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 一日、一日が過ぎる度に、私の火傷の跡は増えて行った。
 お外へ出ることもなくなった。
 家には、武さんと由香の3人しかいない。

「おい、ガキ!
 ちょっと来い!」

 なんだろう?
 私は、言われるままに武さんの元へ行った。

 すると武さんが突然。
 私の右の頬を叩いた。

「痛い……」

「勉強の時間だ。
 イエス・キリストは、こう言った。
 『右の頬を打たれたら、左の頬を差し出せ』ってな!
 言葉の意味わかるな?」

 武さんは、ケラケラと笑う。

「わからないよ!
 私は、イエスなんとかって人じゃないもん!」

「じゃ、ママを殴るか」

「え?」

「それとも由香がいいかな?」

 私にはどうすることもできない。
 私は震えながら顔を上げた。

「……はい」

「わかったら、左の頬を向けろ!」

 私は、首を横に振った。
 そしたら、強引に私の左頬を叩いた。

 どうして?
 どうしてこんなことするの?

 私には、わからない。
 なにもかもわからない。

 ただ、ただ、ただ。
 それが、つらかった。

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