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13話 何事も程々に…

フィリア姉の護衛依頼を終わらせた僕は聖都エデールをぶらぶらっと見回った。

しかし、あの光の柱…不思議な光景だな…。

神殿のような建物から光の柱から空高く発していた。

1、2、3……13、14、15…あっ!

「痛っ!あっ!うわぁー、けっ!くっ!くぇ!………」

角から走って来た人が僕にぶつかり倒れた。

しかし、運悪くそこは階段だったのでとんどん転がっていた。

うわ…目も当てられない程痛そう…いやいや!そんな事考えてる場合じゃない!

階段がら転がり倒れている人に急いで走って行った。

「ごめんなさい!!だ、大丈夫ですか?」

「…オオフ……これしきの事…だ、大丈夫…」

おほほぅ…頭から血が大量に流れ、鼻血から口周りは血だらけだった…まるでゾンビのようだった。

「ひぃー!どこが大丈夫なんだよ!!」

まず緊急時のポーションを飲ませてた。

すぐ効いて傷が塞がった。

さすが高級回復薬…治りが早い。

「……うぉ…死ぬかと思った!ありがとう…」

真っ黒の羽が生えてる司祭のような服装だった

うわー!まじ?話しは聞いた事あるけど…本当に!亜人だよね?!

初めて亜人を見る僕は異世界にいると改めて実感して興奮した。

「ごめんなさい…高いポーションまで…」

翼人の亜人は困ってるような表情で謝って来た。

「いいえ、僕が前をしっかり見てなかったので…あと、ごめんなさい…お荷物ダメになって…」

「あ……」

果物やパンなど食材らしいものが汚れて散らかった。

それでもそれを黙々と拾い始める彼女…。

人々は無関心にただ通り過ぎて見て見ないふり、わざと踏んで行く人もいた…。

あんにゃろう!食べ物を踏みやがった!顔覚えたからな!夜道気をつけろや!

困っている彼女には悪いが拾うのを止めた。

「…………食材を大事に思うのは僕も同じですが…それはやめましょう…」

「……はい、そうですね…」

落ち込んで泣きそうな顔の彼女の肩を軽く叩いた。

「あの…僕、こう見えても冒険者です!かなり稼ぎはいい方だと自負してますよ!弁償ぐらいさせて下さい!」

フィリア姉さんからもらった金銭袋を見せながらニコッと笑った。

「えっ?…いいんですか?」

よし、男の甲斐を見せてやるか!

その司祭さんを連れて市場に戻り食材や日用品をあれもこれも見当たり次第爆買いした。

「あの…これ以上、持ちきれません!」

そうだな…なら、配達だ!

持ち切れなかった分は後で彼女の元に届けるようにして更に爆買いを続けた。

「す、すみません!もういいです!本当にありがとうございます!だからやめて下さい」

司祭さんは…ドン引きしていた、逆効果だった…ちっ!

「こんなに沢山買って頂いでよろしいですか?」

「いやいや!怪我させたお詫びで受け取って下さい」

「ポーションでもう治ってますが…?」

あっ!……そうだった。亜人を初めて見て舞い上がって忘れてた…なんかいい言い訳…

「痛い思いさせた、そのお詫びで!」

「…た、助かります、有難う御座います」

よぉし!僕、天才!

彼女の羽に興味深々な僕が気になった見たいで質問して来た。

「あの、亜人…嫌いではないですか?」

ん?亜人って嫌われてるの?

「……亜人ってケモノ耳とか尻尾とかも生えてます?」

「はい…種族に寄りますが生えてます…」

や、やっぱり!ヤッホー♪

「………そ、そ、そんなモフモフステキな方々を嫌いになるなんて!そんな人!人間やめたほうがいいですよ!信じられない!」

心を込めて熱く、チカラ強く!既に人間辞めた、いや、やめさせられた者が語り始めた。

「フフッ…そう思う人もいるんですね…あっ!私はラネース!その、司祭です…なってばかりですが…」

「僕は志村晴人!宜しくねラネース姉さん!」

「宜しくシムラハルトさん!」

イェース!初めて会えた亜人さんと仲良くなれた!僕、やっぱりリア充の素質あるんじゃない?

「ハルトでいいですよ!えーと…司祭って神様の祀って色々の?」

「はい…」

「どの神様を祀ってますか?」

「………破壊の女神様です…」

「えっ……」

ルル姉の神殿の司祭と出会ったよ!

(やっぱ、この反応…お願いだから食材返してとか言わないでよ!)

ん?何か…目付きが変わった…でもそれより…。

「お願いがありますが…」

(やっぱ来たわ!!やめろぉ!!これは渡さん!)

「お姉さんの神殿に連れててー♪」

照れるように可愛く頼み込んで見た。

「…あら!そうなの?連れてあげますとも!遅くなったら今日、私と一緒におねんねしようね!」

はは…子供扱いか…でも一緒におねんねか…本当にいいのぉ?

僕は司祭ラネースの案内で破壊の女神の大神殿に着く、でも他の神殿と違って華やかさも無く人の出入りのない殺風景だった。

なに?この神殿…本当にルル姉の?

「あら、ラネース!遅かったですね…何かあったか心配しましたよ」

「遅くなってすみませんイッセリナ司祭長様!!ちょっと死にかけたですが大丈夫です」

「はい?ちょっと死にかけたって…?それに沢山の食材…そこまでのお金は渡してないですが…」

ラネースは今までの事情を説明した。

「司祭長のイッセリナと申します。ラネースを助けて頂いで、ありがとうございます…そしてこの温情も有り難く頂きます…」

ここがルル姉の神殿か…。

僕は不満気に何故他の神殿と違うか聞いた。

亜人の事、聖魔戦争の事、その以降神殿の事を色々話してくれた。

「神の不在の神殿に寄付や祈りを捧げに来る者は居ないでしょう……」

なるほど…それでルル姉が僕の世界に居た理由がわかった。

「イッセリナさん!!助けてください!」

三人の亜人冒険者が神殿に尋ねて来たが…一人が大怪我をしていた。

「帰りに油断してやられた…これを治せるポーションは売れ切れて4日後出来るらしい…」

どこも回復薬不足は同じ見たいだ…この傷を治せる薬は言うまでもない。

「……他の神殿に頼んで見たが亜人だから断れた、ちくしょー」

イッセリナさんは怪我を見て暗い表情で首を横に振った。

司祭長でも崇める神が居なければ大怪我は治せるような奇跡を使うのは難しいとラネースに教えてもらった。

しかし、普通の人間なら即死してような深い傷…亜人の生命力は半端ないようだ。

「……仕方ない…油断した私が悪…皆んな…ごめん…」

暗い悲しみが周りを包んだ

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