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17話 修羅場は好きかね?

ラーズ王国国境近辺

「我が国の国境内に入りましたね…」

「はい!女王陛下…もうすぐヒューデン国境都市に着きます!」

「城に帰ってからやるべき事が山ほどありますね…」

「……ヘリトリ公爵はどうしましょう?」

「伯父と言え、反逆罪…それ相応な処罰をしませんと女王として示しがつきません…」

「陛下……」

目を閉じるフィリア、気が進まなく、辛そうな表情だった。

「これも王としての定め……マリーヌ近衛将に命じます!王都に着き次第、近衛兵を率いてヘリトリ公爵を国家反逆の罪で身柄を確保して下さい…」

「拝命、承りました!」

先頭の護衛の近衛が馬車に近づき手紙と書類のような物を渡した。

「女王陛下!王都から宰相の使いから緊急な知らせだと…」

マリーヌは手紙を受け取りフィリアに渡した。

「…何でしょうね………これは!!…」

手紙を読んだフィリアは手紙を握り千切ってしまった。

「女王陛下?」

「ガランディアが創造の女神の名の下に我が国に宣戦布告してナズーラ村に向かって侵攻中だそうです…」

「な…宣戦布告!?」

「創造の女神に仇す者に組したラーズ王国は敵国と見なすと…」

「…我々が?屁理屈を!」

「創造の女神に仇なす者の名は…シムラハルト様と……」

「!!!な、な、」

「ハルト様の事は分かりませんが…王位の儀済まし国境を越える同時に…あまりも計画的な宣戦布告ですね…」

「…卑劣な…しかし、何故王都ではなく、ナズーラ村でしょう?」

「……神の名を出した以上…ハルト様を捉えないといけません…只の侵略行為になりますからね……捉えさえすれば、嘘でも自白したと発表すれば…侵略は正当化されてしまいます…」

「………あのような少年に神は何を…」

「時間がありませんね…マリーヌは予定通りヘリトリ公爵を…この局面に内部から謀反まで起こると…手が付けられません…」

「……承りました…」

ラーズ王国にガランディアの侵攻が始まる緊縛な状況になった。
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ボスの攻撃でに破壊されナーズラ村のイビルゲートは形すら残ってない。

その奥深くハルト達は力を取り戻したボスとまだ対峙していた。

「あの……」

「お兄ちゃん!お兄ちゃん!うーん!懐かしお兄ちゃんの匂いだ」

なに!お兄ちゃんと来たか…聞き間違いじゃないよね…。

「も、もう一度呼んでくれる?」

「ん?お兄ちゃん?」

イヤーッフー♪たっまりませぇん♪♪

いやいやいや!惑わされるな!こいつはこのイビルゲートのボスだ

し、しかしだな…抱きついて来たこの最深部の主…先まで僕達に狂気に満ちた魔獣のように襲った者と思えないほど無邪気で可愛い!!!

「て、でも、人違い…ですょ?」

一応、否定はした!でも、どうしても…口がにニヤけて緩み切った顔になってしまった!

「違わないよー私が間違える訳無いもん!もう~お兄ちゃんの意地悪~♪♪」

理性を取り戻したボスは禍々しい気配が完全に消えて兄に甘えてるただの可愛い妹の姿だった。

妹が…空から降って来なかったが……ダンジョンから湧き出て来ましたぁ!

しかし、魔物とは見えない、一体何者だろう?

あーでも!ずっと夢見だ理想的な妹の仕草!白髪と日焼けしたような肌色の絶妙なハーモニーがなんとも言えない!妹!何たる破壊力!妹!バンザイ!

「おい、ハルト…」

「……幼女に鼻の下伸ばして何ニヤけてますか?ハルトさん」

殺気が…凄い殺気が…背中に突き刺さった!

後ろで睨み付けてるイリヤとリリヤ…。

「いや…こ、これはですね…」

僕も訳がわからない!この状況どう説明すればいいか戸惑う…誰か教えて欲しいくらいだ!

「お兄ちゃん、何?このメスブタ共…ブヒブヒうるさいな…」

…この子!可愛い顔して、なんて事言うの?

「貴様ら…今、お兄ちゃんとの3000年ぶりの再会だ…雑音入れるな!内臓引き抜いて肉詰めにするぞ?」

やっぱり中身は変わらないようだ。

二人に凄まじい殺意を向けると双子も構えた。

「……くっ!ハルトから離れろ!化け物め!」

ギリギリ威圧感を耐えるイリヤ…。

だか…堂々と乱れなく前に出て立ち向かうリリヤ!

「ふっ!へぇ~3000年ねぇー」

「ん?貴様…何が言いたい?」

鼻で笑って言い争うリリヤ…。

「17歳のハルトさんがお兄ちゃんっておかしくてね…あなた、年の差…計算出来ませんか?」

…り、リリヤさん?ちょっと?

「はっ?その口の利き方…どうやら死にたいらしな!この私を誰だと思ってる?」

「あら~何処のどなたか存じませんね!先まで自己紹介はおろか、ギー、キキ、ウギャと吠えてばかりでしたのでね!うふふっ!滑稽でしたよ!キャハハ!」

わざとらしく笑うリリヤ…挑発しやがる!やめろぉ〜!

「この私は!邪神バルトゥール様だぞ!身の程知らずが!」

邪神だと…!やはり最初に感じた気配、この計り知れない力!マズイ…。

このまま戦いになったらまず勝ち目はないと思った僕は穏便に済ませるプランを考えていた。

ここは、戦ってはダメだ、幸いに邪神は何故か僕の事を兄と勘違いしてる…まず二人を落ち着かせてから…。

「あの…二人とも…」

「はっ?邪神だがなんだか知りませんが!まずハルトさんから離れて言ってんの!幼女の皮を被った超ーーババァーが!!!」

おほほぅ…あぁ、終わった!ハイ!お疲れ様でした!仲良くお手を取り合いスキップしながら冥界に行きましょうか!

邪神相手でも引かないリリヤ…貴女こそ、真の勇者です。

「あ、あ、う、ば、ば、ば……」

ドン引きした顔で僕に向け何か言いたがるが、言葉が上手く出てこないようだ

その気持ち…何を言いたいか…分かる気がするよ?

「こ、この私を……ばばぁ!だと?い、イかれてる!ははっ…まじイかれてるよ!!!お兄ちゃん…こいつと関わらない方がいいよ!」

無理だ…もう手遅れだょ。

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