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44話 大陸移動説は正しいのか?


 キプロス星での生活が約1カ月が過ぎようとしていた、麻衣とのセフレ発覚事件の気まずい関係も落ち着き、一定の距離を保ちつつ瑠偉と美憂との関係は初めて出会った時の状態まで回復していた。
 そんな中瑠偉の掛け声で部屋の中で緊急の話し合いが始まった、何時ものテーブルに4人が座りテーブルの上には銀の球体が浮かんでいる、部屋中にリヴァララの音声が響き渡った。

『地球が発見できませんでした』
「似たような惑星はあったのだけど・・・・」

 瑠偉が発言と共に静寂が4人を包み込んだ。

「麻衣・・・お前の情報間違っていいたんじゃ?」
「完璧だよ? 絶対あってるから! 絶対だから!」

 麻衣を責めてみるが自信に満ちあふれた笑顔で応戦してきた。

「なあリヴァララよ、惑星の映像ってどうやって出してるの?」
『空間をレンズ状に歪ませて集光している光学式の超高倍率望遠鏡です、100万年光年以内の惑星なら綺麗に映し出すことが可能です。この銀河の直径は10万光年ですので十分範囲内に入ります』

 4人全員が黙り込みお互いに見つめ合う中、麻衣が「あっ」と言い何か思い出したのか両腕をテーブルに置き上半身をテーブルの方へ寄せる、すると麻衣の大きな胸がテーブルに乗っかった。
 俺がその乗っかかっている2つの丘を見ていると、瑠偉と美憂の冷ややかな視線が俺に突き刺ささる、俺は白々しく咳ばらいをしながら視線をそっと外した。

「なにか思い出したのか麻衣?」
「大陸移動説よ! 光学式ってことは数万年前の地球の姿ってことになるわ!」
「数万年でそこまでの変化は起きるのでしょうか? たしか数億年単位だった気がしますが」

 確かに瑠偉の言ったことは正しいかもしれない、学説が違っていたということも考えられる
 あとは太陽系の位置が学説よりかなりズレている場合も考えられる、一度瑠偉が見つけた似ている惑星の今現在の姿を見る必要があるな。

「リヴァララ、瑠偉が言っていた似ている惑星の場所を教えてくれ確認する」
『了解しました、データを転送します』

 リヴァララの発言と同時に銀の球体が俺の頭の上に乗る、テナにワームホールの知識を得た時と同じ感覚が頭の中に響いた、それと同時に俺のフルパワーを右手にすべて集めワームホールの作成を開始する。

「なんか微妙な振動が起きてるが建物は大丈夫なのか?」と言いながら美憂は部屋の中を何度も見まわしている。

 テーブルに置かれたコップが微細な振動を受けカタカタ音をたてながら少しずつ動いていく、瑠偉と美憂はテーブルから落ちない様にコップを持った。

 麻衣はコップには目もくれず俺の後ろに回り込むと俺の背中に胸を押し付け肩から顔出して俺の右手を見に来た。麻衣の呼吸が耳にあたるし背中の触れている柔らかい感触で集中が切れそうになったが何とかワームホールの作成に成功した。

「えー・・・ちっさっ」と麻衣はさらにまじかで見ようとさらに俺の顔の横から顔をせり出す。
「黙ってろ麻衣、集中が途切れる」

 黒い円の先を覗きこむと惑星の姿を確認することができた。
 見た感じは確かに似ている、青い海が広がっていて赤道付近の森林地帯と北極と南極の雪や氷河の白色部分が見える。だか陸地の形が微妙に違う、オーストラリアが無いし地中海もない宇宙から見えるとされる万里の長城もない、大陸にある砂漠地帯も少ない。
 たしかに地球に似ているが部分部分違うな・・・

「違うみたいね、オーストラリアが無いし」

 いつの間にか頬同士がくっついていた麻衣が自信満々の発言をした。

「確かに違うな、よし検索範囲を広げよう。リヴァララよ外側に範囲を広げて再度検索して検証してくれ」
『了解しました、すぐに類似惑星のリストアップを開始します』

 リヴァララの発言と同時にワームホールは徐々に小さくなっていき消えていった。
 消えると同時に胸と頬を俺にくっつけていた麻衣は「なんか、よかったよ」と言い先ほどまで座っていいた椅子へ戻っていく。

「よかったとか、誤解を招く発言はよせ麻衣」
「でも、初体験だし」
「ま、まあいい、瑠偉よ明日からまた頑張ってくれ。俺は力を使い切ったから休息する」

 俺は椅子から立ち上がりベットに向かう、瑠偉があわてた口調で俺を呼び止める。

「ちょっと待って」
「なに?」

 俺は振り向きもう一度イスに座り瑠偉を見る。

「力を使い切ったって言ったけど、それであの大きさなの? 通れるの? 存在時間も短いし帰れるの?」

 3人の視線が俺に一斉にあつまる、確かにあの大きさでは人は通れないと解るな。
 俺は彼女達に恒星のエネルギーを使用する案とこの浮遊島とリヴァララを頂くこととテナを地球に連れていくことを伝えた。

「出来るんですか、そんな事が?」
「昔やった事があるからな大丈夫だ。
 その時は世界各地で気温が下がって地球全体で大飢饉が起きて大変だったぞ、俺も若かったな」

「それは随分迷惑な話ね…」
「じゃあ、皆さんおやすみ」

 俺はベットまで移動し横になるなり眠りに入る、いつも通りのうつ伏せ寝で・・・

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