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予兆

吉中みきが教師として埼玉県川口市にある小学校に採用され勤務を始めてから3ヶ月が経過していた。



 木々の芽が新緑に溢れ初め季節は初夏を迎えていた。

 

 今日は授業が終わった後の課外授業の為、吉中は児童にドッチボールを教えていた。

「あ~早く終わんないかな、今日はデートなんだよね」



 その時、学級委員長の広永るみが吉中に近づいてきた。

「先生!大変ひろき君が転んで起きないよ!」



「えっ?どこ?」



「あそこ~水のみ場のところでおなか押さえて起きないの!」



「どうしたんろう、やだ!顔が真っ青」

 

 すぐさま生気が無くなった児童を保健室に担ぎ込みベットに寝かせ、救急車を呼ぼうとすると別の児童が不安そうに叫ぶように近づいてきた。



「先生!みかちゃんと、ゆうきくんも動かないよ!怖いよ!!」



 校庭に出ると、それは恐怖としか言い様が無かった……少なくとも15人の児童が

校庭で倒れている。



「どうして、ハッ食中毒!」



 吉中はすぐに救急車を呼ぶため電話を掛けながら校長室に向かった



 テレビではその時緊急ニュースが報じられていた。




 次のニュースです。今日正午すぎ埼玉県や群馬県等の全国の小、中学校およそ40校で屋外にいた児童、生徒が突然倒れ病院に搬送されました。現在食中毒等の関連が無いか、保健所が警察と連携して慎重に調べを進めています。

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