8話 その5
次の日に彼女達の村に行って借金を全額返金して双子は自由の身になった。
養子を売り払った自称親は街の衛兵と一緒に王都に連行された。
核を集めてギルドに戻った時、おじさんに相談したら凄い勢いでどこか走ってしばらくして戻って来た。
何がやってくれた見たいだった。
あと二人も正式に冒険者に登録されてこれからも冒険者をやり続けるらしい。
一件落着か…柄にもない人助けをしてしまった。
「ハルト!!」
「ああ…イリヤ、リリヤ 」
荷物をまとめて出て来た二人とナーズラ村に向かう馬車を乗った。
「ハルト…」
「何?」
「……あんたとのパーティー楽しかったよ」
「ああ…僕も楽しかったよ」
「あのね、それでね……これからも一緒に…組んであけても…いいわよ?」
また一緒にパーティーを組んで欲しいと素直に言えないようだ。
おほぉ、なんとぉ!典型的なツンデレ!異世界にも存在しましたよ!あ~ちょっと意地悪したくなるじゃないか!
「えーー?どうしよかなぁー?」
わざとらしく悩むフリをして見た。
「……ほう?リリヤから聞いたわよ…」
「ん?何を?」
「初めて会った時の事…私に何かしたでしょ?」
あっ!!あれか…医療行為!
「リリヤにやらせば良かったのに…ねぇ?」
「あの…リリヤさん?」
僕は助けを求める為リリヤに激しく救助の視線を送った。
「ごめんなさい!つい口が滑ってしまって…」
ちょっと可愛く笑って顔を逸らしたリリヤ。
………この子!絶対策士だ!
「すみませんでした!是非パーティー組ませ下さい」
「よろしい…」
「宜しくお願いします!ハルトさん」
「はいはい…」
これで、双子とパーティーを継続する事になる
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ナーズラ村に戻ってしばらくして、ギルド内の冒険者たちがある噂で騒いでた。
「聞いたか?イビルゲートの噂」
「ああ…本当ならどんでもない事だな」
「噂は本当だ!俺と俺の仲間も見たんだ」
「マジかよ…」
僕達も気になってその噂を聞いた。
12階層で恐ろしい悪魔三体が闇の儀式をしてたらしく通りすがり冒険者がその影を目撃したらしいんだが…
ん?12階層?うちがレア核を集めた場所だ!
危ねぇー!危うく遭遇する所だった。
「怖くて姿までは確認出来なかったが、心臓がどうたら…赤いなんたら鳥肌立つほど邪悪に笑って喋ってたよ!!影も凄まじ形だった」
恐怖に震える先輩冒険者…可愛そうに。
待てよ?心臓?赤?笑い?……………あっ!
僕達はそれに思い当たりがある。
「おい!調査団は支度終わったら出発しろ!遠征団は後を続け!」
おじさんは緊縛な表情で遠征団とイビルゲートに向かった。
その事の真実を言えず僕達は黙ってしまった。
その後僕とイリヤはリリヤに大変お叱りを受け二度とその儀式をしないよう誓約書まで書かされた。