軍陣営は魔法使いのような一人の女性と戦士四人が神獣と交戦していた。

「くっ!さすが神獣…手強いな」

赤いショットヘアに後ろは長く編んでいて赤いローブにヤギのツノをしている…魔人族だった。

「ガランディア軍はまだ士気が高い!ここで倒れたら我が軍は総崩れだ、皆!気合い入れろ!」

「はっ!」

神獣フロトス素早い攻撃に苦戦している彼女達。

「ガーウ~~!」

フロトスは氷の矢を大量に作りだして放つ…それをギリギリ回避と打ち返して凌ぐが、魔法使いは体のバランスが崩れ倒れそうになったように見えた。

その隙を逃さずフロトスは魔法使に突進して鋭い爪で襲い掛かった。

「神獣と言え所詮神の飼い犬!それを待っていた!その罪!その魂まで燃やし尽くし、廃にせよ!地獄の業火よ!」

間一髪の距離でフロストの爪攻撃を身を投げて回避し、地面に滑りながら爆炎を放った。

見事なカウンター攻撃だった。

「ウォッーーーー!」

強力な爆炎の中に吸い込まれたフロトスの周りは岩は溶け木や草など廃になり風に飛ばされ消えて行った。

「あはは!そのまま燃え…くあっ!」

身を投げた所に大きな石があった…それに頭を打つ彼女は痛みで頭を抱えて必死に耐えていた。

「オフォ……痛ったたた!ツノが割れると思った!」

「魔王様!大丈夫ですか!」

魔王と呼ばれた彼女は瞬時に立ち上がり威厳を保った。

「おぅ…こ、これしきの事!痛くも痒くもないわ!!!!」

「………はい」

顔は痛そうで痩せ我慢してるのがバレバレだった。

「ハフゥーーーっ!」

「しまっ!」

フロトスが冷気を放ち爆炎を吹き飛ばして魔王に襲いかかった。

「爆風の矢よ!」

「貫け!ソニックピアシングスピア!」

「キャーーン!」

双子の攻撃でフロストは体のバランスが崩れた。

「今よ!ハルト!」

「お願いします!ハルトさん!」

「任せろー!うおーートドメだぁ!クイル兄直伝!一撃鋼斬!!」

僕の渾身の一撃でフロトスの胴体を真っ二つに切断した。

「やったね!ハルト!」

「神獣を一撃で真っ二つに…凄いです!ハルトさん!」

褒められて気分はいいが…あまりもあっさり倒されたせいで本当にこれが神獣か疑ってしまった。

(神獣をいとも簡単に…この少年がラネースから報告があったハルト殿か?)

魔王は確認の為ハルト達に向かう。

その時、死んだと思ったフロトスの上半身がリリヤに飛び込み、大きな口をあけて噛み砕こうとした。

「リリヤ!!危ない!」

「きゃーっ!は、ハルトさん?」

僕は身を投げリリヤを押し倒して庇った。

ぺっちゃー!!

その瞬間、馬の足のような物がフロトスの顔面に当たって、その上半身は見事なトリプルアクセルを決めて地面に落ちた。

そして、そのまま動かないフロトス…死んだようた。

「ツッ!……」

馬の足が飛んで来た方向にはバルトゥールが立って居た…それと舌打ちの音も聞こえた。

「バルちゃん…ちょっといいかな?」

「うん?なぁに?お兄ちゃん?」

バルトゥールを呼び寄せて、その耳に静かに喋った。

「悪ふざけは…ダメだよ」

「うーん?なんの事ぉ?分かんない…ょ?」

惚けているが…僕ははっきりと見た。

瀕死のフロトスの上半身がリリヤを襲う前に邪悪に笑い、正確に狙ってリリヤに馬の足を投げる姿を…。

僕が身を投げリリヤを救おうとしたのはフロトスの攻撃ではない、リリヤならそれぐらい余裕で避けれる…。

でも!バルトゥールの攻撃は別だ!あれを普通の人間は当たっても、掠っても、運が良くても、悪くても……きっと即死だ!

それが偶然、タイミングよくフロトスに当たったたけの事だ。

「二度やったら、怒るからな!」

「テヘッ!ばれっちた……」

「まじ!やめてよ!僕の仲間だからな!」

この子、本当に恐ろしい…もう!

バルトゥールに二度と悪さをしないように注意する最中、魔王国の人達に来た。

「助力に感謝する!君がハルト殿かな?」

「どなた様?ですか?」

ツノだ!亜人…魔人族だ。

「申し遅れた、妾はテスラレイズ…魔王国の女王である!」

まじ!ま、魔王が目の前にいる…。

「冒険者の志村晴人です!あと僕の仲間のイリヤとリリヤです」

「始めまして…イリヤです…」

「リリヤです」

魔王に会って緊張した僕達は丁寧に挨拶してお辞儀までした。

「おお!やはり君がハルト殿か!ラネースから聞いた通りの…ん?その子は?」

「ツッ!………」

あっ!また、舌打ちした!魔王の態度が気に食わない見たいだ…不安だ。

「へへっ!ハルトお兄ちゃんの超可愛い妹!バルトゥールちゃんだよ~♪一応…邪神やってまーす♪♪」

笑顔でノリノリに自己紹介するバルトゥール…うん、ちょっと可愛くて萌える!

「ふははは!ハルト殿の妹君は、冗談がお上手であるな!はははは!邪神か!あははは!」

冗談と思うのか普通だ…でも本物だ!しかし、魔王と邪神…どっちが強いだろう?

バルトゥールはニッコリ笑って、石を一つ拾い山に向けて投げた。

「ふんっ!」

ドォカーーーン!

爆発音にビックリする魔王…。

「なに?なに?何が起きた!」

音がした方に目を向けると山一つ消し飛んでいた。

「おい、お前…まだ冗談に聞こえるか?あん?」

「ほ、ほ、じゃ、じゃ、し…」

邪神たと分かった魔王様は震えて言葉もまともに出なかった。

魔王より邪神が話にならないほど強いみたいだ…。

(何?神の使徒じゃないの?邪神の兄?なにそれ?意味わからん!)

「図が高いのう…うちのお兄ちゃんに対して随分横柄な態度だな…あっ?そのツノへし折るぞ?」

(わ、妾は誇り高き魔王!誰にも頭を下げぬ!媚びぬ!謝ってはならん!)

必死に耐えてるが…泣いてしまった。

「ちょっと!ストップ!!バルちゃん、そこまでね…」

可哀想に見えて来て…バルトゥールの頭を撫でて機嫌を直す事にした。

「わかった!お兄ちゃん!へへ」

「よちよち…いい子だね…」

「えへへ、子供扱いしないでー♪」

ああ…この先、この子をどうすればいいの?手に負えない…。

僕はバルトゥールの扱いに悩やみ、胃が痛くなって来た。

神獣は倒し終わった…あとはラズリックさんとレイラさんの勝利を待つのみだった。

しーゅんーーーードォーン!

空から何か降って来た。

「アイタタタ……」

「いーやん!…あのむっつりにボコられるとは…ね」

ドルゥーガにやられたラズリックさんとレイラさん

そんな!!あのラズリック姉さんとレイラさんが!

上空で僕を見下ろす使徒ドルゥーガ…。

「我が主の望みである!少年よ、その命貰い受ける…」

凄い殺気と気迫!あっ…でもバルちゃんより弱そう…。

「ドルゥーガ…私達を見下ろすとはいい度胸ね…」

「全くだ…」

ラズリックさんとレイラさんが立ち上がる。

ドルゥーガは無数の剣と槍ゃ鉄槌など色んな武器を作り出しラズリック達とハルト達に撃ち放した。

「ハルトちゃん!避けなさい!まだ君はあれを防げない!きゃーっ!」

「集中しろ!ラズリッくぇ!」

二人はギリギリ攻撃を耐えて僕を守ってくれた。

「力の解放出来ないお主らは我の敵ではない!それ以上無様な姿を晒すな…」

また無数の武器を作り出すドルゥーガ。

[[オホホホ!我々の神獣達を倒したと調子に乗って!様あー見ろ!怪力バカ女の下僕よ!]]

[[ドルゥガ!やってしまいな!]]

[[速戦速殺!追善!]]

[[ぬ……なに勝手に出しゃ張る!]]

上空から声が聞こえた…広範囲の念話だ

怪力バカ女?…ルル姉を貶す言葉に僕は不愉快になって来た。

[[まぁいいじゃん~聖地から出た訳でも無いし]]

[[そうだそうだ!一言でも言わせろ!]]

[[鬱憤発散中!権利有り!]]

[[まあ良い!ドルゥガよ、茶番は終わりだ!我らに歯向かったら奴ら全員始末しろ!]]

ラズリックさんとレイラさんはまた立ち上がり空を見上げて笑っていた…先と違って余裕がある表情だった。

「あらー皆様!いい残す事はそれだけですか?遺書を残す時間ぐらいはありますのでお忘れずにね!」

[[ラズリックよ強がるな…主人があんな状態じゃ…お主らなんぞ一捻りだぞ?あはは!バカ女め帰って早々…哀れじゃ]]

ルル姉をまた侮辱した…頭に血が昇るのを感じた。

[[言わせておけば!神か何だか知らんが!誰をバカとか哀れな女だと?!神の片隅にも置けないボンクラどもがぁぁ!]]

あー思わず神様に凄い事言ってしまった…言い過ぎたかな?

[[に、に、人間風情が!神を冒涜するとは!はっ!さすがに野蛮な彼奴の手下じゃ…]]

…前言撤回!それたけじゃ足りないようだ。

北海道の雪だるまを思い出して言って見た。

「あぁ?なりふり構わず必死ですね!そんなビビリな女神…多分胸もペタンコでしょーね?膨らみ0.5成長終了…乙です!お気持ちお察しします!…あっ!でも、貧乳も悪くないですよ?」

[[な、な、な、貴様ああああぁぁぁ!楽に死ねると思うな!!]]


効いたようだ…創造の女神は気にしてたいたかその事を突かれて怒り狂った。

「僕、長生きしますよ?ほらー見てよこのずば抜けた生命線!神様がそんな事も分からないですか?」

手相を見せながら挑発してみた!ちょっと怖かったけど…もうやってしまったからどうでも良くなった。

[[と、と、ドルゥーガよ、今すぐやつの口を閉ざせ!そして生きたまま妾の前に連れて来い!地獄が生温いと思うほどの苦痛を与えてやる]]

急にラズリックさんが爆笑した…。

「ぷっ…ぷっはははは…!!聞きました?ルナ様?神相手に!あははは!ハルトちゃん!凄い!」

[[ふははは!ああ、聞いたぞ!さすが!私のハルト君だ!ククク…]]

聞き覚えがあるこの綺麗で力強い元気な声…ルル姉の声だ…。

僕の胸にあるルル姉の器が光り出して人の姿に変わった。

「よう!久しいな…三馬鹿とまな板よ!」

ルナファナリールカ…破壊を司る女神、ルル姉だった。

しおり