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未曾有の恐怖

老人は店のおはさんに刺身定食を頼んだ。

おばさんは笑顔で(はい、刺身定食ね)といい奥に行く。

しばらくすとカオルたちが注文した海鮮丼が来た。

カオルとヨシキは笑顔になりながらおばさんに(ありがとう)と言った。

カオルが楽しそうにヨシキと話していると、老人は意識を集中させて、カオルにテレパシーを送った。

カオルが笑いながら海鮮丼を食べようとしたとき、テレパシーの声を聞いた。

(やぁ、魔界女王、楽しそうだね)

その声を聞いたカオルは、突然聞こえてきた声に驚きながら顔を蒼白にした。

思わず、はしを落としてしまった。

その異変にすぐにきずいたヨシキは驚きながら言う。

(おい、カオル······どうした、お前顔が蒼白だぞ、大丈夫か······)

ヨシキは突然の事に動揺した。

すぐに店員のおばさんを呼び、カオルが体調をこわしたことを告げると、おばさんは心配しながら奥から枕を持ってきてここで休んでいきなさいと言う。

カオルは心臓が止まるかと思いながら、なんとか作り笑顔をして言う。心のなかは恐怖心でいっぱいだった。

(うんっ、ちょっと急に気分が悪くなってね、どうしたんだろう、私)

ヨシキは心配しながら言う。

(その顔は不味いな、救急車を呼ぶから待っていろ、カオル······)

カオルは泣きそうになりながらヨシキに言った。

(ありがとう、ヨシキ、本当にごめんね······)

ヨシキは(ああっ、大丈夫だ、すぐに来るからな、ちょっと寝てろ)
と優しく言う。

ヨシキはケータイを取り出すと、救急車に電話した。

カオルは寝ながら声を聞いた。

(おや、おや、天下の魔界女王ともあろうものが、いったいどうしたのかね、かなり気分が悪そうだが
これでは海に来たかいがないと言うものだな)
といいながら笑い声を聞いた。

カオルは思った。
これは幻聴だ、私は病気なんだと

声は続く

(ああっ、これは失礼、まだ私の名前を言ってなかったね、
私の名前はサンジエルマン伯爵ともうす、いご、お見知りおきを)

という声が聞こえる

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