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呪いのビデオ

「貴方、今、パパと話したの、でも私にはパパが見えない

し、聞こえないわ、こないだはハッキリと声も聞こえたの

に・・・・・・パパは今、ここにいるの」

ステーブンは黙って聞いていた。

バルボアはコーヒーを手にとって一口飲んだ。

そして2人に言う。

「ジョアンナ、残念だがパパはここにはいない、ママのい

る病院にいてママを守っている」

それを聞いたステーブンが驚愕しながら言う。

「バルボアさん、俺はサリーが病院にいることはいってな

いはずた、分かるのか」

バルボアは「ああっ」といって、コーヒーを美味しそうに

飲みながら言う。

「ステーブンさん、ジョアンナ、どうやらこういうことの

ようだ。

俺は先程から意識を集中させて、霊視と交信をしてみた。

どうやらジョンソンさんは確かに呪いの人形に殺害された

らしい、ジョンソンさんはこう言った、パトロール中に

人形の部屋に入り、人形のうでに胸を触られて殺害された

ようだ。

そして、闇の王を見てしまったらしい」

ステーブンとジョアンナは同時に言う。

「闇の王」

バルボア

「ああっ世界の魔どもの王だ、俺も見たことはないな、

名前をアフリマンというらしい」

ジョアンナ

「アフリマン」

ステーブン

「それは、旧約聖書で言うところのサタンの事か、

本当に存在してるのか」

バルボア

「そうだな、サタンは堕天使だが、正確には違う、

ヤツは堕天使ではない、本当の正体は、ゾロアスター教の

魔の存在だ」

ステーブン

「ゾロアスター教」

バルボア

「最初の宗教であり、いろいろな宗教を作るベースになっ

た宗教だ。

ゾロアスター教には光神アフラマズダーと悪神アフリマン

がいて、戦っていると言う。

しかし、この世界は闇の力が最も強く、光の力が最も弱い

世界だ」

ジョアンナ

「そんな、じゃあ、神様は弱い存在なの」

バルボア

「いゃ、どちらも巨大で性質が違うだけだ、ただ、

この世界は人間にとって、悪の力がが原動力となってい

る」

ステーブン

「バカな、神の力より、何故、悪の力が上なんだ」

バルボア

「ふむ・・・・・・、そうだな、人間は欲が深いからな、

意志の力が強い方の力が渦となつてくるんだ」

ジョアンナ

「意志の力」

バルボア

「確かに神は存在しているが、人間が考えているような存

在ではない、どちらの力を優先させるかによって、力が激

突するらしい、だが、悪の力が有利のようだ、

まっ、かならずそうとは限らないが・・・・・・」

ステーブンは言う。

「どういう意味だ、もう少し簡単に話してくれ」

バルボア

「人間は、三つの性質を持っている、よい心、悪い心、

その2つの力を併せ持ったもの、魂はよい霊と、悪い霊が

いる、どちらもこの世界に生まれてくる。

ただ、生まれてきても環境が最悪なら、よい霊の魂も汚れ

てしまう。

よほど、強い魂でもなければ・・・・・・、そして、悪い

ヤツはたくさんいて、いいヤツを汚す」

ステーブン

「例えば、いじめとかが汚すのか・・・・・・」

「ああっ、いろいろあるな、家庭内暴力、集団のいじめ、

性的虐待、いろいろとな、だが、一番ひどいのは心を

マインド・コントロールている奴等だな」

ステーブン

「誰なんだ、そいつは」

バルボア

「正確な情報はさだかだか、イルミナティだ」

ステーブン

「イルミナティ、聞いたことがあるぞ、確か、裏で世界の

糸を引いているとか」

ジョアンナは恐怖に震えた。

バルボア

「ああっ、かなり胡散臭い連中だ」

ジョアンナ

「ねぇ、バルボア、じやあ、神様は人間を助けてはくれな

いの」

バルボア

「いや、味方だか、人の都合のいい存在ではないな、

神様とて、無敵ではないからな」

ジョアンナ

「ウソっ」

バルボア

「ジョアンナ、神様は偉大だ、だから、その反対の魔と

いう存在も強大だ、いつも助けてくれるとは限らない、

だから、人は努力する」

三人はしばらく沈黙した。

バルボアはステーブンに言う。

「ところで、ステーブンさん、ビデオを見せてほしいのだ

か・・・・・・」 

ステーブンは「アアッ」と言って置いてあった、鞄の中か

ら一本のビデオテープを取り出した。

そして、ジョアンナに言う。

「ジョアンナ、悪いがバルボアさんと二人っきりで話をし

たい。

俺がイイと言うまで部屋にいてくれないか・・・・・・」 
ジョアンナは「ウンッ」と言って自分の部屋に行った。

ステーブンは安心した。

ステーブンはビデオデッキにテープを入れる。

再生が始まった。

ステーブンは恐怖感でいっぱいになりからだ全身が震え

た。

一方、バルボアは涼しい顔をしながらニヤリとして、興味

深そうにテレビを見ていた。 

テレビ画面に映像が映る。

映像は博物館を写し出す。

ジョンソンが倒れていた。

人形がジョンソンの体を手で触り、死んだのを確認する

と、笑いだした。

人形が上を見上げると、黒くて巨大な三体の人魂が表れ、

人形となにか話しているようだった。

映像は急に画面がざーっと黒くなり、そこで終わった。

バルボアは「なるほどな」と思いながら何やら考え込んで

いた。

ステーブンは映像を見て、気分が最悪となりバルボアに

「ちょっと失礼」と言って、洗面所に行った。

ステーブンは洗面所で吐いてしまった。

気がおかしくなりとうだった。

ステーブンはトイレに行き、用を済ませてからリビングに

戻った。

バルボアはステーブンの顔を見て言う。

「ステーブンさん、大丈夫ですか、顔が蒼白ですよ」

バルボアは仕方がないなと思った。

普通の人間がこんな映像を見たらそうなるだろう。

しかも、彼は当事者だ。

ステーブンはソファーに座り、手を振っていう。

「最悪の気分だ・・・・・・」

二人はしばらく沈黙した。

ステーブンが落ち着いてくると、バルボアは言う。

「ステーブンさん、これで敵の正体がわかった、俺はヤツ

を倒しにいくことにする」

ステーブンは「エッ」と言って驚いた。

内心、この件を断るのでわないかと思ったからだ。

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