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イラク

1991年 イラク 




日本には暑気払いという言葉がある。



暑い時ほど暑い物を食べ暑さを感じ難くするという一種の精神的な対処療法が、

私が今いるイラクでも通用するなら、まさにこの焼けつくような暑さに相応しい物はテキーラ以外には無いだろう。まあ、そんなものはここでは到底望み叶わぬものだが。




「ま、このクソみたいな場所にいるのもあと僅かだ」



一人自嘲気味につぶやいたとき、私の机の上にある軍用衛星電話の乾いた電子音が鳴った。




「フン、またか」




私は小さく舌打しながら忌々しく電話を取る。



「なんだ、軍曹?あと少しで今日の警備も終了だ、くだらないことであまり衛星回線を使うと懲罰になるぞ」 

 

 What is your status Sergeant? Your sentry is about be over in short while. If you keep on messing up your job with the line,you next assignment would be Solitary!




「ササムラ大佐!大変です、あいつらは…し…信じられない!人じゃない!ああああああああ!!!!!!!!!」



Colonel Jeek! Oh my Hell! We got a situation ! I don't believe this ! they are not.....humankind ahhhhhhhhhhhhhhhhhh!!!!!




「軍曹!軍曹!どうなっている!現状を報告しろ!」



Sergent! Sergent! What is going on ? Report the current status immediately!





私は現場に重装備の上急行した、あたり一体は夥しい同僚兵士の亡骸で埋め尽くされていた。



一体どうなっているんだ…ここは



――その瞬間背後に殺気を感じた私は素早く身を伏せたが、同行した部下の何人かは銃声がすることもなく

数人が苦しみながら地面に倒れていった。




 既にこと切れている同僚の首元をみると鋭利なアイスピックのような黒く細い針状のものが首元に7~8本刺さっていた。



 背後を再度見渡すと、小高い丘の上に少年のような人物が立っていた、私はその時感じた恐怖の感覚を今でも忘れない。



 少年の目は強く緑色に光っていた。





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