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15話 合体ロボ!それは少年達のロマン!

王位の儀を終えたフィリアは主神の大神殿から出て来た…。

神殿前には1000騎程の騎士達が跪き、フィリアを待っていた。

フィリアを到着を信じ先に聖都で待機していたのはフィリアだけ知らない。

「皆…ここまでよく来てくれた!大義である! 余はフィリア ラーズ アイリシア! 新たなラーズ王国の女王となった!!皆!我が国と国民の為!余について、支えて貰いたい!」

「女王陛下に忠誠を!!」

「皆の忠誠と活躍に期待する!王都に帰還する!」

「総員 出発!」

凛々しい、王の風格を見せるフィリア。

騎士達も以前見ていた、ただ優しい姫様では無いと新たな王となられたと実感して高揚感で気合が入ってるようだ。

「女王か……ハルト様…私も貴方に並び恥じない女王になります…」

「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「いけないわ!一日も立って無いのにもうハルト様の幻聴が……しっかりしないと…」

上空から凄まじスピードで何か飛んで行った。

「………今のハルト?すげーーあやつ…空まで飛ぶのかよ!」

マリーヌが大陸間弾道ハルトを見ながら手を振った。

「えぇー!ハルト様ぁぁぁ!!」

フィリアには聞こえていた…「助けてー」と…

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ナズーラ村 冒険者ギルド…おじさんが憂鬱そうに依頼書を整理していた。

「坊主が居ないと…つまらないのは分かるが……」

その後ろにイリヤとリリヤがおじさんを睨み続けている。

「…………ハルトがどこに行ったか言いなさいよ!」

イリヤの刺々しい質問に困ったようなおじさん。

「この三日間…ずっと…ふぁ……嬢ちゃん達は信頼してる…が、方針上、それは出来ん…冒険者の端くれなら分かるよな…」

「…ふん!」

例えギルド員同士でも依頼の詳しい情報は教えられない…それを分かってるが拗ねてしまうイリヤだった。

「ハルトさんならきっと大丈夫だよ…信じてる」

そう言ってお茶を啜るリリヤ…でも、心配で寂し気な表情をしていた。

「はぁ~そうね……きっと…!女の子に囲まれてニヤニヤ青春満喫してるかもね…ふん!」

バッキッ!

「…………」

リリヤのティーカップの取っ手が折れた。

「オホホ…最近の焼き物は脆いね…不良品かしら……(やばっ!地雷踏んだ!)」

焦りながらテーブルを片付けるイリヤ。

「おじさん……」

「ん……?なんだ?」

「依頼したいんですが……」

「………?何の依頼だ…」

「ハルトさんの日常…一日中何人の女性と会ってどんな関係か…どのような事やったか…何時間一緒いたか…親密度、相手の名前、年齢、家族構成、血液型!依頼料は金貨300枚!!…必要経費負担で!」

ドーン!!

リリヤはバックから盛り盛り、膨らんでる金銭袋を出した。

(この子の目…まじだ!…怖っ!それに姫さんより高額だしやがった!)

益々困った顔になるおじさん。

「受けて貰えます?」

「う、ふむ…うちは冒険者ギルドだ…残念だが、そ、そ、そんな依頼は受けられない…」

「へぇ…とこに行けば調べて貰いますか?」

「知らない!自分で調べたら?」

諦めさせようと知らないふりをするおじさん…。

「あっ!そうですね…自分で調べた方がきっと、手間が掛からなさそう…あっ!このお金は慰謝料で使おう…ウフフ!ありがとう!おじさん!」

(手間ってなに!慰謝料?なにする気?ハルトぉ!この子まじヤバイぞ!)

「もう…リリヤたら…冗談、上手くなったな!」

イリヤはリリヤの背中をパンパン叩きながらぎゃらぎゃら笑った。

「ウフフ!!……はぁ?何言っての?本気に決まってるじゃん…もうお姉ちゃんたら…」

「……あぁ、そう?…(リリヤぁぁぁ!うちの妹が!何故こうなったぁぁぁ!)

姉として妹の豹変に複雑な気分に落ちた。

ドカァァーン!

その時、爆音と共にギルドが揺れた

「きゃっ!何?今の?」

「地鳴りじゃ…ないな…この衝撃音の方角…村の外…森辺りだ…先に足が速い嬢ちゃん達は調査を頼む!」

「リリヤ行こ!」

「分かった!お姉ちゃん」

二人は爆音がした場合へ向かった。
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村から離れた森辺りには衝撃で数十本の木が折れて地面は丸く打痕のようにへこんでいた。

原因はアイシビエッチに打ち上げられたミサイルマン、ハルト…そこに落ちたからだ。

「うううう…痛い」

…痛み…感覚がある…生きている…。

はぁ…ここはナズーラ村辺りの森だな、何が座標誤差修正だよ、思い切り外れてるし!あぁ…痛いし動けな……あぁぁぁ!!

僕は悲鳴をあげてしまった…目の前に自分の両腕と、下半身がバラバラになって落ちていたからだ。

「なんだ!!あぁぁぁぁぁぁ!」

ショックを受けて悲鳴が止まらなかった。

どうして何だよ…レイラさん!味方じゃなかったの?痛いよ…僕、もう死んちゃうんだ、ルル姉…ごめん、ううぅ。

痛みと複雑気分で涙が出て来た。

その時、下半身がビックと動き出すのが見えた。

えっ!今、動いたぞ?

やがて、下半身が立ち上がり、急にタップダンスを始めた。

あ?…………なにやってる?ショックで幻覚が見えたのか?

そして、目の前に来て腰を振りまっくて来た。

「はぁ?…幻覚じゃない!ちょー!おま!なにやってんの?僕の下半身さんよー!やめて!やめろー!」

ハッスルがもっと激しくなって来た。

「ちょ…欲求不満かよ!童貞で悪かった!いつか卒業するから!だからやめろ!」

その約束に納得したように下半身はリズミカルにスキップしながら、胴体の方に向かい、スライディングして胴体と接触した。

そして、あっという間に細胞同士が結合し始めて綺麗に合体出来た。

え?………わ、笑えねぇよ!どうなってるの僕の体?ってこては!まさか!

はっと!腕の方に目を向けた。

既に、左手はVサイン、右手は準備完了のグットサインをして待ってた。

「こ、これは!このシチュエーションは!さぁー来やがれ!レッツ合体!とぉー!」

よくある合体シーンのように飛び上がって見た。

右手が胴体に向けて左手をがっつり掴み全力で投げるが、肩に強く当たり過ぎてぺっちゃっと周りに血が飛び散った。

「痛い痛い!パワーバランスが乱れてる右手!」

ギリギリ切断面同士が接触したがあっという間に左手も細胞結合出来た。

「左手セット!よっしゃ!最終合体!」

右手は二つの指で全速で走り飛び上がるがジャンプ力が足りなかった為、肩に届かず落ちようとした。

それで右手は回転を加え僕の顔を鷲掴みして落下を免れた

ポトポト血を落としながら肩まで移動して…また結合完了した。

「合体完了、未知なる生命体!分離合体人間?ハーァァルト!」

…………うん……何か違うよね。

どう見ても…これ…ホラ映画見たいだよね…

自分が考えた合体と違った。

それに気持ち悪い合体だった。

自己嫌悪で九の字になった

正しく…未知の生命体だ。

アイシビエイチに打ち上げられる前レイラの話しが思い浮かん出来た。

レイラさんは知ってたか…僕の体がどうなってるか…今度問い詰めよう…

混乱してた僕はすぐ立ち直った。

この気持ちの切り替え…多分…間違いなくルル姉の加護によるものと確信した…。

森から何が近づく者がいた…。

「は、は、ハルト?」

「ハルトさん!!」

双子だった。

「イリヤ、リリヤ……ただいま!」

二人は僕の胸に飛び込で来た。

「おかえり……バカハルト!」

「おかえりなさい、ハルトさん」

「ああ……」

「………ってなんなのよこれ?」

倒れてる木や周りに飛び散った僕の血の痕跡…

「うーん…人間としてお別れの証し…?」

「頭…大丈夫?」

「ハルトさん…顔色、悪いですよ?」

「先…脳死レベルの精神的ダメージを受けてですね…もうしんどい…」

「はい?」

先まで欲求不満の自分の下半身とノリがいい両腕と合体して遊んでた事を言えるはずがない。

双子と合流出来た僕はギルドに戻り、状況を説明した。

依頼達成した、クイル兄達は修業の為聖都に残った事、ガランディアの事、ここまではそのままで神殿からは適当に誤魔化した。

「そうか…クイルめ…やっと火がついたか…」

おじさんはこれを読んで僕を組み込んだ見たいだった。

「しかし…よくそんな状況でやり遂げたな…今日日付で…ハルトは昇級し上級者冒険者に認定する!」

「えーー!やったじゃんハルト!」

「おめでとうございます!ハルトさん!」

「おお!ありがとう!みんな!!」

「今日はぱーっとお祝いしよ!!」

「そうです!!」

「あはは…気持ちは有り難いけど…流石に今日は疲れた…明日にしない?」

珍しくお祝いの誘いを断る僕に違和感を感じたような表情のイリヤとリリヤだった。

「……わかった!」

「……はい!明日にみんな呼んぱーとやりましょう!」

「ありがとう…んじゃ先に宿に戻るね」

「わかった……」

「はい……」

「…………」

宿の帰りに市で沢山の道具と薬を買い込んだ。

今日夜中…攻略開始だな…ごめん…イリヤ、リリヤ…君達を危険に巻き込む訳にはいかないんだ。

やっと宿に戻り準備を済まして休憩をした。

ああっ!久しぶりのフカフカ暖かいベット!気持ちいい……。

ルル姉の器を手に取り見つめて気持ちの整理が出来た。

もう、ちょっとだよ…ルル姉…。

暗い夜中、月が登って薄ら闇を照らす時ラズリックさんから貰った装備を整えて一人でイビルゲートに向かった。

行きますか、最深部まで!

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