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01 おはようからのスタート

「カナタ……くん!カナタくん!」

少女の声とともに体が揺れる。

「あ……?」

カナタの記憶がゆっくりと戻される。

「カナタくん!起きて!スライムの群れが攻めてきたよ!」

この少女の名前はミソノ。
カナタの幼馴染だ。

「スライム……?群れ?」

カナタの血の気がサーッと引いた。

スライム、個々の戦闘能力は高くはないモンスター。
しかし、群れになると事情が変わる。
スライムは少量の毒ガスを放つ生物で集まると簡単に平気で人の命を奪う。

それがため、本来なら群れになる前に駆除するのが村の掟だった。

「逃げよう?お父さんもお母さんも逃げたよ」

「そうだね」

カナタは体を起こし窓から外を確認する。
するとスライムが家の周りを囲んでいた。

「あ……囲まれてる?」

ミソノの顔が恐怖にゆがむ。
カナタの心も恐怖で震える。
でも、何故だろう?
勝てる気がした。
心に何かが浮かぶ。

「戦う」

カナタは、そういうと窓から外に出る。

「アイシングレイン」

カナタはハンドガンを空に向けて放つ。
すると氷結が降り注ぎスライムたちを凍らしていく。

「カナタくん、それ魔法?」

「うん。なんか心から浮かんだんだ」

「すごい!カナタくんすごい!」

「こんな感じで全部倒していくね!」

カナタは氷結魔法を駆使しスライムを毒ガスごと凍らせていった。




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