なんで貴方がっ!?2
『クリストファー・フェルメント』、それが彼の本名だ。
王族らしく気品があり頭も良く優しい性格で女性の人気が高い。
一つ年上の彼と初めて出会ったのは私が貴族学校に通ってすぐの事だ。
彼は生徒会長をやっていて、取り巻きの貴族令息もいた。
何故か私は気に入られて彼と仲良くなった。
最初は身分も違うし、遠慮がちだったけど徐々にだが私は彼に惚れていった。
勿論、婚約者がいるのは知っていたけど、そんな事を忘れていた。
・・・・・・うん、私最低だな。
結果、私は彼をゲット出来て、彼は国王になったんだが、結末はクーデターを起こされ私共々処刑された。
私と関わらなければ、彼はこの国の国王としてきっと国を導いてくれていたはずだ。
私が彼の人生を狂わせてしまったのだ。
だから、私は彼に会いたくなかった。
そんな彼が今、私の目の前にいる。
こんなに早く彼と会うなんて思っていなかったから心臓がドキドキしている。
私は下を向いて俯いている。
なるべく彼と視線を合わせたくない。
いつのまにか自己紹介タイムになっていて、みんなは一人ずつ名前を言っている。
そして、私の番が来た。
「リ、リリィです・・・・・・。」
「クリスです。歳は変わらないけどよろしくね。」
うぅ、その笑顔を私に見せないで・・・・・・。
今度は惚れたくないんだから・・・・・・。
とにかく、時間が早く過ぎてくれるのを待つしか無かった・・・・・・。