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31話 キプロス星の日常1


 美憂、瑠偉、麻衣の寝ているベットが上下に小刻みに揺れている。
 当然揺らしているのは俺だ。

「地震だー、みな起きろー、起きろー」

 美憂は揺れると同時に上半身を起こし叫びながら右手で瑠偉を左手で麻衣を起こしている。
 俺はテーブルに座り出された朝食を食べながら、ベットを観察していた。

「この起こしかた止めてもらえますか?」

 瑠偉が上半身を起こし素早く腕をクロスし胸を隠した、麻衣も「ほへ…」と言いながら上半身を起こす、ベットの振動で麻衣の大きな胸が上下に激しく揺れている。
 朝の胸揺れは最高だな、しかし瑠偉は腕クロスガードか・・・まさか盛ってるのか?

「瑠偉、腕で押さえているがズレるのか?」
「は? 意味不明なんですけど・・・まずは揺らすのやめてください」

 パッド盛りじゃないのか? まぁいい、俺はベットを揺らしている力を解除した。

「朝食が運ばれているぞ、冷めないうちに食べろ」

 3人はベットから降りるとそのままテーブルまで来て座りすぐに朝食を食べ始めた。
 美憂が一口食べて俺の方を向くと俺と目が合うと話し始めた。

「織田さん、ベットを揺らすのはちょっと・・・朝から生きた心地がしないんだけど」
「体を触って起こしてもいいのなら、喜んで起こすけど?」

 俺はニヤニヤしながら3人を見まわすと瑠偉が俺を見た、眉間に若干のしわを寄せている。

「寝てる間に何かしてないでしょうね?」

 瑠偉は見るからにイライラしているようだ、朝は機嫌が悪いタイプだろうか。

「何もしてないよ、俺は紳士だよって言ってるだろ?」

 まあ、昨日は麻衣を頂いたので欲望は満たされたからな、と麻衣を見たがすぐさま目を逸らし下を向いて食べ始めた。

「そうそう、温泉を作っておいたので今日の夜にでも入るといい、疲れが取れるかもな」
「おおー、行きたい」

 美憂がうれしい表情で答えるが瑠偉はまだ不機嫌そうな顔で食事をしている、俺の話に気づかないようなそぶりで美憂の方を向き話かけた。

「このオムライスおいしいですね」
「でしょう、テナさんに教えたんだよ。あとカレーも」

 しかし、この食材は何処から出てきたのだ? 畑とかは無かったはずだから植物工場かな、でもテナ独りで住んで居るし生産の方はどうしているんだろう、色々効きたいし見て回りたいな。
 よし、今日はこの惑星を探検しよう。

 朝食を食べ終わるタイミングでテナが部屋に入ってくる。

「城島様、佐久間様、始めましょうか」

 力なく返事をする瑠偉と、元気よく返事をする美憂はテナの後についていき部屋から出て行った。

 後ろを見ると後方に銀色の球体がまだ浮かんでいた、昨日テナから渡されたままずーっと俺の周りを浮遊している。昨日の夜中にトイレに行った時も中までついてきたきたし、寝ている時に目を開けて見たがその時も浮かんでいた。そのまま銀色の球体に手を置きツルツルの感触を楽しむ。

「おはよう」
『おはようございます、織田様』

「なあ、昨日のあれは見てた?」
『はい、大丈夫です。極秘にしておきます』

 なにが大丈夫なのかは不明だが、この察する人工知能は話の分かるやつだ。

「麻衣、今日は陸地に行ってみよう。もちろん麻衣は自力で飛ぶんだぞ」

 俺はそう言いながら麻衣に近づきアゴをつかむ。

「だからアゴはやめてって、伸びてしゃくれるから、猪木になちゃうから」
「いや、アゴは伸びないから」

 俺は麻衣と共に外にテレポートした。

 昨日と同じように浮遊都市上空に静止している、今回はちょっと高めだ都市全体が見渡せるほどの高度である、麻衣に浮くように指示を出した。

「へ? 昨日より高いんだけど・・・」

 力を切りアゴから手を外すと麻衣は昨日と同じように悲鳴を上げながら足から万歳ポーズで落下した。どうやら落下状態からはまだ浮けないようだ、しかたないので途中で静止させた。

「早く浮け、行くぞ」

 麻衣は目を閉じ息を長く吐く、体は浮遊し始める。

「じゃあ移動するぞ、ついて来い」

 暫らくして後ろからついてきている麻衣を見る、拳を握った右腕を前方に突き出して飛んでいた。順調だな、そろそろ速度を上げよう。

「スピードを上げるぞ」

 倍ほど速度を上げた所で後ろを見る、麻衣はしっかり付いてきていた。
 そして更に速度を上げる。

「目がぁー、目がぁー」

 後方から麻衣の声がする、後ろを振り返ると麻衣は涙目になっていた。速度を上げたことによる風で目を開けていられないようだ。

「足を進行方向にすると軽減するぞ」

 指示を出すと麻衣は体を回転させ足を進行方向に出した、当然のようにスカートが全部まくれ上がる、俺はそのまま進行方向に背中を向け麻衣の姿を観察している。

「痴女か? パンツが丸見えだぞ」

 俺の言葉と同時に麻衣は急停止する、足を下にしてまくれ上がったスカートを整え始めた。

「もー、知っててやらせないでよ。それより目が乾燥してる、痛い・・」
「俺の前方に風よけバリアを張るから、俺の真後ろで飛べ」

 再び移動を開始する、暫らく飛ぶと陸地が見えてきた。

「この辺で降りるか? 止まるぞ」

 俺と麻衣は停止し地面にゆっくり降りていく。

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