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家庭

俺は李緒に裏切られ、クラスメイトにも見放され、仲良かったクラスの友達も俺のことを信じてくれず、俺からみんな離れて行った。

噂を流されて一週間たったが状況は変わらぬままだった。

行きたくない。行きたくない。学校なんか行きたくない。

俺はそう思っていた。

ピピピピ・・・ピピピピ・・・

目覚まし時計の音が部屋に鳴り響く。

俺にとって目覚まし時計の音は地獄の音。新たな1日のスタートの音だから。

学校に行き、家に帰ってきて、バイトに行って、ご飯を食べて、お風呂に入って、寝る。

これが俺の日常生活。その中の学校は1日の半分以上の時間を使う。
学校は俺の居場所ではなくなった。

前までは話せる友達も、笑いあえる友達もいたのに。
もう学校にはいない。

頑張って1日を乗り切っても、この音が鳴り響くたびに胸が痛くなる。

『今日、体調がすぐれないから学校休む』

そう美香ちゃんに送った。
美香ちゃんはすぐに学校に連絡をしてくれた。

小学校でも中学校でもしたことがなかった“サボり”をした。

1日中部屋に閉じこもってゲームをする。
それだけで気持ちが楽になれた。
どうして・・・こうなってしまったのだろう。


「もうこんな時間か・・・」

18時。夜ご飯の時間になっていた。

学校に行ってるときは時間が経つのが長く感じるのに対して休んでいる間は、短く感じた。

ピー…

美香ちゃんから呼ばれた。
ご飯の時間かなと思い、下に行くと美香ちゃんと父親が椅子に座っていた。

俺は・・・・父親が大嫌いだ。

「お前、今日学校を休んだそうだな」

また始まった。

「うん。体調が悪くて…」

「病院には行ったのか」

「行ってない。」

ドガッ!!

俺が学校に行きたくないことと今の現象を話したらグーで殴ってきた。

痛かった。すごく・・・そりゃそうだ。
痛いところを手で押さえるとそこには赤色の液体。血がついていた。

その血は床にまで零れ落ちていた。

美香ちゃんは俺の血を見てすぐにティッシュを持ってきてくれた。そして、赤い血で染まっている床を拭きはじめた。

その間父親は謝ろうともせず、こうつぶやいた。

「お前は何もできない無人間」

「お前は生きてる価値がない」

と。俺が何もできない無人間というのはわかってる。

だけど、父親に「生きてる価値がない」と言われたことがショックだった。

まだ、ご飯ができないみたいだったから俺は部屋に戻った。

ピコーン♪

『大丈夫か?』

美香ちゃんからそうラインがきた。
美香ちゃんも父親には逆らえないのだ。


まず、父親は俺と血はつながっていない。俺が5歳くらいのときに父親になった。
嫌いな理由は、まあ今回みたいに急に殴ってきて、謝らないこともそうだが。

俺は見てきた。俺には兄ちゃんと姉ちゃんがいた。兄ちゃんは高校を途中でやめて家を追い出された。

姉も高校に通わず追い出されたのだ。
まあ、血がつながってないから追い出すのだろう。

兄ちゃんは親との縁を切ったみたいだが、姉ちゃんは女ということもあって父親は甘やかしている。

そして、俺にはもう1人弟がいる。
弟とは半分血がつながっていない。美香ちゃんと再婚してできた子供だった。

父親にとっては弟は実の息子。だから、「あれほしい」と言えば買う、実の息子には甘やかすんだ。だから俺は父親が嫌いだ。

本当ならばこんな家出てしまいたい。

だけど、お金もない。学校やめたいけど、やめたら出て行かなくてはいけない。
俺は、家を出ていくことも学校をやめることもできない・・・・。



そして、次の日も・・・・その次の日も・・・またまたその次の日も・・・俺は学校を休んだ。

美香ちゃんは俺のこと守ってくれている。初めてサボった時は話したが、理由を知って父親に学校に行ってないことを言わないでくれている。

でも・・・このまま家にいるわけにもいかず、父親が休みの時は学校に行くことにした。

学校につき、教室に入るとクラスメイトの視線を感じた。
席替えをしており、一番前の席だった。

「痛っ!」

座ったらチクッとして立ってみると、そこには画鋲が刺さっていた。テープで固定までされていた。

さらに机の中を見ると、なぜかハンガーが入っていた。

久々に学校にきたが、前よりも状況が悪化していた。

家に帰りたいが、今帰ると父親にまた殴られてしまう。そう思うと最後まで学校にいるしかないと思った。

キーンコーンカーンコーン

学校が終わり、すぐに教室を飛び出して校門をくぐる。
すると・・・

「どんちゃーん」

そこには・・・・・・

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