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二つのカギ

『黒色かピンク色のカギ、どちらかを選択したら家のカギ穴にカギをさして回す。黒色のカギは自分の戻りたい時間に戻ることができる。』

黒色のカギは俺の理想的なものだった。
李緒との出会いをなしにすれば、こんな誤解で俺がいじめられることなんてなかったのだから。

本当にこのカギで戻れるのなら高校入学する前に戻りたい。
だけど・・・・

『だが、黒色のカギで戻ることはできるが、カギを使えるのは1度だけ。黒色のカギを使った後にピンクのカギを使うということはできない。そして、カギを使っても22歳である俺の過去が変わることはない。今の俺の過去が変わるだけだ。』

つまり、パラレルワールドになるということらしい。
1度ということは過去に戻って、未来を変えたとしてもまた繰り返してしまったときにまたやり直すことはできない。

『それに・・・昔の俺は今の記憶は残っている。それは当たり前だ。だけど、それまでに関わってきていた友達やバイト仲間、当然だがあみからは記憶が消える』

消える・・・。

俺は自分のためには黒色のカギを使いたい。
そうすれば今の現象からは解放されるから…

でも、あみには情けない姿を見せてしまったけど
ギュっと抱きしめてくれて、頑張ってないのに「頑張ってる」って言ってくれたり、かっこいいって言ってくれたあみはいなくなるんだ…

『どちらを使うかは俺次第だ。』

そんなこと言われても・・・

『言っておくが、俺はカギがなくて現実を受け入れて今までやってきた。このカギがもっと前にあったらってずっと思ってるよ。でも、過去は辛かったが、今はとても幸せだ』

だったらなんで送ってきたんだ。

『幸せだが、あみを巻き込んでしまったことは今でも後悔している。だがもう過去だ。だから、お前が決めてくれ。勇気を出してくれ』

勇気・・・告白しろと言ってるのか…無理だよ。
あの時も告白できなかったというのに・・・


もし、今ここで黒いカギを使ったらどう変わるんだ?
ピンクのカギを使ったらどうなるんだ?

未来の俺が言うにはこれからあみをさらに巻き込むということか・・・・

それは、嫌だ・・・・・・


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