バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

第1 話 プロローグ (6)

じ、実は我が家、我が部屋には、本当かどうだか分かりませんが? その伝説の言い伝えのある扉が──クローゼット代わりに使用している小部屋に、衣装や装飾、下着や靴等に埋もれた中に隠れひっそりとあるものですから。

気付かない者も多く、現在知っているのは、|私《わたくし》と、ラフィーネの二人のみだと思うのですが?

祖父母の時代には、普通に出入りをしていたとも聞いたこともあるのですよ?

でも、父や母の時代には、扉を使用する事もなく、その部屋自体もクローゼットの部屋へと変貌を遂げたみたいなのですが。

……|私《わたくし》ふと、幼い頃の懐かしい思い出……走馬燈のように思いだしましたよ。

父や母すらしていない行為──幼い頃の|私《わたくし》の好奇心と、いうモノなのですが。

……実はですね、|私《わたくし》は、一度だけ扉を開け中に入った事があるのですよ。

まあ、何か訳も分からない建物がある、暗いだけの空間ではありましたが。複数の人なのか? 良く分からない呻き声がしたので。幼い|私《わたくし》は怖くなり、慌てて逃げ帰ってしまった記憶があるのです……

と、なると、やはり伝説は本当の実話?

う~ん、|私《わたくし》の中で、好奇心が沸いてきますね。

特に先程も述べた通り、|私《わたくし》自身は幼少の頃より、好奇心旺盛で、何にでも興味を示す悪い癖がありまして……ここつい最近は領主の姫らしく振る舞う為に抑えていたのですが。

でも、こうなれば、昔取った|杵柄《きねずか》の、|私《わたし》の悪戯心が沸いてきますね。

よ~し! 取り敢えずは、クローゼットの部屋へと移動して片づけを行いますか……

しおり