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巫女の予言

エルバの巫女であるランシアはいつも のように大聖堂で祈りをささげていた 。

神官たちや彼らを守るレビエルトの戦 士たちもかたずをのんで、この儀式を 見つめていた。

そして、ランシアに神託が下った。

ランシアは新官長のエルバを呼んだ。

ランシアはエルバに神託のことの重要 性を語った。

ランシアは言う。

「エルバ、神託がおりました。」

神官長のエルバは、ランシアの表情が いつもと違い険し表情を見てとり何か 重大なことが起き

たのだと知った。

エルバは言う。

「ほう、して、神託はなんと」

ランシアは冷静さを取り戻して言う。

「どこの惑星かわかりませんが、一人 の者が外宇宙と交信いたしたようです 。」

ふむ、とエルバは言った。

ランシアは続ける。

「その者が外宇宙のものと結託し、こ の宇宙を侵略するとのことです。どう 思います。」

エルバは少し考えてから言葉を選びし ゃべる。

「なるほど、それはただ事ではありま せんな・・・・・・ランシア様、この ことをすぐに

各惑星に伝え、調査し、各惑星の方々 と話し合う必要があるでしょう。」

ランシアはエルバのこの冷静な対応に いつも救われていた。

巫女であるランシアは、幼いころにそ の力を認められ、厳しい修行の中、正 式に巫女として迎

えられていた。

いま彼女の年齢は、18歳である。

本来ならば、温かい家庭の中自由にく らして、恋の一つや二つもする年頃で あるだろうに。

過去の神官たちからそのたぐいまれな い力を発見されて、半ば強制的に親元 を離れて暮らして

きたのだ。

その時から彼女に自由はなく、国家の ため、各惑星のために時間を費やして きた。

しかし、それも過去のことと割り切り この大役をこなしていた。

ただ、ひと時でもいい、自由がほしか った。

そんな彼女の相談役はいつもエルバだ った。

ランシアは言う。

「わかりました、エルバ。直ちに各惑 星の方と首脳会談を行います。準備し てください。

それと、おそらくアリレスト宇宙領域 を調べてください。敵はそこから出現 してくるはずです。」

エルバは答えた。

「わかりました。すぐに取り計らいま しょう。ランシア様はしばらくお休み ください。」

ランシアは心も体も疲れ果てていた。 ことの重要性とこれから果たさなくて はならない重圧や

祈りに使われた莫大なエネルギーの使 い過ぎだった。

ランシアは言う。

「ありがとう、エルバ、では後を頼み ます。私は少し休みます。」

エルバは数人の神官とレビエルトの戦 士たちを呼んだ。

女性神官の一人パザは、ランシアの様 子を見て心配しながら言う。

「ランシア様、大丈夫ですか。いつも はこんなにお疲れにならないのに」

エルバは言う。

「パザ、今回は大変お疲れのようだ。 ランシア様を早く部屋に連れて行き、 休ませるように。

それとグラウザよ・・・・・・」

グラウザとはまだ若いが、レビエルト ナイトの一人で、その実力は誰でも知 っていた。

そして、密かにランシアに恋後心を抱 いていた。

グラウザザも心配そうに見ていたが、 分はわきまえていた。

グラウサは言う。

「早くお休みいただいたほうがよろし いです。ランシア様、行きましょう」

ランシアはグラウザが自分のことを本 当に心配している姿を見て、胸が熱く なった。

また、ランシアも内心グラウザのこと を愛していたのだ。ただ、巫女とナイ トと言う階級制

があり、二人とも思いを寄せてもかな わぬ恋と知っていた。

ランシアはその心を殺しながら冷静に 言う。

「ありがとう、二人とも。今日は疲れ ました。休みます。行きましょう。」

その時、疲れのあまりランシアが足を 滑らした。

グラウザはとっさにランシアを受け止 めた。

ランシア顔を赤らめて言う。

「あ、ありがとう」

グラウサはとっさに行った。

「し、失礼しました」

そんな二人を見ていたパザは何事もな かったように言う。

「ランシア様、大丈夫ですか、さ、私 の方におつかまりください」

そういって肩を貸してもらいながら部 屋に戻った。

エルバは、直ちに緊急会議を開いた。

各惑星に派遣している大使たちに連絡 を取り、事情を伝えた。

そして、そして宇宙協議会を開きたい ということを大使たちに伝え、アリエ スト宇宙領域の調

査を依頼した。

各、惑星の首脳たちも緊急会議を開い ていた。

そして二日後、科学技術省からアリエ スト宇宙領域の調査の報告書が、各惑 星に伝えられた。

報告の結果、アリエスト宇宙領域全体 にありえない重力磁場のゆがみが報告 された。

首脳たちはこれで、エルバの巫女が嘘 をついていないことが分かった。

事は緊急を要した。

各惑星の首脳はエルバの巫女に宇宙会 議を提案し、巫女はこれを承諾した。

四日後、宇宙会議が開かれた。

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