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魔剣士ヌマ

2人がサリーの部屋に着くと、バルボワが立ち止まった。

ヌマがバルボワにむけてテレパシーを送った。

(やっと来たか、愚かなハイランダーよ、お祈りはす

んだのか······)

バルボワ

(フンッ、お前こそ死ぬ準備は出来たか···)

バルボワは部屋に入った。

バルボワが入ると驚いた。

部屋にはサリーがベッドで寝ており、死んだジョンソ

ンがヌマの呪いを受けながら必至になってサリーを守っていた。

レイジェルはバルボワの怒りの表情を見ながら言う。

(どっ、どうしました、バルボワさん···)

バルボワは拳を握りしめながらいう。

(レイジェルさん······死んだジョンソンさんがヌマ

の呪いを受けながら必至になってサリーさんを守って

います······)

部屋の中に置いてあった花瓶がいきなり割れた。

レイジェルは驚きながら言う。

(何てことだ······)

ジョンソンはサリーを守るためにみずから呪いを受けていた。

ヌマのテレパシーがバルボワに言う。

(ハッ、ハッ、ハッ、愚かな人間よ、我が呪いを受け

たからには地獄の苦しみだろう、よく耐えた、だがこ

れで終わりだ······)

ジョンソンは地獄の苦しみを感じていた。

しかし、決してひかなかった。

愛するサリーを守るためなら魂が滅んでもよいとさえ

思っていた。

それほどまでにジョンソンはサリーを深く愛してい

た。

深い愛情だった。

バルボワの怒りは最高潮となった。

彼は右手を高くあげると(エクスカリバー)と言う。

突如、バルボワの右手をから光が出て、聖剣エクスカリバーが出現した。

ヌマは言う。

(聖剣エクスカリバーか······しかしどうするハイラ

ンダー······私はこの世界にはいないのだぞ、そこ

でおとなしくこの2人の最後を見届けろ······)

バルボワは冷静になって言う。

(おいっ、化け物······なめるなよ、お前に我が奥義

を見せてやる······)

バルボワは両手でエクスカリバーをもち呪文を唱えた。

バルボワは言う。

(大いなる時の神ズールよ、我声に答えたまへ、

異界の扉を開けたまへ、ロンダルグ、メソキア、

バイナグルー······)

バルボワの目の前が輝いて青銅の扉が出現した。

扉はゆっくりと開いた。

バルボワはレイジエルに言う。

(レイジエルさん、俺はこれから異界に行き必ずヌマ

を倒してくる、待っててくれ······)

レイジエル

(わかりました、バルボワさん、お気をつけて·····)

バルボワは扉のなかを歩いた、そこは赤い色の世界だった。

バルボワが歩いていくと、崖っぷちまでたどり着いた。

エクスカリバーがテレパシーで言う。

(バルボワよ、ヌマのいる世界はどうやらこのしたに

あるらしい······)

崖の下はどこまで落ちればその世界につくのかわから

ないくらい高かった。まさに奈落の底と言う感じがし

た。

だが、どうすればヌマの世界に行けるのか、いくには

この崖から落ちなければならないが、バルボワはパラ

シュートなどを持ってはいない。

バルボワは崖っぷちの下を見ながら言う。

(行くか······)

するとバルボワは崖から身を投げた。

落下速度は時速300キロであった。

底なしの世界をひたすら落下した。

空気が凄いいきをいでバルボワの体に吹きかかっていた。

バルボワは落下しながらエクスカリバーに心の中で言う。

(エクスカリバー······どこまで落ちればいいんだ)

エクスカリバー

(もうすぐ······もうすぐだ、バルボワよ、

そろそろヌマのいる世界に着くぞ······着地の準備

をしょう······)

すると、エクスカリバーが青白く光り、バルボワを包んだ。

バルボワの落下速度は急減速して、ついにヌマのいる

世界の大地が見えてきた。

バルボワはフワリと大地に降り立った。

赤い色の大地の世界は岩だらけの荒涼とした世界だった。

バルボワは辺りを見回したがヌマはどこにもいなかった。

エクスカリバーが言う。

(バルボワよ、用心しろ、先程からヌマの気配がする

ぞ······)

バルボワは辺りを見回しながらどこから攻撃されても

いいように戦闘態勢をとる。

姿の見えないヌマに対して気配を探したが、ヌマの気

配が読めなかった。

バルボワが警戒していると後ろから殺気を感じた。

バルボワは体をひねってヌマの攻撃をかわした。

バルボワの前にある岩が砕けた。

バルボワは言う。

(インビジビデテイか······)

エクスカリバーが言う。

(バルボワ、左だ、剣は上から来るぞ······)

バルボワは左からの攻撃をかわして剣を打ち込んだ。

剣は紙一重で空を切った。

姿の見えないヌマが言う。

(さすがだ、さすがだ、ハイランダー······今のは危

なかったぞ······)

と笑ながら言った。

バルボワは言う。

(成る程、姿が見えないか······だがこれならどうだ

グラバード······)

バルボワが呪文を唱えるとエクスカリバーが光輝いた。

その光を見えないヌマが受けると魔法が解けてヌマが

姿を現した。

バルボワはニヤリと笑ながら言う。

(これでもう隠れることはできんな······)

ヌマは笑ながら言う。

(だからどうしたと言うんだ、ハイランダー····、

貴様が死ぬことには変わらんぞ······)

姿を現したヌマは自信満々だった。

バルボワとヌマは動かないでお互いの隙をうかがった。

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