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8話 強者と弱者の闘いの意外すぎる結末

8-1「許さないぞ……絶対にユルサナイ…………」

能力名【バースト・ドラゴンレジェント】《伝説の火炎龍》の
鳳凰丸気道と能力名「逃げること」の竹谷竹男との能力者ファイトの闘いが始まろうとしていたとき……このテーパパークである異変が起きていた。

 遊園地の乗り物が動かなくなっているトラブルが頻発していた。
 観覧者は止まって動かないしメリーゴーランドも止まっては動かない……
 ジェットコースターまでも途中で動かないので危険な状態である。
 何かが起きている……このテーマパークで……

 そしてそんなことも知らずに両社は睨み合っていた。
 そして一歩も動かない試合は既に始まっているのに……

 タケオは作戦を一人で考えていた。
(どうする……俺の攻撃ではあのおっさんから出てる火炎龍に阻まれる)
(何か作はないのか……)
 とても勢いで勝負を仕掛けてしまったが、作戦が思いつかないでいた。

 これでは動くこともできない。まず鳳凰丸が動いてからでないと動けないでいた。
 下手に自分から動くと、鳳凰丸気道の熱い火炎龍の守護により自身がダメージを受けてしまいかねないからだと考えていた。

 これでは動けないじっとしているしかない……鳳凰丸気道も動きが無いじっとこちらを観察している。先ほどの冷静さを失っていた行動があるので反省したのか……?

 それでも俺はユルサナイからな……しずくに謝ってもらうぞ!!


 そしてやっと鳳凰丸気道は動き出す。掌龍火よりさらに小さい技を放つ。
「極小龍火」小さい火龍だ……小指ほどしかないのではないか?
 舐めてやがるこのおっさん。その小さい火龍も動きがすごい遅いスローモーションかと思える遅さだ。
 これでは簡単に避けれそうだ避ける必要さえ無いのかもしれないが。
 俺は一気に自分の逃げることの能力の力を増幅させた。

 敵の技を避けて、そのままの勢いでおっさんに突進する。そして前日までの特訓の成果を見せるときが来たのである。

 俺は後ろ回し蹴りをおっさんにしてみた。凄い回転をかけてみた。
 当たるが炎の籠手のようなもので防がれる。

 俺は足を火傷するかのような熱さが襲う。ゲージが95パーセントになっていた。

 防御と同時に攻撃とかやっかいだな~俺は距離を取った。
 鳳凰丸気道はしめたと思い今度は速攻系の技で攻めてきた。

「うん…………ぬうう…………………………【速撃火龍波】」

 速いミニサイズの火炎龍が飛んでくる。俺はいきなりだったので避けるのが遅れた。

 喰らう……ゲージは55パーセントになっていた。

 しかし俺は奴に必死に抵抗する。そのまま接近して殴る蹴るを繰り返す。
 奴の場合これを軽く今度はかわす。良いステップの回避だ、これでは当たらない。

 そして「今度はこっちの番だ……」と言い「火龍拳!」と言い。殴られた。ゲージは40パーセントだ……もう一回殴られた。28パーセントだ……無理だ……もう勝てっこない……

 俺は所詮雑魚だったのかそりゃそうだレベル5に勝てるわけがないレベル1の俺が、
 最近強くなったといっても判定勝ちばかり……こんなの本当の実力ではない……

 俺は走馬灯のようになっているとおっさんはとどめの掌龍火を作っている。
 終わりか……俺は諦めようとした。だが何者かの感情が俺の中から生まれたかのごとく自分の意志とは無関係な感情が捻り出された。
 そしてその感情が自分の感情と融合して混ざり合い、よくわからない何かの自分が自分ではない何かに変容した。

 許さナイからな……絶対にユルさナい。俺は人間を憎ム……ワタしから奪ったニンゲンを許さナイ!!
 俺は人が変わったように叫びだした。

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

 観客とスタッフと対戦相手の鳳凰丸気道はいきなりのことだったのでかなり驚きの表情を見せる。

 俺は自分が自分ではない自分になってしまった。
 まるで化け物が俺の中に潜んでいるかのように正気ではいられなかった。


8-2「覚醒したのか……?でもこの感じは暴走であるとも言える……?」


 俺の体が変だ。いつもより体が軽いうえに、自身の身体能力が異常に高い。右手の形状が変化して右手が獣のようになってる。これはいったいどうゆうことなんだ……??

 そして目の前の男が憎い憎い憎い憎い、憎い!!殺してやル……!?
 どうしたというのか俺の体なのに制御が効かない……俺は飛び出した気道に向かって
 タケオは化け物のように唸る
「グガアアアアアアアアアアアアアアア」

 そしてこの時そのままのいつものタケオとは違う状態になる。
 タケオの理性はほぼ消失していた。

 強い、身体能力が高すぎる。まるで獣のようだ。

 気道に物理的な爪攻撃と拳による破壊を行う。
 あまりにも速い動きだが気道はなんとか避けることに成功する。
 それで気道は掌火炎龍を連射するがすべてタケオは片手で受け止める。

 ノーダメージである。そのままさらにスピードを上げて、気道に襲い掛かる。
 攻撃はただのパンチだが今度は当たる。ゲージが残り75パーセントを切る。
 破壊力が段違いだ。ただのパンチ一撃で25パーセントも体力ゲージを削ったのである。
 気道はヤバいと本能的にわかったのか

 奥の手として【フレイム・ドラムゴドム・ソードネス・アーマーロン】《火炎龍の刀龍鎧》
 を身に着ける。これは防御力が大幅に上がる上に火炎龍の牙をイメージして作られた刀を具現化して体に巻きつけた鎧を身に着ける技である。

 作られた火炎龍の鎧は凄まじかった。全然体力が減らない。

 タケオは「ウガアアアアアアアアアアアアアアア」と唸る。

 タケオは無我夢中にいつもと違う行いをする。自分の中の力の全てに近い何かを全て右手に集中させて、手を禍々しい邪悪な魔なる異形の形に巨大化させた。

「【リミテネス・ルマカハドン・ジャジョウショウ】《超えてはならない境界線からの巨大魔手の邪浄掌》…………」

 タケオの眼はこの時冷酷なほど穏やかではなかった……まるで親か子の敵のような眼をしていた。

「喰らいやがれエ……俺の今出せる最大の攻撃ダ……」

 俺はこの時僅かに正気に戻ったはずだった。

「なにをしているんだ俺は……」

 おれはそのまま気道に攻撃していた。この攻撃は相手の命の危機がある。安全装置なんて関係なく、と俺はわかっていたはずなのに……どうしよう……許されない罪を背負うことになる……

 しかし鳳凰丸気道は高レベルの超能力者だ……許されない一撃など余裕ではないにしろ防ぐことは可能である。

 鳳凰丸気道はここで自らが身に着ける火炎龍の鎧の炎の出力を最大に上げてきた。

「ぐぬううううううううううううううううううううううう」

 タケオの巨大魔手と気道の火炎龍の鎧が激突している。
 巨大魔手は気道を掴みたいのか覆いかぶさるように攻撃している。気道は炎の火力を何倍にも上げてきていることが見てわかる。

これによりお互いの体力がじわじわと減り続けてなんと同じに体力が無くなった。

「試合終了―――!両者引き分けです。体力が3秒以内に同時になくなったら引き分けのイベントルールにより両者引き分けです」
 イベント実行委員会のお姉さんがそう発言した。

 ただ二人ともまだまだ本気でいけるほど熱くなっていた、と思いきやタケオはいきなり倒れた。
 全体力を本当に使い果たしたようだ。そして病院に運ばれたのは俺のほうだった――



――うむ、どうやら我も知らぬ力を持っているようだなタケオは
 これは大いに観察を我自らがしなければいけなくなったな……こうしちゃいけない
 我も最近サボりがちであるな……能力ファイトでもしてならしてこようとするか。

 何物かが秘かにタケオを監視してよからぬ企みを行っている、そしてタケオを見張る影がもう一人いる……いったいタケオのこれからはどうなってしまうのか?


8-3「病院のベットで目を覚ますタケオ」

 俺はあれから病院に運ばれた。

 どうも試合中のことをあまり覚えてない……記憶障害のようだ。
 美知が来てくれていた。従兄弟という嘘をついているので病室にすんなり入れたようだ。
 美知は話す。

「タケオの能力は……やっぱり逃げることなのかあやしくなってきたようだね」

「なんのことだ……?あの巨大な手のことか?確かに逃げることとは違ったな」

「なんでタケオのほうが冷静なんなんだよ……タケオのことなのに……」

「でもほら、ピンチになったら秘めたる力が覚醒した! ってよくある話じゃないのかな」

「そんなの漫画やアニメじゃないんだから……タケオの力はまだまだ秘密があるようだと確信できてよかったよ……」

「あのときもタケオは忽然と姿を消したからね。」

「あのときっていつだよ……?」

「おれがタケオにカツアゲしようとしてたとき俺の子分の尾宇野と一緒に居ただろ」

「尾宇野あれから見ないけど……なんかあったのか?」

「別に……あいつとは学校のときにしか合わないから……というか俺から呼ばないと来てくれないから……今はいいかなと思って」

「それで俺が消えた?夢中で駅に戻っただけだろ?」

「そうなんだよね?あの時既にタケオは能力者だったみたいだし。凄い逃げることが上手かっただけかな?まあいっかな……」

 俺は半日入院で済んだ。医者からは能力ファイトをここ2、3日控えるように言われた。
 あなたは頭に来ると暴走するタイプだと診療された。

 俺は美知の爺さんの家に戻った。このことは黙っていることにした。美知も同意した。
 俺は自分の中の得体の知れない何かがいると少し考えていた。

 これからどうしたらいいんだろう?本当に頭に血が昇らないようにしたら大丈夫なのか?

 もし、あの攻撃を安全装置も持たない人に向けていたら……俺は今頃殺人者になって、取り返しのつかないことになっていたはずだ。

 俺は今日の夕ご飯は食が進まなかった。いろんな考え事で食欲が落ちていた。

 そして風呂に入る。途中で美知が乱入してきそうになったが、やんわりと断る。
 美知は「チッ」と舌打ちをしていた。不機嫌だ。普通に無視する俺は。

 寝てみる、寝れない……結局一睡もできなかった。

 日曜日で助かった。俺は今日一日寝込んだ。
 爺さんは何かを察したのか今日は修行を休みなさいと言ってきた。
 俺は高熱が出た。どうしたもんか……月曜日の会社も行けそうもない。
 なので俺は美知の看病を受けた。たぶん月曜日も休むだろ。

「美知……悪いな……こんなことまでさせて……」

「ううん、いいよタケオのことおれ信頼してるし……」

俺は汗をかいたのでタオルを持ってきてもらって自分で動けないから美知に汗を拭いてもらっている。とても丁寧に拭いてくれる。

下のほうまで……そこは駄目だろ常識的に考えて。
パンツは穿いている。そこは一線を越えてなかったか。

美知は赤面している。恥ずかしいならやっぱりいいとは言えない俺がいた。
なんたってタオルでゴシゴシしてもらえるのは気持ち良いからである。

そして服は流石に俺が着替えた。頑張って着たぞ。美知が頭の中を覗いていたように思えたが、気のせいと言うことにした。実質裸はもう見られてるようなものかもしれない。

俺は会社の仕事を自宅でやる。デスクワークで会社からまとめて貰っているので、たくさんある仕事を前払いならぬ前仕事をする。

明日は休みますと連絡したらすぐ送ってきた。

もくもくと熱も少し下がってきたので、表計算ソフトを使用して表を作成する。
ついでにネットのニュースをチェックしたら、俺と鳳凰丸気道の闘いが記事になっていた。

見出しは「鳳凰丸気道、謎の青年に引き分ける。」

俺の名前は載っていなかったが写真でばっちり俺が映し出されていた。
俺はこのとき正気を失っていたのか……そんなに普段と変わらない。

ただ顔つきが獣のように鋭い目つきになり、険しく怒っているので別人のようになっていた。本当にこのときのことはあまり覚えてない。
無意識の時に何かをしたら手を禍々しく巨大化出来ていた。どうやってやったかまでは覚えていない。俺はニュースを見終わったら仕事を再開した。
夕方になったら美知はどこからか帰ってきた。

おまえ学校は本当に行ってるのか?私服で帰ってきたからだこんな疑問が出るのは当然である。

「学校は早退してきてタケオの心配をしてきたからだよ……というよりうちは制服ないよ」

「そうなのか……誤解してた。俺の心配なんてしなくてもいいのに」

「タケオも仕事は休みでもしないといけないんだね……ほんとに大変だよね会社員て」

「そうでもないよ……専門職に比べたら俺の仕事はかなりもう慣れたよ」

「それじゃあお大事に……お爺ちゃんはここ最近留守なんだよね……どうしたんだろ?」

「さあ俺もお茶を飲みに行こうと下に降りたらいないし、夜遅くは返ってくるけど
 昼間はいないな、何してるんだお前の爺さん?」

「おれも知らない……爺ちゃんが教えてくれないんだ……秘密とか言ってなんで孫であるおれにも教えてくれないんだよといつも思うかも」

「まあいいじゃねえか美知、俺と一緒に家から持ってきたゲームでもするか?」

「するする~やった~久しぶりにタケオとゲームできるぞ。うれしいな☆」

そして俺たちはゲームしてゲームしまくった。風邪はすっかり消えてなくなっていた。
美知のお爺さんの仕事ってなんだろうと言う疑問はあるにしろ、家族にも内緒と言うことはかなり重要な仕事なんだろうと俺は考えていた。

まあ、お爺さんのことは俺には関係ないからいいかと思い、目の前のゲームに集中していた。







――「では本日の定例会議を始める。鳳凰丸気道はやはり危険と判断することに決まった。ただ鳳凰丸気道よりも要注意人物が浮上した。」
パネルをバンと叩く謎の男性がいる。

「竹谷竹男だ」

「本当にその男性は危険なのですか?D?」

「ああそうだ……こいつはしずくと闘っているがそのときは弱かったが、鳳凰丸気道の闘いの時にあの状態と思わせる力を発揮した。」

「本当にそうなんですか?D?彼は逃げること以外の第二の能力が発動しただけなのではないのでしょうかと考えますが?」

「そうでしょうと最初は考えていたけどな……どうも力が強すぎる。あれの可能性は濃厚ですよ。」

「そうかもしれないけどな~でも違うんじゃないかな~~」
別の黄色髪の少女も割り込んできたどうやらここには3人の人物がいるようだ。

「わたしは……ちょっと違う系統だと思うんだけどね、彼は…少し違うきがするかな~」

「なんだとSZ?俺たちは真剣に危険人物の竹谷竹男の話をしているんだぞ……さっさと上に報告しないとな」

「それはどうでしょうと……私は否定します。」
もう一人のさっきからDと話していた。黒髪の少女も割り込んできた。

「どういうことだ?おまえは危険な人物をほっとくのか?」

黒髪の少女は意見する。
「いえ、そういうわけではないのです。彼にも生活がありますし。まだそのときではないと私は考えます。彼とは一度会っていますし……それほど危険な人には見えなかったですし。」

「お前の主観だろ!ターゲットは一度決めたら俺が監視するからな!!」

「いえこの仕事は~やっぱり今まで通り彼女に任せましょう~」
黄色髪の少女は意見した。ニ対一である。Dは引いた。

「くっ…まあいい、俺は独自にプライベートで奴を監視するからな?勝手にやらして貰うぞ」
Dは言い訳のように言い放つ。

黒髪の少女は発言する。
「いいですよ、個人的な監視はばれないならやってもいいですし……ストーカー規制法に反しない程度までならいいと思うわ。」

「せいぜい~警察のやっかいにならないでね~~」
黄色髪の少女は気の抜けるようにゆるやかに警告する。
Dはこう返す。
「わかってるよ!!しずくに迷惑をかけない程度にこの会社員を監視してやるからな」

「やっぱり……しずくが好きなだけなんじゃ……」
黒髪の少女は本音を漏らす。
「ちっちいい違うぞーーー!俺はしずくのことなんてえ…これっぽっちも好きじゃないからな!!妹みたいなもんだよ」
Dは弁明する。しかし嘘はバレバレである。

黄色髪の少女はつつく。
「つまり妹萌えってやつ血の繋がらない~?邪道だね~電工は」

「Dと呼べ!誰が聞いてるかわからないだろ!イニシャルで呼ぶ決まりだろSZ」

「SZって鈴からとってSZ?変なの私の場合SSでしょ?」

「こまけえことはいいんだよ!」

「じゃあ私はKMですね」
「あーおめえらちょっとは俺の話を聞けーーーーーーーーー!!!」

ここは公正試合実行委員会 天能咲市朋逆町第一支部。といっても支部はその町に一つしかない……しずくは今入院中である。

種明かしをすると黒髪少女は副会長の河澄祭(かわすみまつり)前にタケオとしずくの闘いを止めてくれたしずくの先輩だ。

黄色髪の少女は指場鈴子(さしばすずこ)である。ちょっとおっとりしててほんわかしてるのんびり少女だ。

もう一人のDは早乙女電工(さおとめでんこう)19歳の男だ。普段は大学生をやっている。

この前の遊園地の乗り物のトラブルはこいつが原因だ。意図的なのかまではわからない。
イラつくと微弱電流が発生する体質なんだそうな。

ただ自分でコントロールが効かなかったらしく。そのことはわかっているので報告してない……副会長のまつりにはお見通しみたいだが……後で始末書を書かされまくった。

委員会も動き出す……とても小さな5人しかいない(この場では3人)委員会で動き出すタケオの監視の仕事?が……






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