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一話 入部生一年生!

 朝の六時に新しくアルメールが作ってくれた朝食を、新しく増えたエルフを入れ四人で食べだす。


「でも、なんで今頃五万年もの世界混沌計画がまた来たのよ。せっかく平和で世界は保たれていたのに」

「首謀者はレイちゃんです的な」

「俺が「幸福部」を作ったからといって変な理由を使って活躍しようとはしないわ!」


 アルサさんにとんでもないジョークをぶっこまれた勢いにのっかって、勢い爆発でツッコんでしまった。
 しかもなぜか綺麗な犯行動機になっているんだが!?


「アルトさんは巨乳派ですか? 貧乳派ですか?」

「牛乳を片手に言う言葉ではない年齢喪失エルフ!」

「アルトさん、それはもしや──巨乳派で?」


 そりゃそうだ。
 高校生でそういうのを好きな年頃の男子としては巨乳派だろう。
 だがそれを認めては、俺の今後のパーティーリーダとして汚名が!


「レイトさんは……私のことは好きじゃないのですね……」

「えーと、アルサさん? なんでそんなことになってるのでしょうか?」

「巨乳が好きと言ったからです!」

「何勝手に二人で俺をハメてんだ!」

「ハメるなんて下ネタをレイトが使った!イヤラシイ!」


 なんで俺が二人にハメられ一人に軽蔑されてんだよ!
 俺がなにしたねん!(ヤベ! 地球にいたときの口調に!)
 とりあえず飯をかき込んで……っと。


「早く食べて準備しろよ? 八時には出るぞ?」

「八時とか六時とか、なにですか?」

「異世界から飛んできたレイトの世界には、時間というものがあるんだって」


 そう、この世界に時間は存在しない。
 俺が死んだときに、俺とは違って生きていた強者(スマホ)の時間は変わらず動いている。
 ちなみに俺の親友で強者のスマホ君は、太陽の光で充電している。
 ソーラーチャージャーがたまたま内ポケに入っていたなんて奇跡だ。
 そんな俺の親友スマホ君の話しをしたところでなんにもならないのは一番自分が分かってますよ。


「準備できたか?」


「「「うん!」」」


「じゃあ行くぞ! クリア条件は──世界を幸せにして終わり! っで!」


 玄関の扉を開けて街に出ると、エルフが嬉しそうだ。
 ここに来る途中、街は暗くてよく景色が見えていなかったんだろうな。
 名前を言わないエルフ、絶対に名前知りません! なんて言い出すパターンなのは目に見え見えだぞ。


「……?」


 たまたま前を見た時に見えてしまった鎧に包まれた……生物。(人間です)
 俺は、後を追いたいが追えない。
 なぜならこうなっているからだ。


「ねぇ! レイトー! ハンバーガー食べに行こうよー!」

「私は蟹が食べたいですね」

「私はサソリー!」


 この時代になんでハンバーガーはあるんだよ! なんでサソリなんだよ! 偏食家! と、的確にツッコミを返し俺に抱きついているアルメールを引き剥がす。


「レイトに……振られた」

「今のでなんで振ったことになるんだよ! ……それよりも、さっき奇妙なやつをみた」

「奇妙な生物ですか?」

「ああそうだ! ゴキブリみたいな奇妙な生物だ!」(人間です)


 俺とアルサさんが、気になるよな! 追ってみない? そんな会話を繰り返してみたが……アルメールはなんで振られたことに対してまだ拗ねてんだ!
 しかもエルフどっか行っていないし!


「レイトは私しかダメなんだかりね──!」

「何急に吠えてんの!? まじ怖いわ!」


 ──バコーンッ!コゴゴゴ……ガララララーン!


 あーあー。
 アルメールは怒りに侵食されたために家を破壊。
 レベルが2上がった。


「……お前さ、アルメール。ここハンバーガや」

「え?」

「アルメールちゃんがハンバーガ屋さんを壊しちゃいましたね」

「うそよ────!」


 自分で壊しておいて泣くの!?
 それは卑怯ですよアルメールさ……ん?


「レイト殿ですね?」

「あー、はい。……って鎧の生物!」(人間です)


 突然、風のように現れた鎧のせ! 人間が声をかけてきたが……俺の名前んなんでだ?


「私はポーション生成師のマーリンです」

「ポーション生成師なんすか! すごいですね! 見た目と職業のギャップが……」

「表向きは剣士だが、裏でポーションなので……。はぁっ! 私としたことが! なぜ裏のポーション生成師のこと先に……!」

「あんた絶対バカだろ!? 脳みそミジンコ以下の知能だろ!」

「なぜそれを!? 透視能力で脳の形を見えもらった時に、脳がないに等しいほどに小さいと言われたのだ」


 本物の脳みそミジンコがいた!
 ものの例えで使う脳みそミジンコ以下が現実に? 的なキャッチフレーズで掲示板新聞に載せたら多分いい笑いものになる。


「で、用件は?」

「そうだった!私を……、私をパーティーに! ──入れてはもらえないだろうか」

「えーと……。なんで? ダラダラで馬鹿ばっかだよ?俺を除いての問題だけど」


 俺以外はバカバカバカバカバカバカだ。
 バカを無量大数いっても表せないほどのバカバカっぷりにバカが一人加わるとなると……、


「バカが四人になるのか!」

「私もバカに入っているの!? ひどいわレイト!」


 いや、お前の頭の中が一番ひどいから人には何も言わない方がいいぞ? とは……さすがに言えないな。
 多分、聖剣で一刀両断切りをくらうだろう。
 真剣白刃取りで聖剣を止めたことはあるがここでそれをしてしまうと、剣の勢いと止めた衝撃が倍になって街が全て崩壊する。
 都市型直下型地震になりかねない。


「一様、うちのパーティーは世界を幸せにすることを最終目標としててさ。幸せにする気ある?」

「もちろんだ!リア充はすぐさまに排除したいほどに嫌いだが!」

「闇が! 闇が見えてるよ脳みそミジンコ以下さん!」

「すまない! カップルの幸せは……ぐうう!許せないのだ!」


(((元カレと何があったんだこの人……)))


 とりあえず加入申請をギルド本部へとマーリンさんを連れて行って済ませたが……。
 顔を見ていない……。


「マーリンさん、顔のやつとって顔を見せてくれ」

「あ、ああ! そうだったな! ……これでいいか?」


 キラーンと効果音と共に星のスタンプがあちこちへと沢山飛び散る中、とても言葉で言い表せない美少女が飛び出てきた。
 まさにこれがハーレムオンザドリーム! って感じだと確信したぞ!


「顔はいいのだが……鎧は外せないのだ」

「ポーションを隠す必要があるから?」

「そうなのだアルメール殿」


 ポーション隠してるとか勿体無いない。
 二つの顔を持つ必要なんてない! と、言ってあげるのが妥当なのかもしれない。
 ただ俺が言えた立場でもない。


「で、レイト? どこへまず行くの?」

「そうだった! ……えーと。とりあえずは近くの怪樹の森へ入ってルーバティンの革で装備の補強だけしてからダンジョンに行くか」


 ワクワクドキドキしているのはみんな同じなのはわかっているが……やっぱりこの世界が俺は好きでたまらないかして一番心が跳ねているそうだ。
 
 

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