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9話 属性って生活習慣に影響するらしい?

この世界に来て二カ月半経った僕はもう中級冒険者にまで登り上がった。

既に僕達のパーティーは31階層まで探索し、同じ中級冒険者のピンチに力を貸したり、救助する様々な貢献して認められた。

「ここじゃ、もうあんたを知らない冒険者は居ないんじゃない?」

自分の事のように嬉しそうににやけて後ろから抱きつくイリヤ。

近い…背中に何か当たる不思議な感覚が…だが嬉しいから拒まない!もっと来いや!

「そ、そうですよ!他所から来た冒険者さんもハルトさんを凄いと言ってましたよ!」

僕を褒めながら照れ臭い顔で腕を組んで来るリリヤ。

最近この二人は良くスキンシップをして来る…嬉しいから拒まない!もっと来いや!

「ん?……ねぇ、リリヤ…最近ちょっと大胆じゃない?」

「お、お、お姉ちゃんこそ、くっ付き過ぎだよ!」

「何言ってるの?私は普段通りだよ…」

確かにイリヤはこの村に住むようになってから良く僕に抱きついて来た…だが!嬉しいから拒まない!もっと来いや!ファイヤ!

「あ、あ、私も自分を変えようと…」

「ほう!その為のハルトか!人を練習台にするとは…ふふふ」

「むっ!!お姉ちゃん!!」

双子のアレな雰囲気で僕は口を挟んだ。

「ん?なに?揉め事?」

「違うよ ~ねぇ?リリヤ」

「うん!お姉ちゃん!」

「オホホ……」

「フフフ……」

「お、おう……」

お二人さん、笑ってるが目は怖い…。

最近この二人良く揉める、イビルゲートの中では揉めないからいいが…。

「しかしこんなに早く中級冒険者に上がるなんて…しかもあだ名も…ぷっ!…ごめん!クク…」

笑うなよ、僕は冒険者の成績が上々な割に不満だった。

「ちょっと酷くない?ティモルフラムバンプュア…って…僕、こんなに無害で平和主義だよ?」

…恐怖を導く少年って意味だ。

イリヤは爆笑してリリヤは笑いを我慢するのに必死だった。

中級冒険者になった者にギルドからあだ名をつけるのが昔からの習わしらしく。

「クク…はぁはぁ…上級になって新しいあだ名を…あははは」

また笑った!ほぅ!いいぜいいぜ!今後イリヤのあだ名をつける時ぐ来たら面白くなお、恥ずかしいあだ名を付けてやる…その為に頑張って上級まで上がろう…ふふふ

僕は新たな目標が出来て気合が入った。

中級冒険者に昇級した時、あまりも早くて不満の声もあった。

実力を納得させる為ベテランパーティーとイビルゲートに潜った。

そして、30階層で中級魔物を山盛りに釣って来た、イリヤとリリヤが居ないから遠慮はいらない。

結果は…パーティー壊滅瞬前…囲まれて逃げ場もない状態まで落ちた。

それを僕一人で易々全滅させた事から皆んなは昇級に文句言わなくなった。

その事もあってこのあだ名が付いた…いわゆる自業自得だ…ちぇ。

「帰った時、あの人達、震えてたよ…一体なにしたの?」

「いつもの事やっただけだよ…30階層で…」

「あっ!……なるほど」

「あの人達…大変だったでしょうね……」

納得する双子達。

「しかし…31階層からキツくなってきたね」

「はい…31階層からは上級エリアですから…魔法を使う魔物も出て来るらしいです」

「魔法!魔法ね…憧れるな…」

僕はカッコ良く魔法を連発する自分を妄想しながらニヤニヤした。

「魔法適性があればね…私達はなかったけどね…でも私達二人生まれから風の精霊の加護を授かったよ!これ内緒よ!」

イリヤは他の槍使いより速さと威力は抜群でリリヤが放つ矢はかなり長い距離でも易々命中する。

元々戦いのセンスはいい、加えて加護で更にそれを発揮出来る…それに、加護持ちは中々居ないと自慢するイリヤ、その表情…あらまあー憎たらし!全く…

「へぇー神様の加護のようなもんなの?」

「……比べるには恐れ多いわ…神様の加護は勇者や賢者か聖女みたいなおとぎ話の英雄くらいだよ…それぐらい強力なの…」

「……そ、そう?」

やはり…僕は、ルル姉に守られて居たんだ。

ねぇーイリヤ、僕は破壊の女神様の加護持ちだよ?中々いないよ?うふふ…っと倍返ししたかったけど…先の話を聞いてバレたら面倒になりそうで黙って置く事にした。

「そうだ!この村に魔道師が居るから行って見ますか?適正を調べて見ますか?」

リリヤの話に耳が動く感じを生まれて初めて感じた。

「ま、魔道師?魔法使いとは違うの?」

「魔道具を作る人だよ…魔法適性も調べてくれるし、魔法書も売ってるわ…」

「まじ!!行く!行く!行く!行く!行く!行く!」

「うふふ!ハルトさん子供見たい」

「……うん、あと適性が無かったらってガッカリしないでよ…」

「わかった!早く行こう!」

僕達は魔道士が居る場所に向かった。

うむ、ドキドキが止まらない!二人さん何もたもた歩いてる?走れよ!

その店に向かう途中、街の人々に注目されていた。

「ね、ね、あの子が噂の!」

「可愛い顔して…信じられないわ」

「だよね…一人で30階層の魔物を笑いながら血祭りにあげたらしいよ…」

「怖っ!」

…笑って無いし!あっ!…その時、笑ってたっけ?あはは…

「人気者だね!ハルト!ぷっぷ」

「どこが人気者だよ!怖!って言ってたよ!怖!って!………泣きそう」

「ふふふ…あっ!着きましたよ!ハルトさん」

魔道師の店入った僕は魔法適性があるか早速調べてもらった。

お願いします…適正!来い!はぁぁ!

「ほうー!これは珍しい……」

おーこの反応はありだ!

「ま、魔法の適性はありますか?」

「うむ…適性はある…」

「やった!!」

この表情!反応!全属性とか?うへへへ

嬉しくてガッツポーズをしてしまった。

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