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03 護るべきもの

死……
それはすべてを失うこと。
でも、カナタは思った。
今死んでも、また別の世界に行くのではないかと。
もしかしたら戻れる?地球に……日本に……
そしたら深雪の無事を確認できる?
そしたら恋人の湊に会える?
そんな淡い期待を抱いた。

カナタが幽閉され3日過ぎた。
誰にも会えないよう。
村の外れの牢の中に入れられた。

思い出すのは前世の記憶。
この世に未練はない。
もう一度……もう一度だけでいい。
湊を抱きしめたい。

そんな考えがよぎっていた。

カナタが牢に入り5日を過ぎようとした夜。
牢の扉が開く。

食事の時間は過ぎている。

「誰ですか?」

カナタが小さく尋ねる。

「カナタくん逃げよう」

ミソノだった。

「ミソノ?どうしてここにきたの?」

「そんなの決まっているじゃない」

ミソノが小さく震えている。
その様子を見たカナタはいった。

「大丈夫?」

「銃、持ってきたよ。
 大事なものでしょ?」

ミソノはカナタに銃を渡した。

「あ、うん……
 ありがとう」

カナタは複雑な気持ちになった。
ミソノを巻き込んでしまう。

自分は死んでも転生すればいい。
でも、そのあとミソノはどうなる?
ミソノも殺される?
ミソノも転生する?
その保証はどこにある?

そんな疑問が浮かぶ。

「早く行こう……!」

ミソノがカナタの手を握りしめ引っ張る。

「うん」

生きるしかない。
この子を護るために……
護るしかない。

そう思った。

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