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八話


「やれやれ、我が儘お坊ちゃまのお相手か」

 17曲の作曲をして欲しいと依頼を受けて、トーマスはため息をついた。
 しかも、携帯も使えない僻地で缶詰である。一ヶ月で100万アクセス稼げるほどの大ヒットキャラソングを作って欲しいなど、無茶も無茶だ。プロの歌手にすら難しいことだ。
 そもそも仲良しグループのキャラソングを作ろうなど、お金持ちの考える事はわからない。まあ、せいぜい黒歴史にならないように……するのは無理だろうが……とにかく、無難にすまそう。
 集められたメンバーに挨拶をする。
 
 時間になり、ホークが連れ歩いた人達に、トーマスは口をパクパクさせた。

「今回はよろしく頼む。一曲が一ヶ月以内に100万アクセス稼げば、仕事はそれで完了なんだ」
「仕事? アイドル活動でもやるって事か? ヒーローが?」
「多分、イメージアップの一環か何かだと思うけれど……雇われの身にはわからないな。素人相手に大変だろうけど、よろしくお願いします」

 信じられなくて、手で顔を拭う。もう一度見てみても、やっぱりヒーローだ。
 
「さて、君達もプロなら余計な詮索は無用。一曲だけで良いんだ。素人をなんとか素晴らしい音楽と編集力とカメラワークで100万アクセスの歌手っぽくみせてくれ」
「ああ……もちろん。もちろん!」

 そうして、撮影が始まった。
 冬休み中というタイトなスケジュールだが、トーマス達はやり遂げた。むしろ30曲も作った。
 ホームページの作成も間に合い、5月5日に行うパーティーの告知と共にPVが設置され、1,000万アクセスを記録したのだった。






 もはや笑いの止まらない俺である。
 課金通貨を使う必要は無いな! 10,000ポイントずつ全員に配ってもまだ余る。三〇年間十分に戦える。ふはは、圧倒的ではないか、我が軍は!
 正気になって悶えたり、自慢したくなるのを必死で抑えたり、ヒーロー達も大変そうだが中々楽しめている。なお、刃物人形のアバター、つまり俺は遠慮した。
 どこから正体がばれるかわからんからね。仕方ないね。
 30曲入れたアルバムは発売され、印税はヒーロー支援団体に寄付されることになった。
 そう、ヒーロー支援団体をホークが設立したのだ。
 サポートして貰えるのは助かる。
 ヒカキンも本気出すと言っていたし、ここからが本当の勝負だ!


 さて、三つ目の課題、学校関係の課題を開けるとするかな。

 アイテムは、こちら!

 どこかにある魔法の教室(ノーマル)
 魔法学校試験大全
 魔力欠乏症薬調合セット
 学校用品300人分引き替えチケット×12
 ガチャチケット × 30

 ということで、ガチャを引くぞ!
 
 どこかにある魔法の寮(レア)
 どこかにある立派な魔法学校(レジェンド)
 魔女のノート(ノーマル)×300 ×2
 魔法の箒(レア) × 300 ×2
 魔法の制服(ノーマル)×300 ×3
 魔法の制服(レア)×300
 魔法の制服(レジェンド)×300
 魔女の羽ペン(ノーマル)×300 ×5
 魔法学校のテーブル(ノーマル)×3
 魔法学校のテーブル(ゴッド)
 魔女の杖(ノーマル)×300 ×3
 魔女の指輪(ノーマル)×300 ×2
 魔女の腕輪(レジェンド)×300
 呪符の教科書(レア)×300
 魔法陣入門(ノーマル)×300
 呪文学応用(レジェンド)×300
 魔法生物騎乗入門(ノーマル)×300

 テーブルは食事系アイテムみたいだ。
 ふむふむ。ガチャは一年生用魔法陣・魔法生物騎乗・二年生用呪符・三年生用呪文か。大爆死だな!
 クエストは……卒業時点でクエストクリアらしい。
 クラス単位は30人。魔法学校試験大全にある試験をクリアした人の数でクエストの進捗が決まるようだ。
 300人が試験クリアでクエストクリア。
 ただし、平均習得年数が三年。更に言えば、先着300名の成績で報酬が変る。
 教師候補が10人、教師補佐候補が5人いるから、10クラスで一発合格も出来るっちゃ出来るが……。
 五クラスずつで回してみるかな?
 とりあえず、ノートと羽ペン二本、制服二着、箒、腕輪をセットにして配布するか。
 教科書をパラパラ見ると、既にゲーム内でやった内容だった。これなら教えられそうだ。
 学用品引換券はこれらに変えた。
 呪符入門
 呪文学入門
 魔法陣の教科書
 魔法生物騎乗教科書
 呪文学教科書
 呪符応用
 魔法陣学応用
 魔法生物騎乗応用
 使い魔の卵 (ランダム)
 騎乗用魔法生物の卵(ランダム)
 よくわかる使い魔入門
 魔法薬学入門
 
 つまり、我が校では呪符学、呪文学、魔法陣学、魔法生物騎乗学を一通り学び、魔法薬と使い魔についてちょっぴり囓り、箒学については独学で学ぶのだ。
 ちょっと偏っているのだが、まあ俺が一通り治めているからなんとかなるだろう。
 
 ということで、早速リングを通して教科書と魔力欠乏症薬と学用品を配布した。
 後は……働いている人も学べるよう、夜学にしようかな。
 その方が俺も監督できて都合が良い。

 ということで、ヒーロー達を「どこかにある立派な魔法学校」へと招待した。

「うわぁ……!」
「鍵を回せば、どこからでもここに来れるのね?」
「凄い……!」
「教科書や学用品を纏めておいた。使い魔の卵については気をつけて扱うように。使い魔の扱いの本については最優先で……」
「わかっているって!」

 先を争うように、学用品セットを手にするヒーロー達。
 これから猛勉強頑張って欲しい。俺も復習しておこう。
 ホームページに魔法学校の募集要項も乗せとかないとな。

 そして、お正月が終わった頃。
 ヒカキンは空飛ぶ大陸にドドンとダンジョンを用意して、移民を募集した。
 そう来るかー。生徒=冒険者の取り合いにならないといいけど。
 なお、ガッチャは三年間は全寮制の学校に集中しているようなので静かなものである。

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