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短編

12月23日
僕は、Dehoo!知恵袋にてこんな質問を書いてみた。


 質問。
 クリスマスイブまでに彼女を作るにはどうしたらいいですか?

そしたら、ボロクソに叩かれた。

1.努力しないで彼女ができると思うな!

2.お前には一生彼女は出来ない!

3.画面に向かって叫べ!2次元彼女なら反応してくれるかも!

4.氏ねカス

なんだろう、読み上げるだけで悲しくなってきた。

なのでこのネタ終わり!

そんな中……
フリーアドレスに一通のメールが届いた。

 私、ダメですか?

誰だろう?
そんなことを思い僕はメールに返事を送る。

 誰ですか?

すぐに返事が来る。

 咲です。

誰だろう?

余計わからなくなった。

 誰ですか?

 二度目の同じ質問。

 藤井咲です。

うーん。

 誰ですか?

三度目の同じ質問。

 幼稚園の頃から貴方のことを見ていました。

んー
誰だろう。でもいいや。
寂しいから。

 一度会ってみます?

引かれたら引かれたでいい。
滅びろ自分。

 ありがとうございます。
 今から会えませんか?

うん、会おう。

 はい、いいですよー

即答だった。

 では、今から逢いに行きますね

会う?
どこに行けばいいのだろう?

 どこにいけばいい?

そしたらすぐに返事が来た。

 今、貴方の家の前にいます。

はい?

 僕は少し怖くなった。

でも、好奇心が勝ってしまった。
玄関を開けた。
するとそこに女の子が立っていた。
とてもとても可愛い女の子が。

「あ、はじめまして!」

女の子がそういった。

「はじめまして……」

かわいくて舌がまわらない。
というか、なんだろう。
少し怖い。

「あの部屋に入ってもいいですか?」

「うん」

僕はうなずいた。

なにがなんだかわからない。
でも、今日は12月23日。
明日はクリスマス。
サンタさんが送ってくれた女の子に違いない。

僕はそう思って女の子を部屋に入れる。

鍵は閉めない。
これが僕の流儀。

「綺麗な部屋ですね」

女の子が照れながらいった。

「うん」

女の子がベッドに座る。

「Hしてもいいよ」

女の子の顔が赤くなる。
そこにあるのは緊張。
そして怖いのかな。
震えている。

僕も怖い緊張する。
でも……

僕はそっと女の子の隣りに座った。

僕はゆっくりと女の子の手に触れる。
そして、キスをしようと思ったそのとき。

 カシャ!

シャッターの音が部屋に鳴り響く。
すると若い男の人たちが僕の部屋に入ってくる。

「はーい!おじさーん!
 人生終了のお知らせ!」

男Aがそういってゲラゲラと笑う。

「なにが【 質問。クリスマスイブまでに彼女を作るにはどうしたらいいですか?】だよ!
 童貞こじらせて焦ってやんの!」

男Bが笑う。

「そういうことでさ。
 100万円出しなよ」

男Cがそういって僕のお腹をグリグリと押さえる。

「コイツさ、未成年なんだ。
 どうなるかわかるよね?」

男Aがそういって必死に笑いをこらえている。
とりあえずムカつくから男Aを軽く一発殴った。

「えい!」

すると男Aが舌打ちをする。

「なにしてんだよ!おっさん!
 状況わかってるか?」

「わかってるってなにが?」

「障害の罪も背負いたいってか?
 バカじゃないか」

バカなのはどちらだろう。

「まずは靴を脱ごうか?
 ここは土足厳禁だよ」

僕は震えながらそういった。

「コイツ、ビビってんじゃね?
 おしっこちびるってか?」

男Bが笑う。
なんか腹立つから男Bにデコピンをした。

「コイツ調子乗ってるんじゃね?
 締めてやろうぜ!」

男Cがそういうと折りたたみナイフをポケットから取り出した。
終わったな。
僕はそう思った。
こいつら人生終わった。

男Aも男Bもナイフを広げ。
僕の頬をナイフで叩く。

「はーい、命乞いタイムスタート!」

そういって男Aがペチペチ。
ペチペチ。ペチペチナイフで叩く。

僕は表情を変えることなく男Aの顎に一撃浴びせた。

男Aは、よろめきながら倒れた。

「命乞いタイムスタート」

僕は棒読みでそういった。

「はぁ?」

男Bが、眉間にシワを寄せる。

「おい!勝谷!立てよ!」

男Cが男Aに向かってそういった。
この男Aは、勝谷というのか。
どうでもいいけど。
めんどくさい。

「殺っちまおうぜ。
 この場合殺しても罪にならなくね?」

男Bがそういった。
すると男Cが笑う。

「だな!正当防衛だし俺ら未成年!」

そういってふたりはケラケラ笑う。

「死・ね・や・お・じ・さ・ん!」

男Cがそういってナイフを僕に向かって投げた。
この子たちバカじゃないのかな。

ナイフは僕に当たった。
でも、素人が投げたナイフ。

柄の部分が僕の頭に直撃。
ちょっと痛い。

「君たちバカなの?」

僕がそういうと男Cが激怒する。

「バカなのはてめぇだよ!
 状況わかってる?」

「うん、わかってるよ」

「わかってねぇよ!」

「僕はこれから強盗にきた男たちをふるぼっこにして警察に突き出すところ」

「はぁ?何いってんの?
 お前はこれから死ぬんだよ!」

男Bがそういってナイフを振り上げる。
すると男Dがその腕を掴み。
男E・F・G……etcに囲まれる。

「なんだてめぇらは!」

男Bが男Dを睨む。

「警察だ」

男BとCの顔が青ざめる。

「殺人未遂の現行犯で逮捕する」

男Cの顔が震えながら言葉を放つ。

「こいつ援助交際をしようとしたんだぜ!
 俺らはそれを止めようとして……」

すると男Dが咲に訪ねた。

「本当かい?お金をもらったのかい?」

咲は、首を横に振った。

「おいおい、キスされただろ?」

男Bがいった。

咲は首を横に振った。

「手を握られただろうが!」

咲は一瞬だけ間があいた。
そしていった。

「記憶にありません!」

「……だそうだ」

そうして男A・B・Cは逮捕された。
部屋に残されたのは僕と咲。
そして迎えに来た咲の両親。

「本当にありがとうございます」

咲の両親が頭を下げる。

「いえ……
 いじめ問題は学校に隠蔽されることがありますからね」

さて、種明かしをしよう。

僕は探偵。
咲は、学校で酷いイジメにあっていた。
あの男たちは前もって独身男性の情報を調べていたらしく。
美人局を強要させられそうになり怖いと僕の探偵事務所に依頼してきた。
なので、僕はこの依頼を受けた。
僕のメールアドレスは前もって咲に教えていた。

「初めての男の人だけは選ばしてください」

と咲は男たちにたのみ僕をターゲットにするように誘導した。

僕は、咲にキスをするふりをしてこういったんだ。

「怖いだろうから目を閉じていて」

怖かっただろうな。
つらかっただろうな。

演技とはいえ僕に手を触られてしまって。

はぁ。
こんな感じで僕の12月23日が溶けていく。
クリスマスの神さま。
僕に彼女をください。

僕は心の中でつぶやいた。

見送りのとき。
咲が僕の手をぎゅっと握り。
僕になにを握らせた。

僕は手を振り3人の姿が見えなくなるのを確かめたあとそっと手を広げた。
そこにはこう書かれていた。

 探偵さんの童貞、私にください。

んー。どうしたものか。

僕にはどうすればいいのかわからない。
わからないから、まだ童貞なんだろうな。

ってダメか。

未成年だもん。

明日は、クリスマス。
僕はグズリマス。

-終-



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