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16話 その3

僕はルル姉と双子の運命まで背負ってしまった。

それでも死すら共にしたいと言う仲間が出来て正直…嬉しくて胸の奥が熱くなって嬉しくさに涙が出そうだった。

「…し、仕方ないな!!最後まで足掻いて見るよ!!行くぜ!」

「おう!!」

「はい!勝ちましょう!」

僕達は意気投合して気合を入れた…まだやれる!何故か力が湧いて来て微かに希望っやつを感じだ。

本当に双子には感謝してる…生き延びたらお強請り一つくらい聞いてやるか…

「き、聞いたわよ!」

「聞きました聞きました!」

あっ!また、癖で口に出してしまったようだ。

「これでもう、死ねないな…!力湧いて来たぁぁぁ!!」

「うん!お姉ちゃん!」

「う、うん…無茶な要求は勘弁してよっ!と…危ない危ない」

突いて来た爪を避け、カウンターで剣を振り下ろすが…やはり…避けられた。

動き早過ぎ!小さくてちょこまかと動きが早すぎて当て難い…イライラする!

ああ…広範囲魔法や高威力魔法以外も覚えておけば良かった…こんな狭い所では使えない!

同時に大量の弓を打ち込むリリヤと僕の背中で隠れて死角を狙って胸部を突くイリヤ。

「ぐぁー!」

初めてまともに食らったボスは後ろに退いて苦しそうな表情をした。

当たった胸部に一瞬、赤く光発して消えた。

もしかして…核…?核…!そうか!

胸部を狙って剣を突き刺して見た。

嫌がるように胸部を腕で防ぎながら避けた。

やはり…当たりだ!

「イリヤ!リリヤ!胸部を狙って!奴が核じゃない!核は奴の胸辺りにある!それが弱点かも知らない!」

「分かった!」

「はい!」

僕達は胸部をピンポイントで狙うと、凄く嫌がるように感じだ。

「クール……グワァー!」

魔力が急に凄い勢いで上がって来た…何か仕掛けて来る様子だった。

「まずい!二人共僕の後ろに!早く!」

双子が僕の背後来てすぐ、ボスから赤い球が発生し光を放った。

「リガール!頼のむ!弾けろ!」

左手のカントレットが鏡のような盾の形状に変わった。

その赤い光線は意思の盾に当たると上の方向に弾かれた。

その光は地上まで貫き大穴を開けてしまう程の威力だった。

周り一帯は高熱で息苦しくなった。

「はぁはぁ…凄い威力…熱くで息苦しい」

「届け、風の祈り…」

「吹き上がって風の踊りよ」

イリヤは風で高熱を抑えて、リリヤはそれを地上に飛ばした…。

「凄いな!二人共!」

「えへん!でしょー♪」

「私達より、ハルトさんのそれ…魔道具?なんですか?凄いです!」

リリヤは意思の盾リガールを不思議そうに見ていた。

「盾だよ!意思があるらしい…形も変えれるよ!」

「かっこいい…頼もしいな、その盾…?」

イリヤが褒めるとリガールは手の形に変わり親指を立てた…任せろ!って言いたいようだ。

「うん…ちょっとお著者だから、あまり褒めるなよ…」

リガールのお陰でボスの大技を弾いた僕達はまた核を狙って集中攻撃をした。

斬りかかって来る攻撃を受け流して回転力を利用したカウンター攻撃で胸部を強打した。

「くぁーー!!!」

胸部の核から光が強く点滅していた。

「効いてる!これならやれる!やれるぞ!」

攻略の糸口が見えて来た。

今から一気に攻めたら倒せそうな気がして全身に力を込めた。

「ねぇハルト、そんな凄い盾、いつ買った?」

はい?…何言ってるの?

「その剣も鎧も見た事ないし…」

緊張感無さ過ぎだろ!この二人、ボスの前で何言ってるのよ?

「ちょっと!戦いに集中してよ!もう!ラズリックさんという人に貰ったよ!」

それを聞いた双子は浮気を疑う嫁の目で僕を見ていた…。

「………女ね…」

「……新しい女ですか?」

「いやいや!それより先から戦いの最中に何言ってるの!頼むから!」

爪で切りかかって来たボスにリリヤは弓を投げ捨てて矢を手にしてそのままボスの核にぶっ刺した。

カーンッ!

「クエーーーーッ!」

うわー!すーんごく痛そう……

今までにない程の苦しそうな表情だった。

イリヤも槍に回転を加えてボスを突き飛ばした。

何だ?二人共…いきなり凄く強くなった…。

「大事な話中です…ちょっと控えて下さい…」

「後で遊んでやるからしばらく寝てろ!……さぁーラズリックって誰?」

ちょっと、その目、怖いんですけど!

「白状した方が身の為ですっ!」

凄い気迫で尋問された…。

「うちのルル姉の友達?部下?見たいな……奴が!来る来る!」

「後できっちり説明して貰うからな!」

「適当に誤魔化そうとすると…切り落としますよ……」

え?何を?とこを?

「くああああぁ!……………」

奇声を上げてる最深部のボスは怒ったと思いや急に静かになった。

「本気になった見たい、二人とも全力で回避、防御だ!」

ボスが手を振り払うと無数の炎の矢が空から降り注いで来た…数が多い!避け切れない。

「リガール!対空防御だ」

大きいパラソルに変わった!センス悪すぎ…でも効果は抜群だ。

双子はリガールの防御範囲に入りリリヤは弓で牽制したが、それを無視して僕に突撃して来だ。

リガールの対空防御を維持しながらその猛攻を受ける危機的な状況になった。

片手のみでその猛攻は耐えきれないと思った。

しかし、以外と淡々と弾き返したり反撃まで出来た。

あれ?最初ぼと絶望的な力の差は感じられない!可笑しい!

女神の悲願…成長限度及び成長速度無視…ハルトは戦い抜くほど強くなる…相手が強いほど早く強くなる。

無論自身はそれを分かっていない…。

こいつの気配は最初よりかなり強くなってる感じだけと、攻撃がそんなに重くない?手抜いて遊んでる?油断してる?…ならば!

「リガール!しばらくそのまま維持して!」

リガールを離し全力を振り絞り三連撃を繰り出した。

「よし!クイル兄直伝!空斬落突!」

ボスの突進攻撃を紙一枚のギリギリの距離で回避して、拳に魔力を込めた強力なカウンター攻撃をアゴに打ち込んだ

パッカン!

「キィィッ!」

会心のカウンター攻撃を食らって空中に飛ばされた…そこに飛び込むがジャンプが足りなかった。

「リリヤ!」

「はい! 吹き上がって風の踊りよ!」

リリヤの風を乗って空中に追いつき、腰と肩に力を込めて剣を振り下ろした。

「せーーーの!!うりゃ!」

カぁぁぁぁン!!!

ボスは脳が揺れるほど大きい金属の衝撃音と共に地面に激突した。

「終わりだぁぁぁぁ!」

地面に埋もれて動けないボス…核を狙って最大の力を込めて空中から落ちる力を加えて剣を突き刺した。

キッンーーーーー!

剣の先端と核が当たる鋭い音が広がった。

パッシャーッ!

核は衝撃に耐え切れず割れた…そして、ボスは動く気配がない。

勝った…?

「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ…」

「ハルト!やった……ぅぅ…」

「ハルトさぁぁん!」

激戦の終了によって安心感と嬉しさで泣いてしまった双子…二人の肩を両腕で包み込んだ。

「イリヤ、リリヤ…ありがとう!本当にありがとう…二人のお陰で……」

「…………」

「……ああ…」

二人の表情が硬い…まさか!

後ろに倒したと思ったボスが立って僕達を見下ろしていた。

「炎魔よ…はいにせい!」

「リガール!全方位防御だ!」

ガガガガガーーーん

その攻撃はイビルゲート全階層と…ナズーラ村中央部まで吹き飛んでしまった。

ドームの形になったリガールは双子達まで見事に守り切った。

しかし、あの凄まじい爆発に耐え切れず亀裂が入って割れてしまった。

「くっリガール…!!ごめん!」

ボスが健在だった…いや…更に強くなった…

最初より数十倍以上の強さを感じた。

「…人間風情が耐え切るとは…面白いね!」

先と違ってしっかりと喋って、理性もある…でも、冗談キツすぎる!なにこの馬鹿げた力の感じは……どうにかなるレベルじゃない…。

例えるなら赤ん坊とニミッツ級空母と戦争するようなもんだった。

圧倒的な力の差に、意思が折れそうだった。

「ん?ふーん…人間、お前達が核を壊してくれたか?…お陰で力も意識も戻り自由になれた…」

胸元に残った核の残骸を払ってから殺気を放ち冷たい視線で見つめていた。

「殺気丸出しのお礼…嬉しく無いわね!」

「お姉ちゃん…ハルトさん…」

双子も本能的に敵う相手ではないと分かったか絶望的な表情だった…。

でも、諦める訳にはいかない!僕はもう挫けないと決めたんだ!二人を守るんだ!!

僕は立ち直ってはボスに向かい立った。

その時、何故かそいつの凄まじい殺気が消えて僕をただ見つめていた。

攻撃して来る素振りがない…急におとなしくなった。

「あ…あ……あっ!」

「ん?…あ?」

ボスは奇跡を目にしたように呆然とした顔で何かを求めるように…幻を掴もうとするように、手を差し伸べて僕にゆっくりと近づいて来た。

「あぁ…そんな!お、お……」

何?お?お??

「ぅぅ…おにぃぃちゃんーー!!」

…………えっ?

「本当に帰って来てくれた!おにぃちゃぁーん!」

はっ?何を言ってる?

僕達に抱き付いて来て泣いてる最深部のボス…。

この状況を飲み込めずにただ固まってしまった。

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